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アクシス Research Memo(3):金融機関向けを主軸とするシステムサービス事業が売上の9割超を占める(1)

*11:03JST アクシス Research Memo(3):金融機関向けを主軸とするシステムサービス事業が売上の9割超を占める(1)
■アクシス<4012>の事業概要

1. 事業ポートフォリオ概況
同社の事業は、「システムサービス事業」と「ITサービス事業」の2つのセグメントで構成される。2025年12月期中間期の売上高構成比は、システムサービス事業が94.7%、ITサービス事業が5.3%であり、売上高のほとんどをシステムサービス事業が占めている。

安定的な収益基盤であるシステムサービス事業で得たキャッシュを、今後の成長ドライバーと位置付けるITサービス事業へ投資することで、持続的な企業価値の向上を目指すビジネスモデルとなっている。

2. システムサービス事業
システムサービス事業は、同社の中核事業である。創業以来、金融機関や公共機関、情報通信事業者などを主要顧客とし、ITコンサルティングから業務アプリケーションの開発、クラウド基盤構築、ネットワーク関連サービス、そして運用・保守に至るまで、顧客のITシステムに関するあらゆるニーズにワンストップで応えるシステムインテグレーションサービスを提供している。2025年12月期からは、従来の「システムインテグレーション事業」という名称を「システムサービス事業」へ変更し、サービス内容の拡充と組織体制の再構築を図っている。

同事業の最大の特徴は、金融分野における高い専門性と強固な顧客基盤にある。2024年12月期の当事業における業種別売上構成比は、金融が52.5%と過半を占め、これに公共(20.3%)、情報通信(15.5%)が続き、これら主力3業種で全体の約9割を構成している。金融分野への深い知見と実績が、大手金融グループや大手SIerとの長期的な信頼関係構築につながっており、2024年12月期においては、当事業の売上高の85.2%が5年以上の継続取引先によって占められている。顧客の業務特性を深く理解し、的確なシステム提案と安定した開発・運用を実現する対応力が、高い顧客維持率の源泉となっている。

事業モデルは、顧客との直接取引に加え、富士通<6702>やNTTデータ(株)といった大手SIerのプライムパートナーとして、大規模プロジェクトの中核を担う形態も多い。事業プロセスは、顧客への営業活動から始まり、要件定義・コンサルティング、設計・開発、テスト、そしてリリース後の運用・保守まで一貫した体制を構築している。近年は、より付加価値の高い上流工程へのシフトを戦略的に推進しており、システム開発にとどまらず、顧客の経営課題解決に貢献するITコンサルティング領域の強化を図っている。

同事業の競争優位性は、徹底した収支管理による安定経営が挙げられる。同社はバブル崩壊直後の1991年に創業した経緯から、プロジェクトの採算性に対する意識が極めて高い。個々のプロジェクトにおいて、稼働人員単位での緻密な採算性管理を徹底する「失敗しないプロジェクトマネジメント」によるリスク管理を確立しており、その結果、過去に赤字プロジェクトを発生させることなく、創業以来34期連続での黒字経営を継続している。この卓越したプロジェクト管理能力は、顧客からの信頼獲得はもとより、安定した収益基盤の構築に大きく貢献している。

次に、「金融分野の高い専門性と強固な顧客基盤」である。特に銀行、証券、クレジットといった領域では、長年の経験で培った業務ノウハウが蓄積されており、これが競合他社に対する大きな差別化要因となっている。

具体的には、金融商品取引管理や外貨資金取引などの市場系システム、融資ローンや預金為替などの勘定系システム、債権管理、リスク管理といった幅広い分野の開発に対応している。特に市場系システムにおいては、数多くの案件を通じて顧客と長期的な協力関係を築いてきた。これにより、顧客目線で最適なシステムを提案できる、市場でも希少な人材を育成することに成功している。専門知識と人材力によって、市場系システムのコンサルティングや情報分析から、システム企画・設計、開発、運用・保守に至るまで、トータルサポートを提供できることが強みとなっている。

複雑でミッションクリティカルな要件が求められる金融システムにおいて、業務を深く理解したエンジニアが最適なソリューションを提供できる点は、大手金融機関や大手SIerから高く評価されている。この強固な顧客基盤は、安定的な収益をもたらすだけでなく、FinTechなどの新たな技術領域における協業機会の創出にもつながっている。

システムインテグレーション事業において重要な事業KPIは受注残高である。案件の受注時期によって増減はあるものの右肩上がりのトレンドを続けており好調な成長を顕著な成長を示唆している。また、近年は案件の大型化が進みプロジェクト平均受注額が増加傾向にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)



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