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グリムス Research Memo(7):小売電気事業は安定成長を実現

*13:07JST グリムス Research Memo(7):小売電気事業は安定成長を実現
■グリムス<3150>の今後の見通し

(2) 小売電気事業
小売電気事業では、逆ザヤリスクを回避したビジネスモデルの確立により、安定成長を実現する。

成長戦略の新たな動きとしては、まず小売電気事業の複数ライセンス戦略を推進する。事業用太陽光とのセット販売に強みを持つGRコンサルティングが新たに小売電気事業のライセンスを取得し、2025年4月より供給開始した。グリムスパワーは小売電気事業を専業とし、グループのノウハウ構築と電気による顧客開拓に強みを持つ。また、GRコンサルティングは事業用太陽光との兼業により、別チャネルによる効率的な顧客開拓を行う計画である。

また、2025年5月に同社は系統用蓄電池事業への参入を発表し、同時にデジタルグリッド(株)と系統用蓄電池の運用に関わる契約、及び(株)サンヴィレッジと系統用蓄電池設置工事請負契約を締結した。同社グループは、事業用太陽光発電システム等の販売と電力小売を主軸に事業を拡大してきたが、新たな事業展開として、潤沢な現預金を活用し設備投資を行うことで系統用蓄電池事業に参入し、新たな収益源を創出することを目指す。具体的には、今後2ヶ所の蓄電所での運営を開始する予定であり、その後も引き続き蓄電所の建設を検討し、事業の拡大を図る方針である。今後の金利上昇の可能性を考えれば、自己資金で設備投資ができる同社は、借入に頼らざるを得ない他社に比べて優位に立つと言えよう。

太陽光発電などの再生可能エネルギーは、天候や時間帯による発電量の変動が大きく、電力供給の安定化が課題となっている。系統用蓄電池は、大型蓄電池を電力系統に接続し、電力の余剰時には充電を行い不足時には放電を行うことで機動的な電力供給が可能であることから、電力需給の安定化や再生可能エネルギーの普及に貢献できるため、今後の拡大が見込まれる。ビジネスモデルとしては、電力の安定供給や周波数調整のサービスを提供する「需給調整市場」、電力売買の場において安価な時間帯に電力を調達し需要が高い時間帯に販売することで収益を得る「卸電力市場」、将来の電力供給力を提供する「容量市場」の各市場において、より高い収益を得られる市場で取引を行う。このように系統用蓄電池事業は小売電気事業との親和性が高い事業であり、短期的には需給調整市場を中心に早期投資回収を図り、中長期的には電源調達等のリスクヘッジとしてのシナジー効果が期待できる。

以上のとおり、同社グループでは、エネルギーソリューション事業では中小企業向け事業用太陽光発電システム販売のトップランナーとして高成長・高収益モデルを実現する。一方で、小売電気事業では安定ストック型のビジネスモデルにより、顧客数・規模の拡大に伴い増益を見込む。両事業の推進により成長を続け、企業価値の向上を追求する計画である。

同社グループでは2020年3月期までは毎年、中期経営計画の見直しを行い、新中期経営計画を発表してきたが、2021年3月期からはコロナ禍に伴う先行き不透明感もあって未発表である。一方で、コロナ禍において業績予想を開示しない会社も多数あったなかで、業績予想を発表し続けたことは評価できよう。ただ、会社としての経営方針を明確化し、同社グループの投資家や従業員が同社グループの将来像を共有するためにも、中期経営計画の正式発表は有意義であると弊社では考えている。



■サステナビリティ

同社グループでは、地球環境に配慮して経済活動を維持し続けることを意味する「サステナビリティ」にも積極的に取り組んでいる。すなわち、「省エネ・創エネ・蓄エネ」を事業領域として、環境に優しい商品・サービスを提供することで成長を続け、豊かで安心して暮らせる社会の構築と持続的な発展に貢献している。具体的には、省エネ性能の高い商品の販売を通じて、エネルギー効率の改善に貢献している。また、太陽光発電システムや蓄電池など再生可能エネルギー関連商品の販売を通じて、脱炭素社会の構築に貢献している。さらに、社会のニーズを意識した商品・サービスを提供することで、常に社会とともに発展することを目指している。近年、世界的にもESG投資(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を重視した株式投資)を行う機関投資家が増えており、我が国でもESG投資は急増している。その意味でも、同社グループ株式は、注目される銘柄と言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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