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ベイシス Research Memo(7):モバイルエンジニアリングサービスの減収により中期経営計画の目標達成は困難

*14:07JST ベイシス Research Memo(7):モバイルエンジニアリングサービスの減収により中期経営計画の目標達成は困難
■今後の見通し

2. 中期経営計画の進捗状況
(1) 2030年ビジョンと中期経営計画の状況
ベイシス<4068>は「2030年ビジョン」として、通信インフラエンジニアリングからICTインフラ全般のエンジニアリングカンパニーへと進化を遂げ、ICT業界や社会に大きく貢献しながら2030年6月期に売上高約300億円の達成を目指す。ビジョンの実現に向けて、2023年10月に「Reborn Basis」をテーマに中期経営計画を発表し、推進している。計画期間を2024年6月期~2026年6月期の3年間とし、祖業であるモバイルエンジニアリングサービス以外の柱を創り、育てる変革期と位置付けている。数値目標は2026年6月期において、売上高9,612百万円、EBITDAは753百万円、EBITDAマージンは7.84%としている。全社戦略として「成長性の高い事業へのシフト(IoT分野及びITインフラ分野への事業拡大)」「M&Aによる成長」「事業の成長を支える人材への投資」「サステナビリティ、ESG経営への取り組み」の4点を掲げている。

同社は特にIoTエンジニアリング事業に積極的な戦略投資を実施し、「BPaaSモデル」を推進している。BPaaSモデルは、顧客のコアビジネス以外の事業領域(バックオフィス業務、作業前業務、機器設置業務、遠隔監視・保守等の現場業務)を、同社のSaaSサービス「BLAS」を介して受託するものである。通常のBPOと比べ、一連の業務をSaaSにより提供することで顧客での業務効率化を実現し、市場での優位性を確保している。BPaaSモデルの推進のため、顧客層を「フェーズA(年間取引額1億円超)」「フェーズB(同3,000万円超1億円以下)」「フェーズC(同3,000万円以下)」の3つに分類し、各事業年度においてフェーズごとに目標を設定した。2025年6月期の実績は、フェーズAは9社(前期比3社増)、フェーズBは7社(同1社減)、フェーズCは137社(同38社増)となった。既存顧客との取引深耕及び新規顧客開拓の双方を実現する手段として今後も推進し、顧客基盤の拡大と売上・利益面の向上を図る。

中期経営計画の進捗状況について、売上高は目標達成が困難な状況にある。2025年6月期実績は7,984百万円と目標未達となり、2026年6月期通期計画は8,684百万円と、2026年6月期中期経営計画目標の9,612百万円には遅れをとっている。最大の要因は、通信キャリア各社の投資抑制によるモバイルエンジニアリングサービスの減収であり、中期経営計画2026年6月期目標4,018百万円に対し、通期計画2,824百万円にとどまっている。一方、中期経営計画2026年6月期目標に対する通期計画について、IoTエンジニアリングサービスは5,022百万円に対して4,191百万円、ITエンジニアリングサービス等のその他サービスは572百万円に対し1,668百万円と見通しは明るい。同社は売上高の目標達成にはさらに1年程度必要との考えであり、計画の見直しを含め検討している。また、EBITDAについても同様に2025年6月期における実績は未達の状況である。2026年6月期も、中期経営計画目標753百万円に対し通期計画315百万円と厳しい状況にある。売上総利益率の高いモバイル関連案件の減少等が主因で、達成にはさらに1~2年を要する見込みだ。

(2) 2026年6月期の重点施策
中期経営計画の早期達成に向け、売上高では「営業体制の強化」「M&Aによる成長」、EBITDAでは「売上総利益の改善」「営業利益の改善」の4つの施策を掲げている。「営業体制の強化」では、営業人員の増員及び育成により営業力の底上げを図る。既存顧客(キーアカウント:最重要顧客)の深耕や、インサイドセールス強化による新規顧客開拓を推進し、増収につなげる。「M&Aによる成長」については、2025年6月期以前から推進しているものの、実施に至った先は少ない。同社はITインフラ領域への本格参入を目的に成長戦略の一環としてM&Aを活用する方針で、専任者を採用し、社内体制をさらに強化することで1件以上のM&A実施を目指す。「売上総利益の改善」については、受注単価及び社員1人当たりの生産性向上を目指す。現場作業における要員の稼働率を可視化・チェックし、各業務での生産性を向上させることで、2021年6月期に達成した27.7%の水準を目指す。「営業利益の改善」については、全社的な販管費の削減目標を定め、投資対効果の低い費用の削減を進める。また、BPR(業務プロセスの見直しや自動化)を進め、販管費削減目標の達成に向けたプロジェクトを推進し、同社代表取締役社長の吉村公孝(よしむらきみたか)氏がプロジェクトの責任者として指揮を執る。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)




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