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ミロク情報 Research Memo(4):主力ERP製品のサブスク・IaaSのARRは前期比40.6%増と大幅増

*14:04JST ミロク情報 Research Memo(4):主力ERP製品のサブスク・IaaSのARRは前期比40.6%増と大幅増
■ミロク情報サービス<9928>の業績動向

2. 販売先別・品目別売上動向
売上高の内訳を見ると、フロー型収入となるシステム導入契約売上高が前期比0.2%減の23,995百万円と横ばい水準に留まった一方で、主力ERP製品のクラウド・サブスク型への移行が進んだことでストック型のサービス収入が同13.5%増の18,459百万円と2ケタ成長が続いた。その他の売上高(主に子会社の売上)は同0.8%増の3,705百万円となった。

(1) システム導入契約の販売先別・品目別売上高
システム導入契約売上高を販売先別で見ると、企業向けが前期比5.0%減の12,699百万円、会計事務所向けが同13.0%増の8,283百万円、その他(子会社売上、本社売上、パートナー向け売上等)が同9.6%減の3,013百万円となった。

企業向けについては、新規顧客向けが前期比5.1%増の5,030百万円と拡大基調が続いたものの、既存顧客向けがクラウド・サブスク型への移行が進んだことにより同10.6%減の7,668百万円と2期連続の減収となった。製品別では会計事務所の顧問先となる中小企業・小規模企業向けに「ACELINK NX-CE」の販売が好調に推移した。IT人材の不足で経営のDXが遅れている中小企業に対して、最適なソリューション提案を行う同社のコンサルティング営業が新規顧客の売上増につながっている。コンサルティング営業を推進するため、同社はITコーディネータ※の資格取得を推進しており、2025年3月現在で資格取得者数は約130名(2024年9月時点で63名)と営業人員の2割弱を占めるまでになっている。

※ ITコーディネータ:経営に役立つIT利活用に向けて、経営者側の立場で助言・支援を行うスキルを持った人材を育成すべく、国策の1つとして2001年から設けられた経済産業省推進の資格制度で、試験合格及びケース研修修了することで取得できる。

会計事務所向けはリプレイス需要のピークとなった。ERP製品が堅調に推移したほか、Windows 10のサポート切れを前にパソコンのリプレイス需要が増加し、増収のけん引役となった。その他売上高については、子会社売上は横ばい水準だったものの、パートナー経由での売上が減少した。

システム導入契約の品目別売上高を見ると、ソフトウェアが前期比11.2%減の11,379百万円と2期連続で減少した一方で、ハードウェアが同26.1%増の5,567百万円、ユースウェア(導入支援サービス)が同3.6%増の7,049百万円と増収基調が続いた。ソフトウェアについては、サブスク型への移行が進んだことが減少要因となったが、サブスク型契約の顧客に対する導入支援サービスも含まれるユースウェアの売上高は増収傾向が続いていることから、実際の販売動向としては順調だったと見ることができる。

(2) サービス収入
サービス収入の内訳を見ると、ソフト運用支援サービス(企業向けソフト保守サービス)が前期比2.1%増の6,073百万円、TVS(会計事務所向け総合保守サービス)が同1.9%増の2,612百万円、ソフト使用料が同33.3%増の7,549百万円、ハード・NW保守サービスが同6.7%増の1,689百万円、サプライ・オフィス用品が同6.8%増の533百万円とすべての分野で増収となった。とりわけソフト使用料については、主力ERP製品のサブスク・IaaS提供が進み大幅増収となった。一方、TVSやソフト運用支援サービスについても、新規顧客を獲得することで堅調に推移している。

クラウド・サブスクサービス収入(ソフト使用料)のKPIとなるARRの推移を見ると、2025年3月は前年同月比29.6%増の8,373百万円と高成長が続いた。内訳を見ると、主力ERP製品※1のサブスク・IaaS収入が同40.6%増の3,848百万円と高成長が続いた。小規模事業者向けクラウド会計・給与等(「かんたんクラウド」「iCompass」シリーズ等)のみ同3.1%増の1,345百万円と1ケタ台の伸びに留まったが、企業向け統合フロントクラウドサービス「Edge Tracker※2」が同21.7%増の699百万円、ストレージやマイナンバー管理、他社クラウドサービス等が同34.5%増の2,480百万円とそれぞれ2ケタ成長が続くなど、全体的には順調にクラウド・サブスク型への移行が進んでいるものと評価される。

※1 主力ERP製品のARR、ARPUは、「Galileopt」シリーズ、「MJSLINK」シリーズ、「ACELINK NX-Pro」、「ACELINK NX-CE」のサブスクリプション売上と、月額課金の「MJS税務」シリーズ、「MJS Cloud IaaS」、「MJS DX Cloud」、「MJS e-ドキュメントCloud」の売上合計。
※2 中堅・中小企業の従業員を対象としたクラウドサービスで、「経費精算」「勤怠管理」「給与明細参照」「年末調整申告」「ワークフロー」「電子請求書」などの業務をマルチデバイス対応により、いつでも、どこでも利用できるサービス。

主力ERP製品のサブスク契約社数は前期比48.6%増の4,740社と会社計画(4,100社)を大きく上回った。「ACELINK NX-CE」の契約件数が想定以上に伸張したことが主因だ。相対的に利用料金の低いERP製品の構成比が上昇したため、ARPU※は同5.4%減の812千円に低下したが、件数増効果により主力ERP製品のARRは会社計画の36億円を上回る格好となった。また、導入時コンサルティングやカスタマーサクセスに対する質の高いサービスを提供することで、主力ERP製品の契約継続率は99.4%と引き続き高水準で推移した。主力ERP製品に占めるサブスク比率も前期の15.5%から20.2%に上昇した。企業向けが25〜30%と着実に上昇していることが要因で、会計事務所向けに関しては10%弱の水準に留まったようだ。会計事務所向けに関しては、顧客先のニーズから今後も売切り型が中心になると同社では想定している。

※ ARPU:「Average Revenue Per Paid User」の略で、課金ユーザー1人当たりの平均売上高を示す指標。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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