フィスコニュース


東邦ガス Research Memo(7):新中計画では、戦略事業の成長等で連結経常利益300億円を目指す

*12:07JST 東邦ガス Research Memo(7):新中計画では、戦略事業の成長等で連結経常利益300億円を目指す
■成長戦略・トピック

1. 新中期経営計画(~2028年3月期)で経常利益300億円を目指す
東邦ガス<9533>は、2025年3月に新しい中期経営計画を発表した。2026年3月期を初年度、2028年3月期を最終年度とする3ヶ年計画であり、2030年代半ばに目指すグループビジョン(2022年に公表)に向けた第二ステップ前半にあたる。グループビジョンでは、「地域におけるゆるぎないエネルギー事業者」として多様なエネルギーの提供者であることとともに、「エネルギーの枠を超えた、くらし・ビジネスのパートナー」とうたっており、課題解決型ビジネスの深耕と、他分野との連携による事業領域の拡大を目指す。基本戦略としては、経営資源配分の見直しを加速し、事業構造の変革を推進する。コア事業の収益力を強化しつつ、そこで得たキャッシュを戦略事業に積極投資し成長する計画である。

新中期経営計画の利益目標は、連結経常利益で300億円(2028年3月期)である。足元の経常利益の実力値が250億円と想定し、50億円伸ばす水準である。中期経営計画期間においては様々な費用の上昇(物価、賃金、利払い等)が想定されるなか、コア事業の効率化、収益力強化を継続しつつ、戦略事業(電気、海外、地域を基点とした課題解決型ビジネス)の利益を伸ばすことで収益向上を目指す。

2. コア事業でキャッシュ創出、戦略事業に投資し利益成長を目指す
同社のコア事業は、都市ガス事業及びLPG事業であり、安定的なキャッシュフローの創出を目指し、サプライチェーンの各段階での取り組みを推進する。これまでの実績と先進技術・DXの活用などにより業務の高度化・効率化を継続するとともに、LNG調達力の強化、LPG事業の持続的成長のための施策を強化する。コア事業では営業キャッシュフロー450億円(2028年3月期)を目指す。

同社は戦略事業として、電気事業、海外事業、地域を基点とした課題解決型ビジネス群を挙げている。特にガス事業で培った強み(基盤・技術・知見)を存分に生かすことができる電気事業、海外事業は次世代の利益成長の原動力として有力である。電気事業は既に売上げ規模で1,000億円に達しており、2025年3月期に黒字化も達成し好調に推移する。中期経営計画期間には、競争力のある電源の構築、再エネ開発の推進、営業ソリューション多様化などに取り組み、500億円程度の積極投資を行い、収益性(ROIC:投下資本利益率)で3%+αを目指す。海外事業では、これまでに天然ガスや再エネの普及拡大を通じて、各地域の低・脱炭素化に貢献する取り組みを行ってきた。特にアジア・豪州では、既存の拠点のある、豪州、シンガポールのほか、ベトナム、台湾、インドネシア、タイなどでプロジェクトに出資参画してきた。また、欧米においても、米国、カナダ、英国、ポルトガルで出資参画が行われている。中期経営計画期間には、ベトナム、インドネシア、米国での拠点を整備する計画であり、400億円程度の投資を行い、収益性(ROIC:投下資本利益率)で4%+αを目指す。

地域を基点とした課題解決型ビジネス群は、同社のセグメントでは、主に「その他」に分類される。くらし・行政サポート、エンジニアリング、まちづくり・不動産開発、情報サービス、アグリ・フードの5分野において、エネルギー事業での強みを生かして、地域のくらしやビジネス、自治体等とのWin-Winの関係・共生につながる課題解決型ビジネスの深耕を図る。実績の一例として、まちづくり・不動産開発における「COMTEC PORTBASE(みなとアクルスII期エリア)」、アグリ・フードにおけるサーモンの陸上養殖などがある。この分野の事業利益の目標は2028年3月期で50億円であり、足元水準の1.5倍程度を目指している。

中期経営計画の戦略を実行するうえでの財務戦略も見通しが明確となっている。キャッシュインに関しては、営業キャッシュフロー(3年間で1,800億円程度)、政策保有株式等の売却(3年間で300億円程度)、合計2,100億円程度のキャッシュを創出する。また、資本コストの低減を見据えて、財務健全性を担保できる範囲内で借入れ余力を活用し1,300億円程度の借入れを計画する。D/Eレシオの上限目安としては0.8倍程度とする。キャッシュアウトに関しては、コア事業に1,100億円程度(都市ガス事業には減価償却費の範囲内)、戦略事業に1,300億円程度(電気、海外に投資加速)、株主還元に1,000億円程度(総還元性向100%を上回る株主還元)を計画する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



<HN>


 

 
【重要】株予報/株予報Proを装った偽サイト、偽アカウント、偽広告にご注意ください

株予報/株予報Pro等の当社サービスを装ったり、当社の名を騙った偽サイト、偽アカウント、偽広告が確認されております。

偽サイト及び偽アカウントは、不正サイトへの誘導、個人情報の取得及び悪用、投資詐欺に遭う可能性がございますのでアクセスされないようにご注意ください。

当社では投資勧誘は行っておりません。LINEなどのSNSを利用した投資詐欺にご注意ください。

株予報 トレンドシグナル ®

2025/06/13 15:30 現在

(更新タイミング:翌営業日8時頃)

買い   1,093 銘柄
2,048 銘柄   売り
 
 
 
6501 日立製作所 売り転換
6702 富士通 買い転換
4661 OLC 売り転換
4689 LINEヤフー 売り転換
4307 野村総合研究所 買い転換



 
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社アイフィスジャパンは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社アイフィスジャパン及び情報提供者に帰属します。 TOPIX及び東証業種別株価指数の指数値及びそれらに係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社の知的財産です。 本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。
IFIS