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ユニリタ Research Memo(7):中期経営計画を減額修正。売上高132.5億円、営業利益11.5億円を目指す

*13:07JST ユニリタ Research Memo(7):中期経営計画を減額修正。売上高132.5億円、営業利益11.5億円を目指す
■中期経営計画の方向性

1. 中期経営計画の方向性
中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)がスタートして初年度を経過した。ユニリタ<3800>は、「クラウドサービス」における進捗の遅れや原価率上昇などを勘案し、数値目標を引き下げた。ただ、今後の方向性に大きな変更はない。「Re.Connect 2026」※という基本方針の下、「サービス提供型事業の拡大」「新たな価値提供モデルの確立」「事業プロセスの変革」の3つの事業戦略をさらに推進する方針である。また、グループ理念を軸とした持続的な経営と価値創造の実現に向け、人的資本投資の加速を含む、サステナビリティ基盤の強化にも取り組む考えだ。

※ 様々なステークホルダーとの接点やつながり方を抜本的に見直し「再度、より良い形でつながり直す」という意味が込められている。

(1) 3つの事業戦略のポイントと今後の重点施策
1) サービス提供型事業の拡大
引き続き、クラウド成長領域への投資の拡大や顧客の最適なモダナイゼーションの実現、製品・サービスの一部効率化と新規領域への参入検討などを進める。2026年3月期は、クラウドサービスの投資対効果の最大化に向けた開発・販売・サポート体制面の強化とコスト構造の改善に取り組む。また、需要が拡大しているマイグレーション対応については、リソースを補完するパートナーとの協業モデルを構築し提案力をさらに高める考えだ。

2) 新たな価値提供モデルの確立
これまでブラッシュアップしてきた「サービスマネジメント」及び「データマネジメント」をコアコンピタンスに再定義したうえで、グループ横断、エコシステムによる顧客提供価値の高度化、社会課題事業への継続的投資とアライアンス強化などに取り組む。2026年3月期は、新たな独自の価値提供モデル※の確立と具体的な提案を推進する。また、地域交通課題の解決を図る事業の成長に向けた協業パートナーとの拡大を図る。

※ サービス及びデータマネジメントにおける強みやグループ連携により、顧客の成功を支援するユニリタグループDXソリューション「UCDI」(UNIRITA Group Customer success Data Integration)の創出に取り組む。

3) 事業プロセスの変革
サービスシフトを支える品質マネジメントの強化、プロセス標準化による実装、運用体制の構築、顧客起点での全社的カスタマーサクセス推進体制の確立を目指す。2026年3月期も引き続きサービス提供機能の連携と品質改善による顧客満足度の向上、及び事業収益性改善に取り組む。

(2) 財務目標
中期経営計画の初年度である2025年3月期での「クラウドサービス」の進捗遅れや原価率上昇の状況等を勘案し、数値目標を減額修正した。最終年度の2027年3月期の目標として、売上高132.5億円、営業利益11.5億円(営業利益率8.7%)、ROE7.4%に減額修正した。一方、研究開発費、設備投資などの投資計画に見直しはないようだ。また、利益成長に伴う増配にも引き続き意欲的である。計画には入っていないものの、M&Aの検討も継続する方針であり、データマネジメント人材の獲得やサービスラインの強化につながるような対象先を候補に考えているようだ。

2. 中長期的な注目点
今回、中期経営計画の財務目標を引き下げたものの、今後に向けた方向性に大きな変更はなく、弊社においても理にかなったものと評価している。すなわち、DXの動きが社会全体で本格化する一方、IT人材不足が顕在化するなかで、これまでのIT課題だけでなく、事業課題や社会課題にまで領域を広げるとともに、コンサルティングを起点としたバリューチェーンの最適化により、需要の拡大を取り込む戦略は、持続的な成長を実現していくうえでも説得力がある。これまでの取り組みや明らかになった課題を踏まえ、形になりつつある事業モデルをさらにブラッシュアップし、具体的な収穫に結び付けられるかがポイントになるだろう。

最大の注目点は、1) 「クラウドサービス」の事業拡大に向けた道筋、2) 新たな価値提供モデルの確立の2点である。特に1) については、パートナー各社との協業の形が見えてきた事業推進クラウドのブレークスルーが期待される。そのためには、サービス&データマネジメント基盤における強みを訴求し、各方面から有力パートナーを呼び込むとともに、販売チャネルの獲得までを含めた戦略がカギを握るであろう。成功事案が増えれば、さらに新たなパートナーの獲得にもつながるといった好循環も考えられる。一方、ソーシャルクラウドにおいては、データを集めるところにこそ将来の優位性や参入障壁が確立されるビジネスモデルであるため、本格的な収益化には時間を要するものの、足元では具体的な動きが出始めており、軌道に乗れば計画の上振れ要因となる可能性もある。2) についても、サービス&データマネジメント領域でのコンサルティングを生かした一気通貫型の価値提供モデルが形となってきたが、事業間及びグループ間の連携によるバリューアップの余地はまだありそうだ。2024年4月に実施した組織体制の強化がどのように機能していくのか、その効果をフォローしていきたい。

M&Aの動きも気になるところである。M&Aの実現によっては成長スピードや価値提供モデルの確立が一気に加速する可能性もあるだろう。いずれにしても、安定した収益源であるメインフレーム事業がキャッシュカウとなっている間に、次の収益の柱を育て上げ、強固な収益基盤の維持・向上を図ることが中長期の最大のテーマであることは明らかであり、そういった視点から、今後の動向に注目する必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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