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フルサト・マルカHD Research Memo(3):「モノづくり」市場におけるソリューション力が特徴・強み

*13:33JST フルサト・マルカHD Research Memo(3):「モノづくり」市場におけるソリューション力が特徴・強み
■事業概要

1. セグメント区分と特長・強み
フルサト・マルカホールディングス<7128>はセグメント区分を機械・工具、建設資材、建設機械、IoTソリューションの4区分としている。ほかにはない独自の解決策を生み出すユニーク・ソリューション・カンパニーを目指し、グループ全体のサービスや商品を統括するブランドを「UNISOL(ユニソル)」(ユニーク(UNIQUE)とソリューション(SOLUTIONS)を組み合わせた造語)としている。また全社ベースで仕入先4,500社、顧客数16,000社の営業基盤を構築している。

同社は、経営統合によるシナジー最大化を目指し、グループ内組織再編を進めている。2025年1月に同社、フルサト工業、ジーネット、マルカの管理本部の事業を承継するUNISOL ビジネスパートナーズ(株)を設立した。2025年7月にはジーネットの住設システム部門をフルサト工業に事業移管した。今後は、2026年1月(予定)に、同社がユニソルホールディングスに商号変更するとともに、マルカとジーネットを統合してユニソルを設立する。また、マルカの建設機械部門を分社化して新会社を設立予定である。

(1) 機械・工具
機械・工具は、ジーネット、岐阜商事、マルカ、菅製作所、アルプラス、ティーエスプレシジョン、エムタス・レフ(株)(非連結子会社)、ソノルカエンジニアリング、北九金物工具、海外子会社(北米、中国、東南アジア)が、工作機械、FA機器、産業機械、射出成型機、ロボット、洗浄機械、食品機械、物流機械、フォーミングマシン、CO2冷凍機、機械工具、空気圧機器、切削工具などの販売(一部の製品・部品は自社製造)及びエンジニアリングを展開している。海外売上高比率は約2割である。

単なる機械・工具の仕入・卸売ではなく、大手自動車・自動車部品メーカーなど国内外の「モノづくり」市場に対し、産業機械・工具類などを幅広く提供することで、顧客の生産ラインの省力化・省エネ化・効率化を実現するソリューション力を強みとしている。AI・センシング・クラウドといった先端テクノロジーを活用してスマートファクトリーにも対応するなど、「モノづくり」現場を幅広くサポートしている。

また、成長戦略の一環として、M&Aや業務提携を積極的に進めており、2023年3月にはスマートファクトリー分野の強化に向けてジーネットがアルム(株)と業務提携契約を締結した。アルムの「ARUMCODE」シリーズなどの利用を可能とするクラウド型サブスクリプション事業の日本国内における独占販売総代理店契約を含んでおり、2024年5月にはジーネットがアルムへ出資した。

2024年12月にはマルカがシンガポールのEUREKA ROBOTICS PTE.LTD.に出資した。EUREKA ROBOTICSはAIを活用した次世代ロボット制御技術(最先端のロボットコントトーラー、専用3Dカメラ)を開発・販売するスタートアップである。同社はEUREKA ROBOTICSのAI技術を活用して製造業や物流業の技術革新を推進しつつ、日本と米国を中心としたグローバル市場で強固な販売協力体制を構築するねらいがある。2025年5月には、EUREKA ROBOTICSの米国子会社と北米地域を対象としたEUREKA ROBOTICS製品に関する販売店契約も締結した。

また、2025年11月には、マルカ及びマルカ子会社がタイのMT Food Systems Co.,LTD.の株式52%を取得してグループ化する予定である。MT Food Systemsは食品機械の輸入や自動化ソリューションを展開し、現地食品加工メーカーと長年にわたる強い取引関係を構築している。同社はMT Food Systemsとともに、加工食品市場が成長している東南アジアでの事業展開を強化する。

(2) 建設資材
建設資材はフルサト工業とジーネットが中心となり、国内の鉄骨建築及び工場配管の市場向けに、鉄構資材・配管機材・建設資材・住宅設備機器などの製造・販売を展開している。特に、倉庫・工場などの鉄骨建築の骨組みに使用される自社製造製品「フルブレース」などが高い市場シェアを占めている。売上構成比は、非住宅関連が約9割、住宅関連が約1割となっている。

(3) 建設機械
建設機械はマルカとジャパンレンタル(株)が、クローラークレーン、基礎建機、高所作業車など建設機械の販売・レンタルを展開している。機械単体だけでなく、保険やアフターサービスを含むトータルサポートを提供しており、高所作業車については、オペレーター(操縦者)付きでレンタルも行っている。

(4) IoTソリューション
IoTソリューションはセキュリティデザインが中心となり、オフィス・工場・倉庫などのニーズに合わせて防犯・監視カメラ、入退室管理、生態認証といったセキュリティ機器の販売やシステム導入を展開している。従来は機器販売が中心だったが、現在はトータルソリューションを推進するとともに、モニタリングやセンシングを含むIoT分野への領域拡大を進めている。これにより、グループとして注力しているスマートファクトリー事業において重要な役割を担っている。また、セキュリティデザインは、2023年9月にAI解析による牛の分娩予兆検知システム「UNI-MOW(ユニモウ)」の販売を開始した。これは、京都大学大学院農学研究科と共同研究を進め、ファーマーズサポート(株)の協力を得て開発したものである。

2. セグメント別業績
セグメント別業績は、売上構成比で見ると機械・工具が6割~7割、建設資材が3割弱を占めている。営業利益構成比でも、機械・工具が5割前後、建設資材が4割前後となり、それぞれが主力となっている。営業利益率で見ると、2024年12月期は機械・工具が減収影響で、建設資材が競合影響でそれぞれ低下した一方で、建設機械の営業利益率は中古車の増加などの寄与により上昇した。IoTソリューションの営業利益は、2022年12月期にサーマルカメラのコロナ禍関連の特需が剥落して赤字となったが、2023年12月期には反動影響の一巡やコスト管理強化によって黒字転換した。2024年12月期には大型案件も寄与し、営業利益率が一段と上昇した。


業績変動リスクの分散を目的にビジネスポートフォリオ経営を推進

3. リスク要因・収益特性と課題・対策
一般的なリスク要因として、景気要因による需要変動、競合激化による売上減少や採算性悪化、為替変動、原材料等コスト上昇に対する価格転嫁遅れ、製品開発・技術革新への対応遅れなどが挙げられる。同社の主力事業である機械・工具は製造業を中心とする設備投資、建設資材は建設投資の影響を受けるため、景気要因によって需要が変動する可能性がある。このため同社は、業績変動リスクの分散を目的として、ビジネスモデルや景気感応度の異なる複数の事業に分散して展開するビジネスポートフォリオ経営を推進している。競合については類似企業が多いものの、同社は独自の提案・ソリューション力を強みとして差別化を図っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)



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