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ロジザード Research Memo(1):主力のクラウドサービスが業績をけん引し増収増益

*12:01JST ロジザード Research Memo(1):主力のクラウドサービスが業績をけん引し増収増益
■要約

ロジザード<4391>は小売業、流通業、メーカー、3PL企業を主要な顧客とし、在庫管理を支援するシステムの販売とそれに付随するサービスを提供している。同社が提供するシステムは、倉庫の在庫管理を支援する「ロジザードZERO」、店舗の在庫管理を支援する「ロジザードZERO-STORE」、複数店舗・倉庫の在庫を一元管理することによって効率的な在庫管理と物流の実現を支援する「ロジザードOCE」の3つである。中小規模の企業でも導入しやすいよう、クラウド経由で提供している。主力のクラウドサービスの収益モデルはサブスクリプションモデルであるため、収益基盤は安定しており、収益性も高い(2025年6月期のクラウドサービスの売上構成比は79.2%)。

1. 2025年6月期の業績概要
2025年6月期の業績は、売上高が前期比10.1%増の2,177百万円、営業利益が同17.8%増の408百万円、経常利益が同18.3%増の409百万円、当期純利益が同12.1%増の283百万円だった。BtoBに広がるWMS(倉庫管理システム)ニーズ、人出不足を解消する自動化トレンド、並びに店舗のスマート化とオンラインとの融合といった需要に対して各種施策を着実に進めた結果、増収増益を実現した。収益性の高いクラウドサービスにおいて順調に新規アカウントを獲得できたことに加え、開発・導入サービスにおいてもBtoBニーズを持つ案件の増加により、売上高の予算進捗率は98.3%に達した。営業利益以下の各利益はいずれも2ケタの伸長を示し、売上高の増加率を上回った。その結果、営業利益率は同1.2ポイント上昇し18.7%となった。また、中期経営計画の下で人材投資や製品開発投資を積極的に実施しつつ、コストの増加を適切な水準に抑制したことも利益の急伸に大きく寄与した。

2. 2026年6月期の業績見通し
2026年6月期の業績は、売上高で前期比12.1%増の2,439百万円、営業利益で同12.9%減の355百万円、経常利益で同13.0%減の356百万円、当期純利益で同8.6%減の258百万円を見込んでいる。事業環境に関しては、クラウド型WMSに対するニーズのBtoB領域への拡大などを背景に引き続き見通しは良好である。そうしたなか、主力のクラウドサービスが好調に推移するほか、対顧客向け業務時間の増加や業務効率化を目指した業務プロセスの再設計を通じた成長により売上高は増収を見込み、売上高成長率も2025年6月期を上回る見通しだ。利益面に関しては、AIを含む先端テクノロジーの導入、業務プロセスの抜本的改革や人材育成を含む人的資本への積極投資、IR活動への投資により減益の見通しである。利益率の高いクラウドサービスで新規アカウントを積み上げることや、原価や販管費の伸びを適切にコントロールすることで収益性を確保する。中期経営計画で定めた各種施策を着実に遂行することにより、市場の変化に適切に対応し、業績の拡大に結び付けていく。

3. 中期経営計画の概要
コロナ禍を経て事業環境や顧客ニーズが変化してくるなかで同社は、「時流×ハイタッチサービス」を中期経営計画の基本成長戦略として業績の拡大と企業価値の向上に注力する。WMS市場では、自動化・省力化や物流DXに対するニーズが高まっている。そうしたなかで同社は、「BtoBに広がるWMSニーズ」「人手不足を解消する自動化トレンド」「店舗のスマート化とオンラインとの融合」といった時流をビジネスチャンスと捉える。時流を適切に捉えた製品開発の推進とハイタッチサービスを継続的に提供できる体制の確立・拡充によって、変化する顧客ニーズを確実に取り込み、業績の拡大に結び付けていく戦略だ。特に足元ではBtoB領域で事業活動を行う企業からの引き合いが活況である。また、既存のBtoC市場では新規参入などによって競合度合いが高まっている。こうしたなか、同社はBtoC市場でのシェアを確保しながら、BtoB領域へと積極的に事業を拡大させる方針だ。さらに次期中計を視野に入れた新規サービスのローンチを今中計期間中に実施し、売上成長スピードの加速を図る構えである。また、顧客への価値提供能力にさらに磨きをかけるため、人員の拡充と社内人事制度のさらなる整備も推進する。これらの各種施策を着実に実行することにより、最終年度となる2028年6月期には、主力のクラウドサービスの売上高で2,397百万円(2025年6月期比39.1%増)、営業利益で539百万円(同31.8%増)を目指す。また、人員に関しては2028年6月期までに177名まで増員する計画だ。

■Key Points
・2025年6月期は増収増益、主力のクラウドサービスが業績をけん引
・MRRの着実な積み上げにより収益性のさらなる向上が期待される
・2026年6月期も増収減益を見込む。外部環境の見通しは良好
・中期経営計画では物流DXのニーズの高まり、人手不足に起因する省力化・自動化へのニーズに対応しながらBtoB市場への進出に注力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)




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