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インテリックス Research Memo(7):2026年5月期は18期ぶりに過去最高売上を更新

*13:07JST インテリックス Research Memo(7):2026年5月期は18期ぶりに過去最高売上を更新
■インテリックス<8940>の今後の見通し

1. 2026年5月期業績の見通し
2026年5月期の連結業績は、売上高で前期比25.9%増の56,415百万円、営業利益で同4.7%増の2,498百万円、経常利益で同7.4%減の2,006百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同19.3%減の1,346百万円を計画している。売上高はリノベーション事業分野、ソリューション事業分野ともに伸長し、18期ぶりに過去最高を更新する見通しだ。営業利益は前期業績に貢献した好採算物件の売却がなくなるほか、人件費や本社移転に伴う地代家賃等の増加を見込むものの、増収効果で吸収し増益を確保する見通しである。ただ、営業外収支が支払利息の増加や前期に計上した匿名組合投資利益や補助金収入の減少により悪化することから、経常利益段階では減益となる。また、前期に計上した本社移転補償金の剥落等により、親会社株主に帰属する当期純利益は2ケタ減益を見込む。

事業セグメント別売上高は、リノベーション事業分野で前期比11%増の388億円、ソリューション事業分野で同82%増の175億円を見込む。リノベーション事業分野では、リノヴェックスマンションが前期比12%増の346億円、リノベーション内装事業が同5%増の24億円となるほか、買取再販共同事業が同3%増、FLIEによるプラットフォーム事業が同69%増とそれぞれ増収を見込む。リノヴェックスマンションは販売件数が同0.5%減の1,047件となるものの、販売単価が同12.4%上昇することが増収要因となる。売上総利益率は12.7%と前期並みの水準を前提としている。また、FLIEに関してはDX支援サービス「FLIE ONE」の導入社数を拡大していくほか、売買プラットフォーム「FLIE」において自社物件の掲載エリアを首都圏や大阪エリアに加えてその他地方エリアに広げていく予定となっている。これらの取り組みにより、2026年5月期は事業開始以降、初の黒字化を達成する見通しだ。

ソリューション事業分野の売上内訳は、一棟収益物件等のアセット事業で同52%増の61億円となるほか、リースバック事業で同263%増の34億円、アセットシェアリング事業で同100%増の17億円、収益物件共同事業で同59%増の35億円とそれぞれ高成長を見込んでおり、ホテル事業については稼働率や宿泊単価が高水準で推移していることから同3%減の13億円と保守的に織り込んでいる。前期に仕入れた物件は比較的、短期で売却を予定している物件も多く、早期売却により資金効率を高め仕入活動資金に充当する方針だ。

なお、半期ベースで見ると当期も上期偏重型の業績となる見通しである。第1四半期に比較的規模の大きい一棟収益物件を2件売却(第1四半期に経常利益で3.6億円以上の寄与)することや、リースバック事業で流動化案件の組成を予定していることなどが要因だ。仕入方針については引き続き、需要が見込めるエリアや物件を積極的に仕入れる方針に変わりないが、自己資本比率で25%以上を維持することを意識して、仕入及び販売活動を進めることにしている。


持続的成長に向けた経営基盤構築のため、2025年12月に持株会社体制に移行

2. 重点方針
同社は2026年5月期の重点方針として、「持続的な成長に向けた経営基盤の構築と事業の拡充」を掲げ、事業ポートフォリオの拡充と積極仕入による事業拡大、人的資本経営の実践に注力していく。また、機動的な経営の実践や事業採算性の強化、ガバナンス体制の強化、M&Aや新規事業創出による企業活性化など持続的成長を実現するために必要な経営基盤を構築するため、2025年12月に持株会社体制へ移行する予定だ。2026年1月には持株会社体制移行の成長戦略などを含めた中期経営計画を発表する予定となっており、その内容が注目される。

(1) 事業ポートフォリオの拡充
同社の業績はこれまでリノヴェックスマンション事業の動向に左右され、業績の浮き沈みも大きくなる傾向にあったが、今後は持続的な成長を目指すべく、事業ポートフォリオの拡充を一段と進める方針だ。同社はこれまで、アセットシェアリング事業やリノベーション内装事業、リースバック事業、ホテル事業のほか、再生住宅パートナーによる収益物件共同事業、FLIEによるプラットフォーム事業などの育成に取り組み、いずれも順調に成長し収益貢献し始めている(FLIEは2026年5月期より貢献見通し)。

特に、再生住宅パートナーについてはパートナー企業の融資・経験不足による機会損失を解消するソリューションとして2022年5月期の事業開始以降、需要が拡大しており、4期目となる2025年5月期には売上高で3,702百万円と急成長し、2026年5月期も4,879百万円と高成長が続く見通しだ。パートナー企業は同社から独立した元社員のほか、良い売却物件情報を持っているものの資金不足や銀行融資が得られず買い取りできない企業などで、こうした企業と協業(同社は資金・ノウハウを提供)することによって、「利益の最大化」を実現している。同社では共同事業に関する潜在需要は大きいと見ており、今後も成長が続くものと予想される。また、現在2施設を運営し安定した収益を獲得しているホテル事業に関して、新たに1施設を開業すべく建設準備を進めているもようで、今後の収益に貢献する見通しだ。

(2) 人的資本経営の実践
同社は、次なる成長を見据えた次世代人財の育成と体制づくりに取り組んでおり、人的資本経営の実践に向けた各種施策を遂行している。既に実施した施策としては、1級建築士の取得支援制度の導入、グループ従業員に対するRS(譲渡制限付株式)の付与、拠点長の評価制度の見直し(2025年5月期より実績を重視した新評価制度を導入)、本社オフィスの移転(2025年2月完了)などがある。新オフィスは地代家賃が1.8倍に増加したが、フリースペースを設けるなど新たなワークスタイルを導入し、社内コミュニケーションの活性化や業務の効率化、多様な人材の確保などにおいてプラスの効果を期待している。

継続中の施策としては、新卒採用及び育成の強化がある。従来はキャリア採用に重点を置き、新卒採用は年間数名程度の採用を行ってきた。不動産物件の仕入営業活動は属人的で個人の持つネットワークやスキルに頼るところが大きかったためだ。キャリア採用の良いところは即戦力として収益に貢献することだが、逆に特定の社員が抜けた場合に当該支店の営業成績が大きく落ち込むなどマイナスの面もあった。持続的な成長を目指すためにはこうした属人的な営業体制から組織的な営業体制に進化することが重要と考え、2024年、2025年と新卒採用数は23名と大幅に増員した。2026年春について同水準の採用を計画している。こうした新卒社員の早期戦力化や定着率の向上を図るべく、2024年から新人育成や階層別研修の拡充だけでなく、支店でのOJTを含めて育成担当者に対する研修も実施した。2025年5月期は新卒社員の早期戦力化が進むなど、効果が早くも顕在化している。組織的な営業体制の構築に向けてはビッグデータを積極活用することで、属人的になりがちであった仕入の判断基準(エリア・条件・価格帯等)を明確にしていく。また、従業員に対するエンゲージメント調査を定期的に実施し、PDCAを回すことでエンゲージメント向上につなげていく。今後予定している施策としては、2026年度より新卒給与のアップと既存社員への対応を進めるほか、持株会社体制移行後の新人事制度の構築に向けた準備に着手し、2027年度からの導入を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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