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品川リフラ Research Memo(1):海外2社のM&Aの実施により、第6次中期経営計画達成が視野に

*13:01JST 品川リフラ Research Memo(1):海外2社のM&Aの実施により、第6次中期経営計画達成が視野に
■要約

品川リフラクトリーズ<5351>は、工業用耐火物・断熱材分野において、売上高で世界の上位5社に入るトップメーカーである。同社を含む国内8社、海外30社で、グループ経営を推進している(2025年3月末現在)。海外事業を成長エンジンとし、海外売上高は2025年3月期までの5年間で約2.7倍に伸長した。長期目標「ビジョン2030」では2031年3月期までに海外売上高比率50%を目指す。直近でも海外企業の大型買収を2件実行するなど積極的な成長投資を進め、2026年3月期の海外売上高比率42.9%を見込む。創立150周年を迎える2025年10月には社名を「品川リフラ(株)」に変更する。

1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高144,072百万円(前期比0.1%減)、EBITDA17,953百万円(同1.5%増)、営業利益13,278百万円(同4.4%減)、経常利益13,655百万円(同8.4%減)となった。売上高の7割弱を占める耐火物セクターは、国内粗鋼生産量の減少、海外における顧客の操業トラブルや活動水準の低下により耐火物販売数量が減少し、全体の売上高を押し下げた。一方で、2024年10月に買収したオランダのGouda Refractories Group B.V.(以下「Gouda(ゴーダ)」)の第4四半期業績の貢献と、半導体製造装置向けなど成長分野に注力する断熱材セクター、先端機材セクターの増収、及びエンジニアリングセクターにおける工事案件の増加により、全体の売上高はほぼ前年並みに推移した。利益面では、耐火物セクターにおける販売構成の改善やスプレッドの拡大、コストダウンによって販売数量の減少をカバーし、EBITDAは増益となったが、のれん償却額の増加等によって、営業利益及び経常利益は減益となった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は同36.0%減の9,778百万円となったが、これは前期に計上した遊休資産及び投資有価証券売却益などの特別利益が剥落したことが主な要因である。

2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高174,000百万円(前期比20.8%増)、EBITDA22,500百万円(同25.3%増)、営業利益13,500百万円(同1.7%増)、経常利益13,500百万円(同1.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8,000百万円(同18.2%減)を見込む。国内の粗鋼生産量減少など厳しい事業環境が継続することが予想されるものの、Goudaの通期業績と、2025年5月に買収したブラジルのエンジニアリング会社Reframax Engenharia Ltda.(以下「Reframax(リフラマックス)」)の9ヶ月分の業績が寄与する。また、耐火物・断熱材・エンジニアリングセクターのシナジーによる拡販も織り込んでいる。

3. 「ビジョン2030」と第6次中期経営計画の進捗
2024年5月に長期目標「ビジョン2030」を公表し、事業成長における財務目標と社会課題解決におけるサステナビリティ目標を設定した。2031年3月期に売上高2,400億円、海外売上高比率50%などを目指す。同時に第6次中期経営計画(2025年3月期〜2027年3月期)を開始し、最終年度の目標として売上高1,800億円、ROS(売上高営業利益率)11%、ROIC(投下資本利益率)10%、海外売上高比率45%を掲げている。ROICを重要な評価指標とするグループ経営により、経営資源の配分見直し、資本コストを重視した3ヶ年累計600億円の積極的な設備投資・事業投資を進める。具体的に、2024年にGouda、2025年にReframaxと2件の海外大型M&Aを実行した。これにより、2026年3月期の売上高予想は1,740億円と最終年度の目標達成が視野に入ってきた。海外売上高比率も42.9%を見込み、グローバル展開を加速している。M&Aは、国内の鉄鋼分野に限定されない成長機会を取り込みつつ、グループシナジーを一層高め、グローバルビジネスを拡大するシナリオを明確にした。2031年3月期の目標も視野に入ってきたと評価される。

■Key Points
・2025年3月期は耐火物販売減により減収減益ながら、EBITDAは増益
・2026年3月期はM&A2社の業績寄与により、売上高は大幅な増収を見込む
・海外2社のM&Aの実施により、第6次中期経営計画達成が視野に

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)



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