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ブリッジ Research Memo(8):2025年12月期も増収増益基調。売上面強化で好調シナリオ達成を目指す
2025/09/29 13:08
*13:08JST ブリッジ Research Memo(8):2025年12月期も増収増益基調。売上面強化で好調シナリオ達成を目指す
■今後の見通し
1. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期は、業績予想をレンジ方式にて開示しており、中間期時点ではその予想を据え置いている。トータルサポートに対するPMIや、研修事業における新規顧客獲得を基軸に、好調シナリオと不調シナリオを設定した。前期比で、好調シナリオでは売上高20.0%増の10,338百万円、営業利益は15.2%増の1,094百万円となり、不調シナリオの場合は売上高10.0%増の9,477百万円、営業利益5.5%増の1,002百万円となる。その他、経常利益1,002~1,094百万円(前期比0.4~9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益631~688百万円(同4.5%減~4.1%増)となる。中間期時点におけるブリッジインターナショナル<7039>の評価としては、売上面は主力のインサイドセールスアウトソーシング事業及び研修事業は想定どおり、プロセス・テクノロジー事業はやや想定外といった状況にあり、利益面は順調で、通期でも善戦すると読んでいる。売上高はレンジをやや広めに設定したことから、好調シナリオ達成に向け、下期においてさらに売上面の強化に注力すると考えられる。特にプロセス・テクノロジー事業については、PMI徹底によるトータルサポートとの最適な融合からシナジーまで、状況を注視したい。
セグメント別では、インサイドセールスアウトソーシング事業は売上高4,752~5,178百万円(前期比5.0~14.4%増)、セグメント利益559~609百万円(同17.0~9.6%減)と増収ながら減益を見込む。中間期時点の進捗率は、売上高については45.0~49.1%、セグメント利益は50.6~55.1%である。減益予想は、持株会社化に向けた一時費用や管理部門強化等の成長投資が要因となる模様だ。売上面では、2024年12月期に成果のあった新規案件獲得に向けた活動に加えて、既存取引先との取引拡大に向け、個社別に顧客に寄り添ったサービス展開を図る。具体的には同社提供サービスに関し、既存顧客ごとに期待値と現状のギャップをヒアリングしながら、サービス品質の改善策を提案していく。また、例年通り、2025年10月には同社主催の「BRIDGE FORUM」を開催する予定で、顧客同士が同社サービスに関する情報を共有することで、獲得情報のさらなる改善への活用と同時に、顧客のフォローアップから取引拡大につながる可能性もあるだろう。
プロセス・テクノロジー事業は売上高2,306~2,513百万円(前期比28.3~39.8%増)、セグメント利益123~134百万円(前期は19百万円の損失)を見込む。中間期時点の進捗率は、売上高は36.3~39.5%、セグメント利益は23.5~25.6%である。売上面については、ネットワーク部門ではトータルサポートの売上拡大が課題となる。下期に向けてもSawwaveの販売活動を推進し、早期に販売実績を挙げ、導入事例を積み重ねることがカギとなるであろう。コンサルティング&システムソリューション部門は、既存事業領域であるCRMやSFAの開発案件の推進と、成長領域である売上成長モデル改革支援やSEA(セールスエンゲージメントアプリケーション)ビジネス、オペレーション支援分野といったテクノロジー関連ビジネスを推進することで売上高拡大を図り、通期での黒字達成につなげる。利益面ではコンサルティング&システムソリューション部門が好調であり、下期も上期の施策を継続する。ネットワーク部門ではトータルサポートでのPMIの進捗による経営効率化が損失の縮小につながると期待される。
研修事業は売上高2,432~2,651百万円(前期比6.2~15.8%増)、セグメント利益322~351百万円(同9.5~19.4%増)を見込む。中間期における進捗率は、売上高は51.2~55.8%、セグメント利益は60.0~65.4%といずれも好調である。売上面では、上期に好調だった新人研修を踏まえ、新入社員向けの技術研修や営業担当者向けの研修など、実務面に役立つ研修メニューの販売や、2年目社員に対するフォローアップ研修、及び階層別研修等を提案することで、一過性でない研修サービス利用につなげていく。
2. 持株会社体制への移行
2025年2月、持株会社体制への移行を発表した。当初計画では、2025年7月1日からの移行を予定していたが、事務手続等に想定以上の期間を要していることから同年10月1日の移行に変更した。
(1) 持株会社体制への移行理由
1) グループ経営資源の最適配分
持株会社がグループ全体の経営資源を適切に管理・配分することで、グループ全体の持続的な成長を目指す。
2) ガバナンス強化及び経営の意思決定迅速化
持株会社にコーポレート機能(新規事業開発や多角化、M&A、組織再編等を企画・実施する機能)を集約することで、グループ戦略の策定や傘下事業会社の支援、戦略投資を実施する。これにより、事業会社の事業への専念と、迅速な意思決定が可能となる体制を構築する。
3) 次世代経営人材の育成
経営の現場での実践経験を通じ、多様な経験とリーダーシップを培う環境を整備する。ビジネスモデルや規模の異なる経営経験を積むことで、グループ全体の経営力を向上させ、次世代の経営人材の育成を図る。
事業の拡大が順調に進むなか、持株会社体制への移行により、グループ全体の運営を迅速対応し、リソースの最適化を進めることで、中期経営計画で定めたグループ成長方針「B2B企業の売上成長に向けた改革を支援するEnd to Endのサービス提供」を確実に進める。
(2) 持株会社体制の内容
2025年10月1日より社名を「ブリッジインターナショナルグループ(株)」に変更し、純粋持株会社として新たなスタートを切る。事業会社は以下のとおりとなる。インサイドセールスアウトソーシング事業は、新設分割により設立される「ブリッジインターナショナル(株)」が引き継ぐ。プロセス・テクノロジー事業については、2025年3月に子会社であるClieXitoを「ブリッジプロセステクノロジー(株)」に商号変更し、従来の担当事業を移管する※。研修事業はアイ・ラーニングが引き続き担当する。持株会社体制に移行することで、顧客企業の成長に向けた価値提供の高度化を進めるとともに、業績を拡大する考えである。なおトータルサポート、アイ・ラーニング、BRIDGE International Asiaは持株会社の子会社となる。
※ 会社組織上はブリッジプロセステクノロジーが吸収分割承継会社として、ClieXitoが有するプロセス・テクノロジー事業の権利義務を承継する。
(3) 連結業績への影響
持株会社体制への移行に伴い、2025年12月期において法務・会計支援等の業務委託費や人件費等の一時費用(総額で概算85百万円)が発生すると見込んでいる。中間期時点では費用の全体像及び利益への影響度に不確定要素は残るものの、利益率については2025年12月期は前期並みを維持し、2026年12月期下期以降は体制整備の完了によって段階的に改善すると予想している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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■今後の見通し
1. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期は、業績予想をレンジ方式にて開示しており、中間期時点ではその予想を据え置いている。トータルサポートに対するPMIや、研修事業における新規顧客獲得を基軸に、好調シナリオと不調シナリオを設定した。前期比で、好調シナリオでは売上高20.0%増の10,338百万円、営業利益は15.2%増の1,094百万円となり、不調シナリオの場合は売上高10.0%増の9,477百万円、営業利益5.5%増の1,002百万円となる。その他、経常利益1,002~1,094百万円(前期比0.4~9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益631~688百万円(同4.5%減~4.1%増)となる。中間期時点におけるブリッジインターナショナル<7039>の評価としては、売上面は主力のインサイドセールスアウトソーシング事業及び研修事業は想定どおり、プロセス・テクノロジー事業はやや想定外といった状況にあり、利益面は順調で、通期でも善戦すると読んでいる。売上高はレンジをやや広めに設定したことから、好調シナリオ達成に向け、下期においてさらに売上面の強化に注力すると考えられる。特にプロセス・テクノロジー事業については、PMI徹底によるトータルサポートとの最適な融合からシナジーまで、状況を注視したい。
セグメント別では、インサイドセールスアウトソーシング事業は売上高4,752~5,178百万円(前期比5.0~14.4%増)、セグメント利益559~609百万円(同17.0~9.6%減)と増収ながら減益を見込む。中間期時点の進捗率は、売上高については45.0~49.1%、セグメント利益は50.6~55.1%である。減益予想は、持株会社化に向けた一時費用や管理部門強化等の成長投資が要因となる模様だ。売上面では、2024年12月期に成果のあった新規案件獲得に向けた活動に加えて、既存取引先との取引拡大に向け、個社別に顧客に寄り添ったサービス展開を図る。具体的には同社提供サービスに関し、既存顧客ごとに期待値と現状のギャップをヒアリングしながら、サービス品質の改善策を提案していく。また、例年通り、2025年10月には同社主催の「BRIDGE FORUM」を開催する予定で、顧客同士が同社サービスに関する情報を共有することで、獲得情報のさらなる改善への活用と同時に、顧客のフォローアップから取引拡大につながる可能性もあるだろう。
プロセス・テクノロジー事業は売上高2,306~2,513百万円(前期比28.3~39.8%増)、セグメント利益123~134百万円(前期は19百万円の損失)を見込む。中間期時点の進捗率は、売上高は36.3~39.5%、セグメント利益は23.5~25.6%である。売上面については、ネットワーク部門ではトータルサポートの売上拡大が課題となる。下期に向けてもSawwaveの販売活動を推進し、早期に販売実績を挙げ、導入事例を積み重ねることがカギとなるであろう。コンサルティング&システムソリューション部門は、既存事業領域であるCRMやSFAの開発案件の推進と、成長領域である売上成長モデル改革支援やSEA(セールスエンゲージメントアプリケーション)ビジネス、オペレーション支援分野といったテクノロジー関連ビジネスを推進することで売上高拡大を図り、通期での黒字達成につなげる。利益面ではコンサルティング&システムソリューション部門が好調であり、下期も上期の施策を継続する。ネットワーク部門ではトータルサポートでのPMIの進捗による経営効率化が損失の縮小につながると期待される。
研修事業は売上高2,432~2,651百万円(前期比6.2~15.8%増)、セグメント利益322~351百万円(同9.5~19.4%増)を見込む。中間期における進捗率は、売上高は51.2~55.8%、セグメント利益は60.0~65.4%といずれも好調である。売上面では、上期に好調だった新人研修を踏まえ、新入社員向けの技術研修や営業担当者向けの研修など、実務面に役立つ研修メニューの販売や、2年目社員に対するフォローアップ研修、及び階層別研修等を提案することで、一過性でない研修サービス利用につなげていく。
2. 持株会社体制への移行
2025年2月、持株会社体制への移行を発表した。当初計画では、2025年7月1日からの移行を予定していたが、事務手続等に想定以上の期間を要していることから同年10月1日の移行に変更した。
(1) 持株会社体制への移行理由
1) グループ経営資源の最適配分
持株会社がグループ全体の経営資源を適切に管理・配分することで、グループ全体の持続的な成長を目指す。
2) ガバナンス強化及び経営の意思決定迅速化
持株会社にコーポレート機能(新規事業開発や多角化、M&A、組織再編等を企画・実施する機能)を集約することで、グループ戦略の策定や傘下事業会社の支援、戦略投資を実施する。これにより、事業会社の事業への専念と、迅速な意思決定が可能となる体制を構築する。
3) 次世代経営人材の育成
経営の現場での実践経験を通じ、多様な経験とリーダーシップを培う環境を整備する。ビジネスモデルや規模の異なる経営経験を積むことで、グループ全体の経営力を向上させ、次世代の経営人材の育成を図る。
事業の拡大が順調に進むなか、持株会社体制への移行により、グループ全体の運営を迅速対応し、リソースの最適化を進めることで、中期経営計画で定めたグループ成長方針「B2B企業の売上成長に向けた改革を支援するEnd to Endのサービス提供」を確実に進める。
(2) 持株会社体制の内容
2025年10月1日より社名を「ブリッジインターナショナルグループ(株)」に変更し、純粋持株会社として新たなスタートを切る。事業会社は以下のとおりとなる。インサイドセールスアウトソーシング事業は、新設分割により設立される「ブリッジインターナショナル(株)」が引き継ぐ。プロセス・テクノロジー事業については、2025年3月に子会社であるClieXitoを「ブリッジプロセステクノロジー(株)」に商号変更し、従来の担当事業を移管する※。研修事業はアイ・ラーニングが引き続き担当する。持株会社体制に移行することで、顧客企業の成長に向けた価値提供の高度化を進めるとともに、業績を拡大する考えである。なおトータルサポート、アイ・ラーニング、BRIDGE International Asiaは持株会社の子会社となる。
※ 会社組織上はブリッジプロセステクノロジーが吸収分割承継会社として、ClieXitoが有するプロセス・テクノロジー事業の権利義務を承継する。
(3) 連結業績への影響
持株会社体制への移行に伴い、2025年12月期において法務・会計支援等の業務委託費や人件費等の一時費用(総額で概算85百万円)が発生すると見込んでいる。中間期時点では費用の全体像及び利益への影響度に不確定要素は残るものの、利益率については2025年12月期は前期並みを維持し、2026年12月期下期以降は体制整備の完了によって段階的に改善すると予想している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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