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ロジザード Research Memo(9):製品開発及び人材への積極的投資を通じ、企業価値向上を加速させる(2)

*12:09JST ロジザード Research Memo(9):製品開発及び人材への積極的投資を通じ、企業価値向上を加速させる(2)
■中長期の成長戦略

3. ロジザード<4391>の成長戦略
(1) BtoB企業への取り組み強化
BtoB企業への取り組みを強化し、変化する事業環境下で拡大する課題の解決に資する。人口減少に伴う労働力不足と需給ひっ迫による賃金上昇により、企業には省人化・自動化が求められる。同時に生産性向上のためのDXが不可欠であるが、老朽化したレガシーシステムが推進の阻害要因となっている。一方、経済産業省が公表する2025年4~6月の「卸売業、小売業、無店舗小売業(通販)販売額の推移」に着目すると、小売業の販売額は昨年より微減である一方、企業間取引である卸売業の販売額は拡大し、無店舗小売業の伸長は購買チャネルの多様化とテクノロジーの進展を反映して着実に伸びている。こうした環境認識の下、同社はこれまでの知見を活用し、物流2024年問題やレガシーシステム課題に直面するBtoB及びBtoC企業に対するサービス展開を加速させる。そのなかでも、これまでより規模の大きいBtoB企業を注力領域として掲げており、大規模なBtoB企業には、出荷量が多いことやOMO、Robot、RFIDなどのニーズが高いといった特徴が挙げられる。

(2) 共創型モデルによるアプリケーションプラットフォームの提供
共創型モデルによるアプリケーションプラットフォームとは、生成AIにより誰もが容易にアプリを構築できる時代に対応し、ロジザードZEROを中核に社内外のベンダーが同社のデータベースを活用したアプリをプラットフォーム経由で提供可能とする構想である。対象範囲、社会的意味、社会的影響という3つの領域で新規サービスを開発し、サプライチェーンにおいてなくてはならない存在を目指す。

(3) ハイタッチサービスを推進するための人材投資
ハイタッチサービスを推進するための人材投資として、2028年6月期に177名(2025年6月期比45名増)までの拡充を計画し、採用に継続投資する。業務効率を高めるために組織・体制を整備し、AIを業務に活用して各人の作業効率を引き上げる。事業運営力向上をねらった組織改革として、全社の工数を高頻度で分析しデータに基づく業務改善を推進する業務プロセス改革室を新設し、業務DXによる効率化を進める。また、契約事務を集中処理してフロント業務の負荷を軽減し、処理精度向上と業務フローの確立を担う契約事務課を新設する。これらの施策により個人及び組織の業務効率を引き上げ、営業現場がより案件獲得に集中できる環境を整える。

4. 弊社の見方
同社の成長戦略は、クラウド型WMSを中核としたサブスクリプションモデルにより、安定した収益基盤を築いている点に特色がある。新中期経営計画では、2028年6月期に売上高3,113百万円(2025年6月期比43.0%増)、営業利益539百万円(同31.8%増)、MRR209百万円(同40.5%増)を目標として掲げており、売上高・営業利益・MRRのいずれも着実な成長軌道を描いていることが確認できる。特にMRRはサブスク事業の将来性を示す重要指標であり、長期的に積み上がる予測可能な収益は景気変動に左右されにくい体質を構築する要素となっている。

同社の強みは、単なるシステム提供にとどまらず、ハイタッチサービスによる伴走支援を通じて高い継続率を実現している点にある。既存顧客からのアップセルや追加機能の提供により収益性を高めつつ、BtoB領域での新規導入によってMRRの拡大を継続している。労働力不足が加速させる物流DXの需要は構造的な追い風であり、同社のクラウド型WMSがその受け皿となる構図は今後も継続すると弊社では見ている。

一方で、2026年6月期は採用や教育といった人材投資を強化することから短期的な営業利益は減少する見通しである。しかし、これはサービス品質の向上と顧客満足度の向上につながり、結果として解約率を低下させる効果を持つと弊社では考える。中長期的にはAIやデータ活用を組み込んだ新サービス開発や共創型プラットフォームの展開を進め、サブスク基盤の上に新たな収益源を積み上げていくことが期待される。

総じて、同社は短期的な収益変動を許容しつつも、サブスクモデルによる安定収益とBtoB市場拡大の成長機会を背景に、持続的成長に対する蓋然性は高いものと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)




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