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ビューテHD Research Memo(7):持株会社体制の下、経営資源の選択と集中を進め、グループ収益力を強化
2025/09/29 15:17
*15:17JST ビューテHD Research Memo(7):持株会社体制の下、経営資源の選択と集中を進め、グループ収益力を強化
■中長期戦略
1. 中期経営計画の重点施策と進捗
ビューティカダンホールディングス<3041>の3ヶ年の中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)がスタートして1年が経過した。「新体制(ホールディングス)によるグループ収益力強化とサステナビリティ経営の推進により、企業価値向上・株価上昇へつなげる」ことを基本方針とし、1) 経営基盤の強化、2) 各事業の売上拡大(グループ収益力の強化)、3) サステナビリティ経営の推進と企業価値向上を重点施策に掲げている。主な取り組みや進捗については以下のとおりである。
1) 経営基盤の強化
新体制機能の強化・M&Aによるグループ成長加速、人的資本の価値向上に向けた取り組み強化(ダイバーシティ推進、人材育成強化)、DX推進による業務効率化に取り組んでいる。初年度については、既述のとおり、さかいや生花店及び南産業を子会社化する一方、SHFの株式を譲渡し、経営資源の選択と集中を進めた。また、採用部門の強化に取り組むとともに、DX推進による業務効率化に向けても本格的に検討を開始した。
2) 各事業の売上拡大(グループ収益力の強化)
引き続き、「生花祭壇事業」と「生花卸売事業」を収益ドライバーとして、両事業の連携を図りながらグループ収益力の強化につなげていく方針である。初年度については、「生花祭壇事業」において、福島・仙台など既存エリアでの商圏拡大に取り組んだほか、2025年8月には神戸に新拠点を開設した。農業分野では、熊本県八代市にて自社農場でのキク類生産をスタートし、Cultivera社との提携を通じて「モイスカルチャー農法」の導入も開始した。
3) サステナビリティ経営の推進と企業価値向上
持続可能な社会の実現に向けて、環境配慮型商品(サービス)、脱炭素化等SDGsの取り組みを推進するとともに、同社自身の持続的な企業価値向上のために、資本効率(ROE)の向上及び株主還元の充実、積極的な成長投資、IR活動の強化等に取り組んでいる。初年度については、業績面では収益が大きく下振れたものの、京都大学との共同研究による循環型資源利用やCultivera社との提携による「モイスカルチャー農法」の導入など、サステナビリティ経営の推進においては大きな成果をあげることができた。
2. 数値目標の設定
最終年度である2027年6月期の目標として、売上高8,600百万円(3期の平均成長率7.2%)、営業利益200百万円(営業利益率2.3%)、ROE 18.5%を掲げており、当初計画からの見直しはない。利益率の高い「生花祭壇事業」を伸ばすとともに、「生花卸売事業」の収益性強化により、売上成長と利益率改善を実現するシナリオである。
3. 中長期の注目点
中長期の視点からは、業界再編の動きに注目したい。葬儀の縮小化や後継者問題、人材不足、DX化など業界を取り巻く環境変化が進むなかで、国内外で独自の流通システムを構築し、全国に拠点を展開している同社にとっては主導的な立場で業界再編を手掛ける機会として捉えることができる。足元の業績は、様々な外部要因が重なり厳しい収益環境の下にあるが、これらは業界においても共通の課題であり、同社にとっては、いかに先んじて乗り越えていけるかが、これからのシェア拡大に向けた分水嶺になるだろう。したがって、早期に儲かる仕組みを軌道に乗せ、盤石な財務基盤を築くことがM&Aを進めるうえでも重要なテーマであることは明らかであり、そういう視点から今後の動向を注視する必要がある。
■株主還元策
配当性向50%を目安に配当。2026年6月期の期末配当は、前期と同額の1株当たり5.25円配を予定
同社では、配当性向50%を目安として業績に連動した利益還元を目指しつつ、安定的な配当の維持に努めることを基本方針としている。
2025年6月期の1株当たりの配当金については、前期比1.25円増配となる5.25円配を実施した。2026年6月期も前期と同額の1株当たり5.25円配を予定している。弊社では、今後も中期経営計画の実現を通じて、利益成長に伴う増配余地は十分にあると見ている。
また、個人株主づくりを目的として株主優待制度も導入している。具体的には、6月末時点において200株以上保有する株主には、熊本県産の新米5kgを産地直送で届けるほか、2,000株以上保有の株主には、グループ会社「THE MOMENT」が運営するレストランのディナー招待券2万円相当を贈呈する内容となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<KM>
■中長期戦略
1. 中期経営計画の重点施策と進捗
ビューティカダンホールディングス<3041>の3ヶ年の中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)がスタートして1年が経過した。「新体制(ホールディングス)によるグループ収益力強化とサステナビリティ経営の推進により、企業価値向上・株価上昇へつなげる」ことを基本方針とし、1) 経営基盤の強化、2) 各事業の売上拡大(グループ収益力の強化)、3) サステナビリティ経営の推進と企業価値向上を重点施策に掲げている。主な取り組みや進捗については以下のとおりである。
1) 経営基盤の強化
新体制機能の強化・M&Aによるグループ成長加速、人的資本の価値向上に向けた取り組み強化(ダイバーシティ推進、人材育成強化)、DX推進による業務効率化に取り組んでいる。初年度については、既述のとおり、さかいや生花店及び南産業を子会社化する一方、SHFの株式を譲渡し、経営資源の選択と集中を進めた。また、採用部門の強化に取り組むとともに、DX推進による業務効率化に向けても本格的に検討を開始した。
2) 各事業の売上拡大(グループ収益力の強化)
引き続き、「生花祭壇事業」と「生花卸売事業」を収益ドライバーとして、両事業の連携を図りながらグループ収益力の強化につなげていく方針である。初年度については、「生花祭壇事業」において、福島・仙台など既存エリアでの商圏拡大に取り組んだほか、2025年8月には神戸に新拠点を開設した。農業分野では、熊本県八代市にて自社農場でのキク類生産をスタートし、Cultivera社との提携を通じて「モイスカルチャー農法」の導入も開始した。
3) サステナビリティ経営の推進と企業価値向上
持続可能な社会の実現に向けて、環境配慮型商品(サービス)、脱炭素化等SDGsの取り組みを推進するとともに、同社自身の持続的な企業価値向上のために、資本効率(ROE)の向上及び株主還元の充実、積極的な成長投資、IR活動の強化等に取り組んでいる。初年度については、業績面では収益が大きく下振れたものの、京都大学との共同研究による循環型資源利用やCultivera社との提携による「モイスカルチャー農法」の導入など、サステナビリティ経営の推進においては大きな成果をあげることができた。
2. 数値目標の設定
最終年度である2027年6月期の目標として、売上高8,600百万円(3期の平均成長率7.2%)、営業利益200百万円(営業利益率2.3%)、ROE 18.5%を掲げており、当初計画からの見直しはない。利益率の高い「生花祭壇事業」を伸ばすとともに、「生花卸売事業」の収益性強化により、売上成長と利益率改善を実現するシナリオである。
3. 中長期の注目点
中長期の視点からは、業界再編の動きに注目したい。葬儀の縮小化や後継者問題、人材不足、DX化など業界を取り巻く環境変化が進むなかで、国内外で独自の流通システムを構築し、全国に拠点を展開している同社にとっては主導的な立場で業界再編を手掛ける機会として捉えることができる。足元の業績は、様々な外部要因が重なり厳しい収益環境の下にあるが、これらは業界においても共通の課題であり、同社にとっては、いかに先んじて乗り越えていけるかが、これからのシェア拡大に向けた分水嶺になるだろう。したがって、早期に儲かる仕組みを軌道に乗せ、盤石な財務基盤を築くことがM&Aを進めるうえでも重要なテーマであることは明らかであり、そういう視点から今後の動向を注視する必要がある。
■株主還元策
配当性向50%を目安に配当。2026年6月期の期末配当は、前期と同額の1株当たり5.25円配を予定
同社では、配当性向50%を目安として業績に連動した利益還元を目指しつつ、安定的な配当の維持に努めることを基本方針としている。
2025年6月期の1株当たりの配当金については、前期比1.25円増配となる5.25円配を実施した。2026年6月期も前期と同額の1株当たり5.25円配を予定している。弊社では、今後も中期経営計画の実現を通じて、利益成長に伴う増配余地は十分にあると見ている。
また、個人株主づくりを目的として株主優待制度も導入している。具体的には、6月末時点において200株以上保有する株主には、熊本県産の新米5kgを産地直送で届けるほか、2,000株以上保有の株主には、グループ会社「THE MOMENT」が運営するレストランのディナー招待券2万円相当を贈呈する内容となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<KM>




