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グッドパッチ Research Memo(6):売上高は堅調に推移したが、単価下落が響き大幅減益で着地
2025/09/08 11:36
*11:36JST グッドパッチ Research Memo(6):売上高は堅調に推移したが、単価下落が響き大幅減益で着地
■グッドパッチ<7351>の業績動向
1. 2024年8月期の業績概要
2024年8月期の業績は、売上高で前期比0.4%増の3,942百万円、営業利益で同88.4%減の34百万円、経常利益で同84.4%減の46百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同94.7%減の11百万円となった。主な増収要因としては、デザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」において、契約企業数、採用決定者数が増加したほか、ダイレクトリクルーティング機能の提供開始などが貢献した。一方、大幅減益については、第3四半期から第4四半期にかけて、デザインパートナー事業において、主要プロジェクトの継続停止が発生、新規プロジェクト獲得を強化するも、プロジェクトの単価が低下し、採算性が低下した。
2. 事業セグメント別動向
(1) デザインパートナー事業
デザインパートナー事業の売上高は前期比0.3%減の3,595百万円、営業利益は同67.5%減の128百万円となった。大幅減益の主な要因は、第3四半期から第4四半期にかけて発生した正社員デザイン部門のデザイナーの稼働率低下による。通期で採用活動を継続したことで、正社員デザイナー数が同18.4%増の161名に増加した。
事業のKPIは、プロジェクトを提供した顧客社数は同1.5%減の51.9社と微減だったが、月額平均顧客単価は同0.4%増の5,497千円とわずかに増加した。フルリモートのデザインチーム「Goodpatch Anywhere」の所属デザイナー数は同11.7%増の590名と増加したものの、稼働デザイナー数は同56.8%減の41名と大幅に減少した。年間売上高60百万円以上のロイヤルカスタマー数は目標15社に対し13社にとどまったのは、新規商談獲得にリソースを集中したため、既存顧客への深耕営業に十分なリソースを割けなかったことが背景にある。プロジェクト獲得の先行指標である有効商談数は増加傾向にあり、広告費を減らしても新規商談を生み出せる体制が構築できていることから、2025年8月期以降の業績にはポジティブな影響をもたらすと見込まれる。
(2) デザインプラットフォーム事業
デザインプラットフォーム事業の売上高は、前期比7.6%増の347百万円、営業損失は93百万円(前期は96百万円の営業損失)となった。デザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」が堅調な成長を示し、営業損失の縮小に寄与した。
3. 財務状況と経営指標
2024年8月期末の資産合計は前期末比4百万円増加の4,676百万円となった。主な増減要因は、流動資産で未収還付法人税等が48百万円増加し、前払費用が30百万円増加した一方、売掛金及び契約資産が27百万円減少したことで、同39百万円増加の3,839百万円となった。現金及び預金は1百万円増加し、3,275百万円であった。固定資産は、のれん償却によるのれんの63百万円減少、繰延税金資産の20百万円減少があった一方で、投資有価証券が56百万円増加したことで、同35百万円減少の836百万円となった。
負債合計は前期末比75百万円増加の803百万円となった。主な増減要因は、流動負債では未払法人税等が73百万円減少し、未払金が47百万円減少、未払費用が22百万円減少した一方、1年内返済予定の長期借入金が55百万円増加したことにより、同75百万円減少の533百万円となった。固定負債は主に長期借入金が152百万円増加したことにより、同150百万円増加の270百万円となった。有利子負債は401百万円である。
純資産合計は同71百万円減少の3,872百万円となった。これは主に自己株式の取得で99百万円減少があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上11百万円増加による利益剰余金の増加があったためである。
キャッシュ・フローの状況では、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,275百万円と潤沢である。営業活動によるキャッシュ・フローは57百万円の支出となり、前期の78百万円の収入からマイナスに転じた。これは主に法人税等の支払額や未払金の減少が要因である。投資活動によるキャッシュ・フローは58百万円の支出で、投資有価証券の取得や有形固定資産の取得によるものである。財務活動によるキャッシュ・フローは116百万円の収入となり、長期借入れによる収入が主な要因である。
経営指標については、自己資本比率が前期末比1.8ポイント低下の82.3%と健全な財務状況を維持している。収益性については、当期純利益の大幅な減少を受けて、ROAは5.8ポイント低下の1.0%、ROEは5.8ポイント低下の0.3%といずれも大幅に減少した。流動性については、流動比率が719.9%と十分な流動性を確保しており、財務の健全性は良好であると評価される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)
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■グッドパッチ<7351>の業績動向
1. 2024年8月期の業績概要
2024年8月期の業績は、売上高で前期比0.4%増の3,942百万円、営業利益で同88.4%減の34百万円、経常利益で同84.4%減の46百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同94.7%減の11百万円となった。主な増収要因としては、デザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」において、契約企業数、採用決定者数が増加したほか、ダイレクトリクルーティング機能の提供開始などが貢献した。一方、大幅減益については、第3四半期から第4四半期にかけて、デザインパートナー事業において、主要プロジェクトの継続停止が発生、新規プロジェクト獲得を強化するも、プロジェクトの単価が低下し、採算性が低下した。
2. 事業セグメント別動向
(1) デザインパートナー事業
デザインパートナー事業の売上高は前期比0.3%減の3,595百万円、営業利益は同67.5%減の128百万円となった。大幅減益の主な要因は、第3四半期から第4四半期にかけて発生した正社員デザイン部門のデザイナーの稼働率低下による。通期で採用活動を継続したことで、正社員デザイナー数が同18.4%増の161名に増加した。
事業のKPIは、プロジェクトを提供した顧客社数は同1.5%減の51.9社と微減だったが、月額平均顧客単価は同0.4%増の5,497千円とわずかに増加した。フルリモートのデザインチーム「Goodpatch Anywhere」の所属デザイナー数は同11.7%増の590名と増加したものの、稼働デザイナー数は同56.8%減の41名と大幅に減少した。年間売上高60百万円以上のロイヤルカスタマー数は目標15社に対し13社にとどまったのは、新規商談獲得にリソースを集中したため、既存顧客への深耕営業に十分なリソースを割けなかったことが背景にある。プロジェクト獲得の先行指標である有効商談数は増加傾向にあり、広告費を減らしても新規商談を生み出せる体制が構築できていることから、2025年8月期以降の業績にはポジティブな影響をもたらすと見込まれる。
(2) デザインプラットフォーム事業
デザインプラットフォーム事業の売上高は、前期比7.6%増の347百万円、営業損失は93百万円(前期は96百万円の営業損失)となった。デザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」が堅調な成長を示し、営業損失の縮小に寄与した。
3. 財務状況と経営指標
2024年8月期末の資産合計は前期末比4百万円増加の4,676百万円となった。主な増減要因は、流動資産で未収還付法人税等が48百万円増加し、前払費用が30百万円増加した一方、売掛金及び契約資産が27百万円減少したことで、同39百万円増加の3,839百万円となった。現金及び預金は1百万円増加し、3,275百万円であった。固定資産は、のれん償却によるのれんの63百万円減少、繰延税金資産の20百万円減少があった一方で、投資有価証券が56百万円増加したことで、同35百万円減少の836百万円となった。
負債合計は前期末比75百万円増加の803百万円となった。主な増減要因は、流動負債では未払法人税等が73百万円減少し、未払金が47百万円減少、未払費用が22百万円減少した一方、1年内返済予定の長期借入金が55百万円増加したことにより、同75百万円減少の533百万円となった。固定負債は主に長期借入金が152百万円増加したことにより、同150百万円増加の270百万円となった。有利子負債は401百万円である。
純資産合計は同71百万円減少の3,872百万円となった。これは主に自己株式の取得で99百万円減少があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上11百万円増加による利益剰余金の増加があったためである。
キャッシュ・フローの状況では、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,275百万円と潤沢である。営業活動によるキャッシュ・フローは57百万円の支出となり、前期の78百万円の収入からマイナスに転じた。これは主に法人税等の支払額や未払金の減少が要因である。投資活動によるキャッシュ・フローは58百万円の支出で、投資有価証券の取得や有形固定資産の取得によるものである。財務活動によるキャッシュ・フローは116百万円の収入となり、長期借入れによる収入が主な要因である。
経営指標については、自己資本比率が前期末比1.8ポイント低下の82.3%と健全な財務状況を維持している。収益性については、当期純利益の大幅な減少を受けて、ROAは5.8ポイント低下の1.0%、ROEは5.8ポイント低下の0.3%といずれも大幅に減少した。流動性については、流動比率が719.9%と十分な流動性を確保しており、財務の健全性は良好であると評価される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)
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