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エブレン Research Memo(2):産業用コンピュータの受託設計・生産を主軸に展開
2025/09/12 12:02
*12:02JST エブレン Research Memo(2):産業用コンピュータの受託設計・生産を主軸に展開
■会社概要
1. 会社概要
エブレン<6599>は1973年に産業用コンピュータ機器の設計・製造を目的として設立された。社名は、エレクトロニクス分野における頭脳・知力の集団となることを目標とし、最高のソリューションを提供することのできるブレイン(Electronics BRAINs=EBRAIN)でありたいという想いを込めたものである。
1975年にマイクロコンピュータ用E-PACSを発売し、以降は事業の拡大に取り組んできた。創立以来基軸に据えて取り組んできたテーマはComputer Bus Technologyである。産業用電子機器のバックボード(バックプレーン)とコンピュータバスラックを中心とした電子機器及び工業用コンピュータの本体まわりの設計と生産技術を専門領域にしている。
拠点は、東京都八王子市の本社をはじめ国内では埼玉県入間市、東京都荒川区、大阪府大阪市に置き、海外では、2002年に中国江蘇省蘇州市に蘇州惠普聯電子有限公司(以下、蘇州エブレン)を設立した。生産拠点に関しては、自社開発のプレスフィットマシンとボードチェッカーを八王子・入間・大阪・中国の蘇州に設置し、BCP(事業継続計画)の観点から複数の生産拠点で共通の設備によって生産し、リスク分散を図っている。
2015年に(株)タンバックを吸収合併し、システムソリューション事業部を立ち上げ、業容を広げた。
2020年6月には東京証券取引所(以下、東証)JASDAQ(スタンダード)に株式を上場し、現在は東証スタンダード市場に上場している。
2. 収益構造
同社は、半導体製造装置や生産自動化機械などにコントローラーとして使用される産業用コンピュータの受託設計と受託生産を主力としており、売上全体の8割を占めている。鉄道・電力・通信などの公共性の高い事業会社向け設備開発や調達は、大手の装置メーカーが主契約者となる。同社は、提示されたコンピュータ製品の「要求仕様書」に基づいて製品を設計し、試作品を装置メーカーへ送付して評価と設計検証を受ける。量産までは半年から1年以上かかるケースもあるが、一旦量産が始まると、契約は簡単にキャンセルされることはなく、当該製品は安定的な収益源となる。
手掛ける分野は情報・通信・計測・制御・映像・交通・FA(Factory Automation)・メディカル・防衛など広範囲な分野にわたる。いずれの分野においても、同社は設計・製造の一貫体制を確立している。それぞれの分野特有のカスタムニーズに対応し、顧客の特注仕様に基づいてカスタム設計し、製造・品質を保証して納入している。
3. 事業内容
(1) 産業用コンピュータ及びその周辺製品の販売
高度にネットワーク化され情報化が進む現代社会において、社会インフラや経済活動、生産活動に関わる産業インフラは、膨大な数の産業用コンピュータに支えられている。
同社は、インフラシステムに使用される組込型コンピュータ(産業用コンピュータ)及びその周辺製品を、産業用電子機器メーカーや機械装置メーカーなどの大手システムメーカーに販売している。具体的な製品としては、ボードコンピュータやコンピュータシャーシなどがある。独自の生産設備とITを駆使した生産体制を構築し、設計から製造まで一貫して請け負うことができるほか、開発・試作・量産といったどの段階からでも製造を請け負うことが可能である。
(2) バックプレーン
バックプレーンは、コンピュータの基本機能を実現するハードウェアであり、CPUボードやI/Oボードといった各種回路基板を相互に接続して信号を伝送し、電力を供給する回路を備えている。コネクターを介して基板を着脱できる構造が特徴である。
バックプレーンには各種の規格が制定されているが、保守性・拡張性・汎用性の観点から、ボードを着脱できる方式が多くの産業用コンピュータで採用されている。一方で、電子機器本体(筐体)に固定的に組み込まれるため交換することが容易ではなく、システムダウンの許されない社会インフラを支える電子機器に応用されることが多いため、高い品質が求められる。
同社は顧客から求められる品質レベルに応えられるよう、各種のコネクターや様々なサイズや厚さのプリント基板に対応できる自動組立装置(プレスフィットマシン)や検査装置(電気検査機)を自社で設計・開発し、生産に活用している。
(3) 応用分野
電気・ガス・水道などのライフラインをはじめ、交通・医療・通信・放送・セキュリティから防衛に至るまで、広範囲に及ぶ産業インフラにおいて、ほぼ例外なくコンピュータが組み込まれている。同社は、応用分野のなかでも通信・放送、電子応用、計測・制御、交通関連、防衛・その他の5つの分野で展開している。長年の実績を基に設計回路のパターンや個々の電子部品特性などを過去の類似案件から応用することで、多種少量のカスタム製品においても、設計期間の短縮化やコストの低減といった量産効果を発揮している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
<HN>
■会社概要
1. 会社概要
エブレン<6599>は1973年に産業用コンピュータ機器の設計・製造を目的として設立された。社名は、エレクトロニクス分野における頭脳・知力の集団となることを目標とし、最高のソリューションを提供することのできるブレイン(Electronics BRAINs=EBRAIN)でありたいという想いを込めたものである。
1975年にマイクロコンピュータ用E-PACSを発売し、以降は事業の拡大に取り組んできた。創立以来基軸に据えて取り組んできたテーマはComputer Bus Technologyである。産業用電子機器のバックボード(バックプレーン)とコンピュータバスラックを中心とした電子機器及び工業用コンピュータの本体まわりの設計と生産技術を専門領域にしている。
拠点は、東京都八王子市の本社をはじめ国内では埼玉県入間市、東京都荒川区、大阪府大阪市に置き、海外では、2002年に中国江蘇省蘇州市に蘇州惠普聯電子有限公司(以下、蘇州エブレン)を設立した。生産拠点に関しては、自社開発のプレスフィットマシンとボードチェッカーを八王子・入間・大阪・中国の蘇州に設置し、BCP(事業継続計画)の観点から複数の生産拠点で共通の設備によって生産し、リスク分散を図っている。
2015年に(株)タンバックを吸収合併し、システムソリューション事業部を立ち上げ、業容を広げた。
2020年6月には東京証券取引所(以下、東証)JASDAQ(スタンダード)に株式を上場し、現在は東証スタンダード市場に上場している。
2. 収益構造
同社は、半導体製造装置や生産自動化機械などにコントローラーとして使用される産業用コンピュータの受託設計と受託生産を主力としており、売上全体の8割を占めている。鉄道・電力・通信などの公共性の高い事業会社向け設備開発や調達は、大手の装置メーカーが主契約者となる。同社は、提示されたコンピュータ製品の「要求仕様書」に基づいて製品を設計し、試作品を装置メーカーへ送付して評価と設計検証を受ける。量産までは半年から1年以上かかるケースもあるが、一旦量産が始まると、契約は簡単にキャンセルされることはなく、当該製品は安定的な収益源となる。
手掛ける分野は情報・通信・計測・制御・映像・交通・FA(Factory Automation)・メディカル・防衛など広範囲な分野にわたる。いずれの分野においても、同社は設計・製造の一貫体制を確立している。それぞれの分野特有のカスタムニーズに対応し、顧客の特注仕様に基づいてカスタム設計し、製造・品質を保証して納入している。
3. 事業内容
(1) 産業用コンピュータ及びその周辺製品の販売
高度にネットワーク化され情報化が進む現代社会において、社会インフラや経済活動、生産活動に関わる産業インフラは、膨大な数の産業用コンピュータに支えられている。
同社は、インフラシステムに使用される組込型コンピュータ(産業用コンピュータ)及びその周辺製品を、産業用電子機器メーカーや機械装置メーカーなどの大手システムメーカーに販売している。具体的な製品としては、ボードコンピュータやコンピュータシャーシなどがある。独自の生産設備とITを駆使した生産体制を構築し、設計から製造まで一貫して請け負うことができるほか、開発・試作・量産といったどの段階からでも製造を請け負うことが可能である。
(2) バックプレーン
バックプレーンは、コンピュータの基本機能を実現するハードウェアであり、CPUボードやI/Oボードといった各種回路基板を相互に接続して信号を伝送し、電力を供給する回路を備えている。コネクターを介して基板を着脱できる構造が特徴である。
バックプレーンには各種の規格が制定されているが、保守性・拡張性・汎用性の観点から、ボードを着脱できる方式が多くの産業用コンピュータで採用されている。一方で、電子機器本体(筐体)に固定的に組み込まれるため交換することが容易ではなく、システムダウンの許されない社会インフラを支える電子機器に応用されることが多いため、高い品質が求められる。
同社は顧客から求められる品質レベルに応えられるよう、各種のコネクターや様々なサイズや厚さのプリント基板に対応できる自動組立装置(プレスフィットマシン)や検査装置(電気検査機)を自社で設計・開発し、生産に活用している。
(3) 応用分野
電気・ガス・水道などのライフラインをはじめ、交通・医療・通信・放送・セキュリティから防衛に至るまで、広範囲に及ぶ産業インフラにおいて、ほぼ例外なくコンピュータが組み込まれている。同社は、応用分野のなかでも通信・放送、電子応用、計測・制御、交通関連、防衛・その他の5つの分野で展開している。長年の実績を基に設計回路のパターンや個々の電子部品特性などを過去の類似案件から応用することで、多種少量のカスタム製品においても、設計期間の短縮化やコストの低減といった量産効果を発揮している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
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