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kubell Research Memo(7):飛躍的な高成長と利益創出の両立を実現する
2025/07/24 16:17
*16:17JST kubell Research Memo(7):飛躍的な高成長と利益創出の両立を実現する
■kubell<4448>の今後の見通し
1. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の業績予想は、売上高9,741百万円以上(前期比15.0%増以上)、EBITDA1,000百万円以上(同16.7%増以上)としている。ビジネスチャットツール「Chatwork」のさらなる普及とBPaaS事業への積極的な投資を成長ドライバーとして、高成長と利益創出の両立を実現する。売上高とEBITDAによる開示を採用した経緯には、BPaaS事業が急成長している状況下において、蓋然性の高い数値を示すのが困難であるという理由が挙げられる。2024年12月期においても同様の形式を採用しており、第2四半期末決算において各段階利益の追加開示を行っていることから、蓋然性の高い見通しが算出できた段階で追加開示もあり得ると弊社では考える。
2025年12月期は、中期経営計画における「売上高の年平均成長率(CAGR)30%以上」という目標を踏まえると、将来の成長に向けた準備期という印象である。各事業における重点施策としては、Chatwork事業では、各KPIの詳細開示からも読み取れるように、課金ID数やARPUを着実に伸ばす施策が講じられている。セールスマーケティング部門も筋肉質な組織となってきており、さらなる成長の加速が期待される。BPaaS事業は今後さらに成長へ向かうフェーズにあり、人員も増加する見通しである。同事業の売上高は、全社売上高に占める割合が大きくなるほど、業務効率の向上や利益率の改善、他サービスとの連携による相乗効果が生まれやすくなるという特性があり、その結果として、事業全体の成長スピードが一段と高まる構造になっている。2025年12月期は成長率の底であり、翌期以降の加速的な成長に向けた投資フェーズであると弊社では見ている。
2. トピックス
足元のトピックスは以下のとおりである。
(1) 4象限による分類開示
同社は、単一セグメントであるプラットフォーム事業のもと、「SaaSドメイン」と「BPaaSドメイン」という2つの事業領域を軸に事業展開を行ってきたが、2025年12月期第1四半期からは、それぞれのドメインに対して「ストック収益」と「フロー収益」の2種類の収益形態を加えた4象限での分類開示を導入した。これにより、SaaSドメインの中でも継続的に発生するストック型の売上と、一時的または都度発生するフロー型の売上を明確に区分し、同様にBPaaSドメインについてもこの区分を適用している。今後の業績分析においては、この新たな開示区分を前提とすることで、事業ごとの収益構造の違いや成長性、収益安定性の理解が一層明瞭になることが期待される。
(2) BPaaSにおけるAIエージェントの活用を検証
BPaaS領域においては、AIエージェントの導入と活用が急速に進展している。従来、人的リソースによって担われていた経費精算や請求書処理といった業務が、AIによって代替される動きが顕著となってきており、既に想定していた業務量の50%から65%がAIエージェントによって処理可能な水準に到達している。これは、業務効率化とコスト削減の観点から極めて大きなインパクトを持つ施策であり、今後さらに活用範囲の拡大が見込まれている。AIの適用領域が広がることで、BPaaS事業の収益構造や業務プロセス自体が根本的に変革される可能性があり、今後の進捗状況についても継続的な開示が予定されている。
(3) コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)活動報告
同社は、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じた戦略的投資活動を展開し、現時点で4社への出資を実行している。これらの出資先では事業展開や事業提携が順調に進行しており、協業によるシナジー創出や将来的な成長支援といったCVCの目的が着実に実現されつつある。Exit事例としては、出資先のGVA TECH(株)が東証グロース市場への上場を果たしている。これは同社の投資活動が実際に資本リターンへとつながった初のケースであり、今後のCVC運営における重要なマイルストーンとなった。こうしたCVC活動の成果は、今後の財務戦略や成長戦略においても一定の役割を果たしていくと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
<HN>
■kubell<4448>の今後の見通し
1. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の業績予想は、売上高9,741百万円以上(前期比15.0%増以上)、EBITDA1,000百万円以上(同16.7%増以上)としている。ビジネスチャットツール「Chatwork」のさらなる普及とBPaaS事業への積極的な投資を成長ドライバーとして、高成長と利益創出の両立を実現する。売上高とEBITDAによる開示を採用した経緯には、BPaaS事業が急成長している状況下において、蓋然性の高い数値を示すのが困難であるという理由が挙げられる。2024年12月期においても同様の形式を採用しており、第2四半期末決算において各段階利益の追加開示を行っていることから、蓋然性の高い見通しが算出できた段階で追加開示もあり得ると弊社では考える。
2025年12月期は、中期経営計画における「売上高の年平均成長率(CAGR)30%以上」という目標を踏まえると、将来の成長に向けた準備期という印象である。各事業における重点施策としては、Chatwork事業では、各KPIの詳細開示からも読み取れるように、課金ID数やARPUを着実に伸ばす施策が講じられている。セールスマーケティング部門も筋肉質な組織となってきており、さらなる成長の加速が期待される。BPaaS事業は今後さらに成長へ向かうフェーズにあり、人員も増加する見通しである。同事業の売上高は、全社売上高に占める割合が大きくなるほど、業務効率の向上や利益率の改善、他サービスとの連携による相乗効果が生まれやすくなるという特性があり、その結果として、事業全体の成長スピードが一段と高まる構造になっている。2025年12月期は成長率の底であり、翌期以降の加速的な成長に向けた投資フェーズであると弊社では見ている。
2. トピックス
足元のトピックスは以下のとおりである。
(1) 4象限による分類開示
同社は、単一セグメントであるプラットフォーム事業のもと、「SaaSドメイン」と「BPaaSドメイン」という2つの事業領域を軸に事業展開を行ってきたが、2025年12月期第1四半期からは、それぞれのドメインに対して「ストック収益」と「フロー収益」の2種類の収益形態を加えた4象限での分類開示を導入した。これにより、SaaSドメインの中でも継続的に発生するストック型の売上と、一時的または都度発生するフロー型の売上を明確に区分し、同様にBPaaSドメインについてもこの区分を適用している。今後の業績分析においては、この新たな開示区分を前提とすることで、事業ごとの収益構造の違いや成長性、収益安定性の理解が一層明瞭になることが期待される。
(2) BPaaSにおけるAIエージェントの活用を検証
BPaaS領域においては、AIエージェントの導入と活用が急速に進展している。従来、人的リソースによって担われていた経費精算や請求書処理といった業務が、AIによって代替される動きが顕著となってきており、既に想定していた業務量の50%から65%がAIエージェントによって処理可能な水準に到達している。これは、業務効率化とコスト削減の観点から極めて大きなインパクトを持つ施策であり、今後さらに活用範囲の拡大が見込まれている。AIの適用領域が広がることで、BPaaS事業の収益構造や業務プロセス自体が根本的に変革される可能性があり、今後の進捗状況についても継続的な開示が予定されている。
(3) コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)活動報告
同社は、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じた戦略的投資活動を展開し、現時点で4社への出資を実行している。これらの出資先では事業展開や事業提携が順調に進行しており、協業によるシナジー創出や将来的な成長支援といったCVCの目的が着実に実現されつつある。Exit事例としては、出資先のGVA TECH(株)が東証グロース市場への上場を果たしている。これは同社の投資活動が実際に資本リターンへとつながった初のケースであり、今後のCVC運営における重要なマイルストーンとなった。こうしたCVC活動の成果は、今後の財務戦略や成長戦略においても一定の役割を果たしていくと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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