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IGS Research Memo(1):人材評価サービスを展開、2026年3月期は売上げ回復により黒字転換目指す
2025/06/17 13:01
*13:01JST IGS Research Memo(1):人材評価サービスを展開、2026年3月期は売上げ回復により黒字転換目指す
■要約
Institution for a Global Society<4265>は、AIやビッグデータを活用した人材評価及び育成支援サービスを中核とした事業を展開している。教育分野から企業の人材マネジメントに至るまで、年齢や属性に左右されない一貫した評価軸に基づき人の力を測定し、そのデータに基づいた分析やコンサルティングを提供している点が大きな特徴である。同社が提供するサービスの核となるのは、いわゆる「非認知能力」、すなわち学力では測りきれない主体性、協調性、挑戦心などの資質を可視化する評価技術である。この評価は、幼児から社会人まで同一の軸で実施されるため、年齢や背景に関係なく、公平に個人の可能性を捉えることができる。同社はこの評価データをもとに、教育現場では子どもたちの自己理解や成長を支援し、企業においては人材の採用、配置、育成、評価といった人材戦略の推進をサポートしている。同社はテクノロジーと人の成長をつなぐハブとして、教育とビジネスの両面から社会課題の解決に貢献する存在として、今後の展開が期待される。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は、売上高が前期比34.2%減の602百万円、営業損失が303百万円(前期は21百万円の損失)、経常損失が295百万円(同21百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が336百万円(同21百万円の損失)と、減収減益での着地となった。売上高の主な減少要因は、HR事業及びプラットフォーム/Web3事業である。主力のHR事業では、プロダクト新機能リリースの遅延が影響したことに加え、人的資本経営の推進を掲げるなかで同社が主導する「人的資本理論の実証化研究会(以下、人的資本研究会)」への参画企業数が減少したことも、収益機会の縮小につながった。プラットフォーム/Web3事業では、転職支援サービスにおいて競争環境が一層厳しさを増したことにより、大幅減収となった。損益面は、売上高の減少により固定費や先行投資のコスト吸収が困難となり、損失幅が拡大した。
2. 2026年3月期業績見通し
2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比37.7%増の830百万円、営業利益が28百万円(前期は303百万円の損失)、経常利益が63百万円(同295百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が63百万円(同336百万円の損失)と、黒字回復する見通しである。事業セグメント別の売上高計画を見ると、HR事業は前期比55.3%増の370百万円、教育事業は同13.4%増の350百万円、プラットフォーム/Web3事業は同96.5%増の110百万円の見通しである。HR事業では、人的資本に関するデータの蓄積と利活用を支援する案件が増加しており、「GROW360」を中心に需要拡大が見込まれる。営業力の強化により、リピート顧客の割合の改善及び追加の分析サービスなどによるアップセルを通じて顧客単価の向上を図る。また、デジタルリスキリングの需要に対応するため、DX研修ソリューションを再開し、人的資本サービスと組み合わせた提案により、包括的な人材開発支援を展開していく。プラットフォーム/Web3事業では、暗号資産領域におけるコンサルティングサービスの拡大が見込まれる。他方で、これまで展開してきた転職支援サービスについては、コスト構造の見直しとともに事業転換が進められており、収益性の改善が期待される。
3. 中長期の成長戦略
同社はHR事業、教育事業、プラットフォーム/Web3事業の3つの事業を連携させることにより、社会的価値と経済的価値の両立を軸として、教育機関、企業、個人それぞれの課題解決に取り組み、持続的な成長を目指して事業の拡大を進めている。成長戦略の主な柱は「市場拡大戦略」及び「顧客基盤の拡充」である。市場拡大戦略においては、特にグローバルサウスへの展開に注力している。新興国や発展途上国において高まっている教育及び人的資本への投資ニーズを取り込み、国際的な事業基盤の確立を図る。また、プラットフォーム/Web3事業においては、AIなどの先端技術を活用し、新たなビジネスモデルの構築を進めることで、既存顧客への提供価値の向上と新たな市場の開拓を同時に推進する。他方で、顧客基盤の拡充においては、既存顧客に対するクロスセル及びアップセルの取り組みを強化し、顧客単価の向上を図るとともに、国内外の協業先とのパートナーシップや業務提携などを通じて顧客ネットワークの拡大を進め、人材育成と教育支援の両分野で相乗効果を生み出すエコシステムの構築を目指している。なお、中期的な財務目標は年平均売上成長率30%台、営業利益率25%以上を掲げており、高い収益性と成長性を兼ね備えたビジネスモデルの確立に向けて取り組むとしている。
■Key Points
・AIやビッグデータを活用した人材評価及び育成支援サービスを展開
・2025年3月期は減収減益で着地
・2026年3月期は、各事業の売上げ回復により黒字転換を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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■要約
Institution for a Global Society<4265>は、AIやビッグデータを活用した人材評価及び育成支援サービスを中核とした事業を展開している。教育分野から企業の人材マネジメントに至るまで、年齢や属性に左右されない一貫した評価軸に基づき人の力を測定し、そのデータに基づいた分析やコンサルティングを提供している点が大きな特徴である。同社が提供するサービスの核となるのは、いわゆる「非認知能力」、すなわち学力では測りきれない主体性、協調性、挑戦心などの資質を可視化する評価技術である。この評価は、幼児から社会人まで同一の軸で実施されるため、年齢や背景に関係なく、公平に個人の可能性を捉えることができる。同社はこの評価データをもとに、教育現場では子どもたちの自己理解や成長を支援し、企業においては人材の採用、配置、育成、評価といった人材戦略の推進をサポートしている。同社はテクノロジーと人の成長をつなぐハブとして、教育とビジネスの両面から社会課題の解決に貢献する存在として、今後の展開が期待される。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は、売上高が前期比34.2%減の602百万円、営業損失が303百万円(前期は21百万円の損失)、経常損失が295百万円(同21百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が336百万円(同21百万円の損失)と、減収減益での着地となった。売上高の主な減少要因は、HR事業及びプラットフォーム/Web3事業である。主力のHR事業では、プロダクト新機能リリースの遅延が影響したことに加え、人的資本経営の推進を掲げるなかで同社が主導する「人的資本理論の実証化研究会(以下、人的資本研究会)」への参画企業数が減少したことも、収益機会の縮小につながった。プラットフォーム/Web3事業では、転職支援サービスにおいて競争環境が一層厳しさを増したことにより、大幅減収となった。損益面は、売上高の減少により固定費や先行投資のコスト吸収が困難となり、損失幅が拡大した。
2. 2026年3月期業績見通し
2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比37.7%増の830百万円、営業利益が28百万円(前期は303百万円の損失)、経常利益が63百万円(同295百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が63百万円(同336百万円の損失)と、黒字回復する見通しである。事業セグメント別の売上高計画を見ると、HR事業は前期比55.3%増の370百万円、教育事業は同13.4%増の350百万円、プラットフォーム/Web3事業は同96.5%増の110百万円の見通しである。HR事業では、人的資本に関するデータの蓄積と利活用を支援する案件が増加しており、「GROW360」を中心に需要拡大が見込まれる。営業力の強化により、リピート顧客の割合の改善及び追加の分析サービスなどによるアップセルを通じて顧客単価の向上を図る。また、デジタルリスキリングの需要に対応するため、DX研修ソリューションを再開し、人的資本サービスと組み合わせた提案により、包括的な人材開発支援を展開していく。プラットフォーム/Web3事業では、暗号資産領域におけるコンサルティングサービスの拡大が見込まれる。他方で、これまで展開してきた転職支援サービスについては、コスト構造の見直しとともに事業転換が進められており、収益性の改善が期待される。
3. 中長期の成長戦略
同社はHR事業、教育事業、プラットフォーム/Web3事業の3つの事業を連携させることにより、社会的価値と経済的価値の両立を軸として、教育機関、企業、個人それぞれの課題解決に取り組み、持続的な成長を目指して事業の拡大を進めている。成長戦略の主な柱は「市場拡大戦略」及び「顧客基盤の拡充」である。市場拡大戦略においては、特にグローバルサウスへの展開に注力している。新興国や発展途上国において高まっている教育及び人的資本への投資ニーズを取り込み、国際的な事業基盤の確立を図る。また、プラットフォーム/Web3事業においては、AIなどの先端技術を活用し、新たなビジネスモデルの構築を進めることで、既存顧客への提供価値の向上と新たな市場の開拓を同時に推進する。他方で、顧客基盤の拡充においては、既存顧客に対するクロスセル及びアップセルの取り組みを強化し、顧客単価の向上を図るとともに、国内外の協業先とのパートナーシップや業務提携などを通じて顧客ネットワークの拡大を進め、人材育成と教育支援の両分野で相乗効果を生み出すエコシステムの構築を目指している。なお、中期的な財務目標は年平均売上成長率30%台、営業利益率25%以上を掲げており、高い収益性と成長性を兼ね備えたビジネスモデルの確立に向けて取り組むとしている。
■Key Points
・AIやビッグデータを活用した人材評価及び育成支援サービスを展開
・2025年3月期は減収減益で着地
・2026年3月期は、各事業の売上げ回復により黒字転換を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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