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中央魚類:水産物卸売と物流機能を核に安定成長を目指す
2025/09/29 13:25
*13:25JST 中央魚類:水産物卸売と物流機能を核に安定成長を目指す
中央魚類<8030>は、豊洲市場を拠点に水産物卸売事業を中核とし、冷蔵倉庫、荷役、不動産賃貸事業を展開する総合水産物流企業である。水産物卸売事業では、量販店や外食産業向けに鮮魚・冷凍魚介類を供給し、グループ子会社の水産流通や中央フーズを通じて川上から川下までの機能を備えている。グループ子会社のホウスイが担う冷蔵倉庫事業は首都圏を中心に大規模な保管能力を持ち、物流網の効率的運営を支える。さらに荷役事業は豊洲市場内での水産物取扱に対応し、サプライチェーン全体で高い機能性を発揮している。2024年度の連結売上高は149,902百万円(前期比9.0%増)、営業利益3,229百万円(同31.0%増)と増収増益を達成し、堅調な成長基盤を示した。
同社の強みは、第一に首都圏を中心に築き上げた広範な物流インフラであり、卸売から保管・配送まで一貫したサービスを提供できる点にある。第二に、冷蔵倉庫約218,000トンの保管能力を有し、安定供給を担保できる体制を持つ。第三に、75年以上の事業実績に裏打ちされた取引基盤と信頼性が挙げられ、主要顧客との長期的関係を維持している。さらに健全な財務基盤と効率経営を進める体制は、中長期的な事業運営を支える強固な基盤となっている。
直近の2026年3月期第1四半期決算は、売上高38,572百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益963百万円(同14.2%減)、経常利益1,212百万円(同8.1%減)となった。水産物卸売事業は売上高36,384百万円(同6.1%増)と堅調であったが、仕入コスト上昇や基幹システム導入費用が影響し、セグメント利益は476百万円(同32.7%減)となった。冷蔵倉庫事業は売上高1,885百万円(同3.7%減)と数量減少が響いたが、効率化により利益は321百万円(同17.5%増)と改善。不動産賃貸事業も増収増益を確保し、荷役事業も利益率が改善した。通期予想は売上高150,000百万円(前期比0.1%増)、営業利益3,300百万円(同2.2%増)と保守的な水準だが、インバウンド需要や物流効率化の進展により達成可能性は高いとみられる。
今後の成長に向けては、商品開発や自社ブランド強化、海外展開の加速を掲げている。特にアジア市場への輸出拡大や外食企業との協業を通じ、日本の水産物の付加価値向上を図る。また、気候変動や資源減少といった構造課題への対応として、国の資源管理施策に協力しながら高付加価値商品の提供に注力する方針だ。加えて、デジタル化や自動化による業務効率化、人材育成を通じた人的資本経営も進めており、長期的な競争力確保につなげている。
株主還元については、安定配当を重視し、前期に続き年間120円の配当を予定している。配当性向20%以上を目標としつつ、利益は従業員・投資・株主還元の3分野を重視した資本配分方針を掲げている。PBRは0.46倍、配当利回り3.26%と割安感があり、投資妙味も大きい。総じて、同社は水産物卸売から物流・保管まで一貫した機能と強固な財務基盤を背景に安定した成長を続けており、今後の業績拡大と株主還元強化に引き続き注目していきたい。
<HM>
中央魚類<8030>は、豊洲市場を拠点に水産物卸売事業を中核とし、冷蔵倉庫、荷役、不動産賃貸事業を展開する総合水産物流企業である。水産物卸売事業では、量販店や外食産業向けに鮮魚・冷凍魚介類を供給し、グループ子会社の水産流通や中央フーズを通じて川上から川下までの機能を備えている。グループ子会社のホウスイが担う冷蔵倉庫事業は首都圏を中心に大規模な保管能力を持ち、物流網の効率的運営を支える。さらに荷役事業は豊洲市場内での水産物取扱に対応し、サプライチェーン全体で高い機能性を発揮している。2024年度の連結売上高は149,902百万円(前期比9.0%増)、営業利益3,229百万円(同31.0%増)と増収増益を達成し、堅調な成長基盤を示した。
同社の強みは、第一に首都圏を中心に築き上げた広範な物流インフラであり、卸売から保管・配送まで一貫したサービスを提供できる点にある。第二に、冷蔵倉庫約218,000トンの保管能力を有し、安定供給を担保できる体制を持つ。第三に、75年以上の事業実績に裏打ちされた取引基盤と信頼性が挙げられ、主要顧客との長期的関係を維持している。さらに健全な財務基盤と効率経営を進める体制は、中長期的な事業運営を支える強固な基盤となっている。
直近の2026年3月期第1四半期決算は、売上高38,572百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益963百万円(同14.2%減)、経常利益1,212百万円(同8.1%減)となった。水産物卸売事業は売上高36,384百万円(同6.1%増)と堅調であったが、仕入コスト上昇や基幹システム導入費用が影響し、セグメント利益は476百万円(同32.7%減)となった。冷蔵倉庫事業は売上高1,885百万円(同3.7%減)と数量減少が響いたが、効率化により利益は321百万円(同17.5%増)と改善。不動産賃貸事業も増収増益を確保し、荷役事業も利益率が改善した。通期予想は売上高150,000百万円(前期比0.1%増)、営業利益3,300百万円(同2.2%増)と保守的な水準だが、インバウンド需要や物流効率化の進展により達成可能性は高いとみられる。
今後の成長に向けては、商品開発や自社ブランド強化、海外展開の加速を掲げている。特にアジア市場への輸出拡大や外食企業との協業を通じ、日本の水産物の付加価値向上を図る。また、気候変動や資源減少といった構造課題への対応として、国の資源管理施策に協力しながら高付加価値商品の提供に注力する方針だ。加えて、デジタル化や自動化による業務効率化、人材育成を通じた人的資本経営も進めており、長期的な競争力確保につなげている。
株主還元については、安定配当を重視し、前期に続き年間120円の配当を予定している。配当性向20%以上を目標としつつ、利益は従業員・投資・株主還元の3分野を重視した資本配分方針を掲げている。PBRは0.46倍、配当利回り3.26%と割安感があり、投資妙味も大きい。総じて、同社は水産物卸売から物流・保管まで一貫した機能と強固な財務基盤を背景に安定した成長を続けており、今後の業績拡大と株主還元強化に引き続き注目していきたい。
<HM>




