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サワイグループホールディングス:国内ジェネリック最大手、薬剤の安定供給が求められる中、優位性あり

*13:07JST サワイグループホールディングス:国内ジェネリック最大手、薬剤の安定供給が求められる中、優位性あり
サワイグループホールディングス<4887>は、1929年創業の沢井製薬を中核子会社とする持株会社であり、「なによりも健やかな暮らしのために」をグループの企業理念として掲げ、ジェネリック(GE)医薬品を柱にヘルスケア事業を展開している。

GE医薬品事業が連結売上の太宗を占めるが、同社の強みは3つある。1つ目は国内首位となる17%のシェアを支える生産体制である。2024年度の生産実績は161億錠、生産能力は205億錠と国内最大である。。足元では、医薬品の供給不足が社会問題となる中、同社の安定した生産体制は競争優位性であると同時に、社会インフラの一部となっているといえる。2つ目は安定した財務基盤である。医薬品を安定供給するには工場生産体制やR&Dに対する大規模投資が必要になるため、盤石な経営基盤が不可欠となっている。3つ目は特許解析と製剤技術を用いた一番手・単独上市戦略である。同社は長年にわたり特許を戦略的に取り扱い、製品開発に組み込んできたが、蓄積された知見があり他社が簡単には模倣できないものとなっている。

事業環境を見ると、政府は増加し続ける社会保障費に対応するため、ジェネリック医薬品の使用促進を行っている。一方、製薬業界では製造品質に関する問題が相次ぎ、安定供給体制の強化や業界再編への政策的な動きが活発化している。GE医薬品セグメントには今も多数の製造企業が存在するが、医薬品不足を解消するには、今後、企業統合などによる供給体制の再構築が不可欠とみられる。その中で、業界を牽引する同社の役割は一層重要となり、成長のチャンスにもつながるだろう。

2026年3月期業績予想について、売上収益は前期比5.9%増の200,200百万円、営業利益は、訴訟損失引当金に係る費用16,757百万円を計上した前期から大幅増益の25,600百万円を見込む。薬価改定影響を数量増と製品ミックスで吸収し、前期計上した引当金の反動から利益を押し上げるもの。販売数量は168億錠を計画し、供給制約を一段と緩和する方針となっている。

同社は、3ヵ年の中期経営計画「Beyond 2027」を発表しており、最終年度の2027年3月期に売上収益220,000百万円、営業利益31,000百万円、ROE10%以上などを掲げている。今期のROE見込みは9.7%と達成が視野に入っているが、売上収益については、生産能力の増強や収益性の高い新製品の上市が目標達成に向けたドライバーとなろう。

株主還元については、中期経営計画においてDOE3.0%以上としている。自己株式取得についても、資本効率向上と株主還元策の一環として、FCFや市場動向等を踏まえ、機動的に実行するとしている。2026年3月期の配当予想は1株55円(DOE3.4%)で過去最高となる見込み。

同社は、ジェネリック医薬品の需要拡大や医薬品の供給不足を背景に、政策的な業界再編への期待が高まる中、リーディングカンパニーとして有利な事業環境が続くと見られる。加えて、同社の安定した生産体制は医療インフラの一部とも言える存在であり、当面は堅調な業績推移が期待される。一方で、PBRは約1.2倍、予想配当利回りは3.0%と、依然として割安感がある。業界再編や政策支援による追い風も見込まれることから、中長期的な投資対象としても魅力的な銘柄と考えている。




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