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精工技研 Research Memo(4):光製品がけん引し大幅増益。売上・営業利益は好調、受注も堅調に推移(1)

*15:04JST 精工技研 Research Memo(4):光製品がけん引し大幅増益。売上・営業利益は好調、受注も堅調に推移(1)
■精工技研<6834>の業績動向

1. 2025年3月期の連結業績
2025年3月期の業績概要は、売上高が19,982百万円(前期比26.6%増)、営業利益が2,817百万円(同167.7%増)、経常利益が2,979百万円(同134.7%増)、当期純利益が2,225百万円(同192.4%増)だった。光製品部門が光コネクタ部品や光コネクタ研磨機、検査・測定装置の販売増を背景に売上・利益とも大きく伸長し、セグメント利益は2,229百万円(同474.5%増)と急拡大。一方、精機部門は売上高が9,200百万円(同5.6%増)ながら、営業利益は588百万円(同11.5%減)となった。全体では受注高21,380百万円(同33.7%増)、受注残高4,384百万円(同57.8%増)と今後の成長も期待される内容となっている。

2. セグメント別業績
同社における精機関連事業と光製品関連事業の売上高構成比は、過去3期間で顕著な変化を示している。2023年3月期においては、精機関連事業が51.0%、光製品関連事業が49.0%と、ほぼ均衡した構成であったが、2024年3月期には精機関連が55.2%へと構成比を拡大し、光製品関連は44.8%へと一時的に低下している。しかし2025年3月期には、この構造が大きく転換し、光製品関連事業の構成比が一気に54.0%まで上昇、精機関連事業は46.0%へと後退した。これは光製品関連事業が売上高・利益ともに大幅な成長を遂げたことを反映しており、同社の成長ドライバーが光通信関連を中心とした光製品分野にシフトしていることを示している。特に2025年3月期は、光コネクタ部品や光コネクタ研磨機、検査・測定装置の需要拡大が業績をけん引しており、今後も光製品関連が主力事業としての地位をさらに強めていくことが想定される。一方で、精機関連事業も安定的な売上を維持しており、全社的には二本柱体制を維持しつつ、収益構造はより高収益な光製品に傾斜している。

(1) 精機関連事業
精機関連事業の売上高は、過去5年間を通じておおむね安定的に推移しており、2021年3月期の8,675百万円から2025年3月期には9,200百万円まで増加している。一方、セグメント利益及び利益率には年ごとの変動が見られる。2021年3月期には652百万円のセグメント利益(セグメント利益率7.5%)を計上したが、2022年3月期には381百万円(同4.5%)へと大きく減少。その後、2023年3月期も392百万円(同4.7%)と低水準が続いたが、2024年3月期には664百万円(同7.6%)と利益率が回復した。しかし、2025年3月期は再び588百万円(同6.4%)と減益に転じ、収益性の面では再び課題が浮上した。売上高は堅調に伸びているものの、利益面では製造コストや原材料費の影響を受けやすく、安定性に欠ける推移となっている。今後は収益性向上に向けたコスト構造の見直しや、高付加価値製品の比率拡大が求められる局面にあるといえる。

(2) 光製品関連事業
光製品関連事業は、過去5年間で着実な成長を遂げており、特に2025年3月期において飛躍的な伸長を見せた。売上高は2021年3月期の6,142百万円から年々増加傾向にあり、2025年3月期には10,782百万円に到達。5年間で約75.5%の増加となっている。利益面では、2021年3月期に672百万円のセグメント利益(セグメント利益率10.9%)を記録し、その後も2022年3月期は1,143百万円(同14.8%)、2023年3月期は998百万円(同12.5%)と高水準を維持。しかし、2024年3月期には原価上昇や需要調整などの影響でセグメント利益が388百万円(同5.5%)と一時的に低迷した。ただし2025年3月期には大幅なV字回復を果たし、セグメント利益は過去最高の2,229百万円、セグメント利益率も20.7%まで改善した。これは光コネクタ用部品や光コネクタ研磨機、検査・測定装置など、高付加価値製品の需要拡大と、生産効率向上の成果によるものである。光製品関連事業は今や同社の収益ドライバーとなっており、今後の成長エンジンとしての位置付けがより一層明確になっている。

(3) 地域別売上高
2025年3月期における同社の連結売上高は19,982百万円と過去最高を更新し、各地域でまちまちな動きが見られたが、北米、中国、その他アジア、ヨーロッパ各々が伸長した。日本は、売上高は10,865百万円で、全体の約54%を占める主力市場である。前期比10.8%増と安定的に推移しており、国内顧客向けの堅調な需要と技術対応力が背景にある。北米では、前期の1,506百万円から3,680百万円に大幅な増収となった。光通信関連製品の需要急拡大がけん引し、成長ドライバーとしての存在感を高めた。中国では、2023年3月期を底に回復基調に入り、2025年3月期は2,097百万円と前期比5.1%増となった。過去5年間で最高値となり、現地連携や合弁会社設立などの成果が出始めている。その他アジアにおいては、2025年3月期は1,990百万円で、前期の1,299百万円から約53.1%増となった。インドやベトナム等の光コネクタメーカーに向けて、光コネクタ研磨機や検査・測定装置の売上が拡大した。ヨーロッパにおいては、前期1,178百万円から1,348百万円と堅調に増加した。展示会出展や新規顧客開拓の成果が売上に結び付いている。

日本を基盤としつつ、北米・中国・東南アジアなどグローバルな展開が成果を上げており、地域分散によるリスク分散と成長機会の最大化が進行している。特に北米と中国が光製品関連事業の成長と連動して拡大しており、戦略的に重要な市場となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)



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