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ユミルリンク Research Memo(1):2025年12月期増収増益で過去最高更新見込み、高成長継続を期待

*11:01JST ユミルリンク Research Memo(1):2025年12月期増収増益で過去最高更新見込み、高成長継続を期待
■要約

ユミルリンク<4372>は、企業理念に「価値の高い情報サービスの創造と提供を通して社会に貢献し、常に期待される企業を目指す。」を掲げ、企業や官公庁・地方自治体向けにメッセージングプラットフォームを提供するTech企業である。

1. メッセージングソリューション事業を展開
同社は、企業のデジタルマーケティング(メールマーケティング、SMSマーケティング)やデジタルコミュニケーション活動を支援するメッセージングソリューション事業として、メッセージングプラットフォーム「Cuenote(キューノート)」シリーズの製品・サービスをクラウド型で提供している。同社の強みとして、メールの高速・大規模配信を可能にした独自の技術力、データ分析専門チームにおいて月間81億通を超える通信記録を分析できる技術力がある。この技術力を強みとして同社の市場シェアは上昇基調である。また同社の収益構造はSaaS型のストック収益が9割超で高利益率のビジネスモデルである。

2. 2025年12月期中間期は営業費用増加などで減益だが、売上高は過去最高と順調
2025年12月期中間期の連結業績は売上高が1,472百万円、営業利益が283百万円、経常利益が283百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が187百万円だった。2024年12月期第4四半期より連結決算に移行したため、前年同期の単体ベースの実績との比較で売上高は12.6%増収、営業利益は同6.9%減益、経常利益は同6.8%減益、親会社株主に帰属する中間純利益は同10.9%減益となる。利益面は子会社(株)ROCのP/L連結に伴う人件費や営業費用の増加などで減益だったが、売上高は主要サービスが順調に拡大したほか、ROCも寄与して2桁増収で過去最高と順調だった。

3. 2025年12月期通期は増収増益で過去最高更新を見込む
2025年12月期通期の連結業績予想は期初計画を据え置いて、売上高が前期比18.2%増の3,156百万円、営業利益が同9.8%増の700百万円、経常利益が同10.0%増の701百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.3%増の480百万円としている。増収増益で過去最高更新を見込む。売上面はMail系、SMS・Auth系とも順調に拡大し、子会社ROCも寄与する。利益面は戦略的な人的投資やROCの連結影響等により人件費が増加するが、増収効果で吸収する。中間期の進捗率はやや低水準の形だが、契約数の増加によってストック売上が拡大基調であること、期末に向けてストック売上が積み上がるため下期の構成比が高くなるビジネスモデルであること、さらにROCとのシナジー効果が本格化することなどを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能で好業績が期待できると弊社では見ている。

4. 2027年以降にさらなるスケールメリットの創出を目指す
同社は成長に向けた基本方針として「メッセージングチャネルの拡充とプラットフォーム化により持続的な成長を遂げる」を掲げている。消費者の生活様式の変化やITツール・テクノロジーの進化に伴うコミュニケーション手段の多様化に対応し、選択と集中を図りながら同社のメッセージングプラットフォームのカバーエリア拡大を推進する。重点戦略としては人的資本拡充、顧客価値向上に向けたチャネル・サービス・基盤開発、マーケティング強化、業務資本提携を掲げている。顧客価値向上に向けたチャネル・サービス・基盤開発では2025年〜2026年に「Cuenote」プラットフォーム開発、サービス用基盤設備への新技術適用、LGWANサービスの拡充などを計画している。業務資本提携ではシナジーを生み出せるテクノロジー・サービス企業に対するM&A・アライアンスを積極的に推進する。そして2027年以降にさらなるスケールメリットの創出を目指す。株主還元については、成長投資、内部留保の充実、株主還元を総合的に勘案し、配当性向15%を目途に継続実施を目指す。

5. 高利益率のビジネスモデルを評価
同社の収益構造はストック収益が9割超を占め、ストック収益が安定的かつ継続的に積み上がっていく高利益率のビジネスモデルである。この点を弊社では高く評価している。また企業のデジタルマーケティング投資が拡大基調と同社を取り巻く事業環境は良好であり、メールの高速・大規模配信を可能にした独自の技術力という強みにより同社の市場シェア拡大余地は大きく、さらに新サービス開発やM&A・アライアンスの積極活用等によって高成長の継続が期待される。したがって今後も成長に向けた重点施策の進捗状況に注目したい。

■Key Points
・メッセージングプラットフォームを提供するTech企業で高利益率のビジネスモデル
・2025年12月期中間期は営業費用増加などで減益だが、売上高は過去最高と順調
・2025年12月期通期は増収増益で過去最高更新を見込む
・メッセージングプラットフォームのカバーエリアを拡大
・市場シェア拡大余地が大きく、高成長の継続が期待される

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)



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