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ジーニー Research Memo(3):広告プラットフォーム事業が主力も、近年マーケティングSaaS事業が第2の柱に

*16:03JST ジーニー Research Memo(3):広告プラットフォーム事業が主力も、近年マーケティングSaaS事業が第2の柱に
■ジーニー<6562>の会社概要

2. 事業概要
同社は事業セグメントを4つに分けている。広告主にインターネットメディアやOOH※広告のビルボードなどの広告媒体を仲介するツールを提供する「広告プラットフォーム事業」、企業が広告やマーケティング活動を行う時に使うツールを自社開発やM&Aで調達し、提供する「マーケティングSaaS事業」、同社グループのプロダクトラインナップを揃え販売する「海外事業」、子会社のソーシャルワイヤーが運営する「デジタルPR事業」の4事業である。

※ OOH(Out Of Home)とは、アウト・オブ・ホームの略で、電車やバスなどの公共交通機関における中吊り広告に代表される交通広告、街中で展開される看板広告や街頭ビジョンに代表される屋外広告、ラッピングカーやデジタルサイネージなど、自宅以外で展開する広告メディアの総称。

2025年3月期の事業別売上構成比は、広告プラットフォーム事業は39.5%、マーケティングSaaS事業は31.2%、海外事業は11.5%、デジタルPR事業は17.8%である。広告プラットフォーム事業が引き続き全体の約40%を占めており主力事業となっているが、近年はマーケティングSaaS事業が拡大しており、第2の柱となりつつある。

(1) 広告プラットフォーム事業
広告プラットフォーム事業は、独自開発したメディアと広告主の双方の収益を最大化するプラットフォーム「GENIEE Ads Platform」を提供している。主にインターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」などを展開し、これらプラットフォームのOEM提供も行っている。「GENIEE SSP」はインターネットメディア等の広告収益を最大化させるプラットフォームであり、広告枠を閲覧するユーザー毎に、RTB※技術によりオークション形式で選択された最適な広告を配信する仕組みである。「GENIEE DSP」は、広告主のニーズに合わせて選択された枠へ配信することで、広告主の利益を最大化する広告買い付けプラットフォームである。

※ RTB(Real-Time Bidding)とは、広告の表示毎にオークション方式で最も高単価な広告を配信する仕組みで、リアルタイムでインターネット広告枠を取引できる技術のこと。

「GENIEE SSP」や「GENIEE DSP」経由で広告を配信すると、広告表示回数や単価に応じて広告主から同社グループへ広告掲載料が支払われる。広告代理店や他社DSP、アドネットワーク、OEM提供先を介して広告が配信される場合は、同社グループは広告主からそれらを経由して広告掲載料を受け取る仕組みである。同社はSSP・DSPを所有していることによって中間マージンを圧縮できるため、強みでもある。

(2) マーケティングSaaS事業
マーケティングSaaS事業は、企業のマーケティング活動の支援を目的としたBtoB向けSaaSプロダクトを一元管理するマーケティングサービス「GENIEE Marketing Cloud」を展開している。広告を通じた集客から販売までのプロセスを一気通貫で行うことができる。主な製品として、営業活動における商談管理のための営業管理システム(SFA)※1及び顧客管理システム(CRM)※2「GENIEE SFA/CRM」、企業のマーケティング活動を自動化し、効率的に潜在顧客の集客や購買意欲等の向上を実現するマーケティングオートメーション「GENIEE MA」、国内有数の導入企業社数4,500社超の実績を持つチャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索・ECサイト向け商品検索ツール「GENIEE SEARCH」などがある。

※1 Sales Force Automationの略で、営業支援システムを指す。営業部門のメンバー行動、商談の進捗状況や結果を見える化し、営業の生産性向上や業務改善を実現する。
※2 Customer Relationship Managementの略で、顧客関係管理を意味する。顧客情報を統合的に管理し、長期的に良好な関係性を築き、サービスや製品の利用を継続的に促す。

「GENIEE SFA/CRM」「GENIEE MA」「GENIEE CHAT」「GENIEE SEARCH」などのSaaSプロダクトでは、導入企業から月額でシステムやサービスの利用料を受け取り、収益としている。

事業のビジネスモデルは、集客から販促・受注までを一気通貫して実行・管理できるソリューションを受託開発等によって提供し、導入後は、運用面を継続的にサポートすることで月次収益を得るものである。特に個社別の売上のうち月額収益分は8割を占め、この月次収益部分が事業のうまみとなっている。売上増加のための効率的な営業活動や効果的な施策に悩む企業は多く、それらをターゲットにマーケティングDXあるいは営業DXを支援することで、継続的な収益を確保している。

(3) 海外事業
海外事業では東南アジア、北米、インドなどで同社のプロダクトを販売しているインターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」をはじめとした事業を中心に展開している。2023年3月期において、インターネットメディアのディスプレイ広告収益最適化プラットフォームを提供するZeltoを完全子会社化した。これにより、同社が提供するサービスとの連携・機能拡充とともに、世界各地のインターネットメディアへの価値提供が可能になった。

(4) デジタルPR事業
2024年7月より子会社となった、ソーシャルワイヤーが運営する事業である。「ニュースワイヤー事業」「インフルエンサーPR事業」「クリッピング事業」「リスクチェック事業」の4つの事業で構成される。「ニュースワイヤー事業」では、市場シェア2位を占める企業の情報発信を支援するプレスリリース配信代行サービス「@Press」等を運営している。「インフルエンサーPR事業」は広告代理店やクライアント企業から発注を受け、SNSのインフルエンサーをキャスティングして商品PRを実施するサービスを提供している。「クリッピング事業」はメディアから顧客が必要とする記事を調査・選別・報告(郵送)するサービスである。「リスクチェック事業」はWebニュースや新聞記事等の公知情報を用いて取引先の反社会勢力との関係性や犯罪関与、不祥事等の情報を確認するサービスを展開している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)



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