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1stコーポ Research Memo(3):事業を支える4つの強み

*11:03JST 1stコーポ Research Memo(3):事業を支える4つの強み
■ファーストコーポレーション<1430>の会社概要

2. 同社の強みと事業モデル
同社の強みは、(1) 造注方式による特命受注、(2) 社内における正確かつ素早い情報共有、(3) トップによる迅速な意思決定、(4) 土地情報を獲得する独自のネットワーク、の4点である。

(1) 造注方式による特命受注
造注方式とは、マンション用地を仕入れ、企画・設計を行いマンション・デベロッパーに提案し、特命で工事を請け負う受注方式である。各デベロッパーのニーズに合った事業プランを提案するにあたり、精度の高い用地情報を幅広く収集するほか、用地情報の確保から企画提案までを最短10日間というスピードで行っている。

具体的に、造注方式は以下の流れで進められる。まず不動産会社や金融機関、土地所有者など、多岐にわたる独自のネットワークを駆使して土地情報の収集を行い、マンション用地を確保する。次に、立地特性を最大限に生かせるよう、周辺環境、マーケティング、権利関係、各種法規制等の調査を実施しクオリティの高いプランを作成する。そのプランに基づき、土地代、建築費、設計料等の諸経費を基に事業収支を作成し、デベロッパーに緻密な事業計画の提案を行ったうえで、デベロッパーの要望を取り入れ立案する。そして、プランをベースに適正かつ有効な建築費の見積りを提示し、工事を特命で受注する。

造注方式は、同社が土地を押さえることで主体的に企画提案ができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなる。一般的に、建設会社では、特命工事の比重を高めることが、収益向上のポイントとなるが、同社は造注方式により高い特命比率を実現している。さらに、造注方式では、土地売却から建築工事、マンション分譲までの一連の工程でそれぞれ利益を計上できるため、事業運営の効率化と高利益率の確保を両立することが可能である。受注高全体に占める造注方式の割合(造注比率)は、期末に大口案件を成約するケースもあるため単年度でみると変動が大きいが、2019年5月期以降の2期平均ではおおむね20~30%の範囲で推移している。完成工事売上総利益率は、この造注比率に1年程度のタイムラグを伴って連動している。

2022年5月期から2025年5月期にかけては、インフレや円安を背景に資材価格が上昇し、受注価格と実際の資材購入時期のズレによって利益率が圧迫される傾向が見られたため、同社はゼネコンに対し契約価格の見直し交渉を進め、その影響を最小限に留めてきた。現在では、資材価格の上昇は一服し、高値で安定推移が続く中、工事請負契約への価格転嫁が進んでおり、適正な利益を確保できている。さらに、価格高騰前に契約した案件は、ほぼ完工しており、今後は利益率の改善が見込まれる。

(2) 社内における正確かつ素早い情報共有
事業用地の情報がタイムリーに社内で共有されている点も同社の強みである。週次会議において、土地開発専任の部署が仕入れた用地の情報を営業部署と共有し、連携を密に行っているため、営業部署は各デベロッパーのニーズに合わせて、事業用地を活用した企画提案を迅速かつ的確に行うことができる。こうした社内の風通しの良さが、事業用地取得とデベロッパーとの事業化のスピードにつながっている。

(3) トップによる迅速な意思決定
同社の哲学の1つである「土地を制するものがすべてを制する」に基づき、重要な事業用地に関しては、トップである中村利秋(なかむら としあき)代表取締役社長が実際に現地に出向き、その場で購入するかどうかの意思決定を行う。一般的に不動産業界においては、事業用地を探しているデベロッパーが多いが、ニーズに合った土地が見つかりにくいのが現状である。首都圏においては特に顕著であり、トップが自ら迅速な意思決定を行うことで、競合他社に先んじて優良な事業用地を獲得することを可能にしている。

(4) 土地情報を獲得する独自のネットワーク
通常、事業用地の情報を取得するには、地域の不動産屋、金融機関などに足繁く通ってゼロから信頼関係を構築し、土地の情報を仕入れる長いスパンの活動が必要となる。同社においても、このような地道な活動に加え、多様なネットワークを持つ人材の中途採用を強化することで得られる幅広い情報ネットワークが同社の強みである。なお、魅力的な土地情報を取得した社員へのインセンティブ制度も充実させることで、優秀な社員の退職リスクの低減にも努めている。

今後は新しい建築技術の開発によって、同社の提案力と施工技術に磨きをかけていく。新しい建築技術に関しては、耐震・免震に優れた施工方法の開発に注力し、着実に進捗している。これにより、他社との差別化を図り、さらなる受注拡大につなげていく考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)



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