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リログループ Research Memo(6):事業承継によるM&A案件が増加傾向
2025/10/10 11:06
*11:06JST リログループ Research Memo(6):事業承継によるM&A案件が増加傾向
■リログループ<8876>の事業内容
2. 賃貸管理事業
賃貸管理事業は、国内主要都市を中心に展開、各地域において賃貸物件オーナーが行う賃貸物件の管理業務の代行を行っている。これは、毎月入居者やテナントが支払う家賃の集金管理のほか、契約管理、入居者斡旋、問合せ及びトラブル対応などで、対価として管理物件の戸数に応じて家賃に一定の料率を乗じた管理手数料を収受している。賃貸管理事業は、2010年に東京の東都をM&Aしたことで開始、その後も中小の賃貸管理会社のM&Aを継続的に実施することで賃貸管理戸数を着実に積み上げ、現在では首都圏近郊のほか宮城県、福岡県、大阪府などへとエリアを拡大した。M&Aにより同社グループに加わった地域の子会社各社も、同社のノウハウを共有することでオーガニックな成長を続けている。
賃貸管理事業の強みは、物件オーナーとの信頼関係のほか、集金や仲介、工事、トラブル対応など子会社各社で持つ独自のナレッジやノウハウをグループ内で共有できることにある。管理戸数は11万戸を超えており、M&Aした地域の会社数は今や50社以上、そのノウハウは多岐にわたっている。また、2015年に賃貸管理事業を統括する中間持株会社である(株)リロパートナーズを設立したことで、こうしたナレッジやノウハウの共有を加速するとともに、バックヤード業務や各社で重複した業務の集約を進めており、より効率的な運営体制を構築することができた。2017年に「リロの賃貸」というブランドで賃貸管理事業を統一したことも、地域子会社を含むグループ全体の強みとなっている。
賃貸管理市場の環境とM&A市場の環境から、同社賃貸管理事業の成長性は一定の勢いを維持している。賃貸管理市場では賃貸管理物件が1,500万戸以上、その5割程度がアウトソーシングされていると言われており、賃貸物件を管理する賃貸管理会社は地域ごとに複数の事業者が乱立する状況となっている。一方、賃貸管理戸数規模上位企業の多くはディベロッパー業態で、自社開発した物件をサブリース契約して管理しているに過ぎない。このため既存オーナーからアウトソーシングする同社のような事業モデルは上位企業に少なく、特に同社が業界トップ10へとシェアを拡大するなか、同社にアウトソーシングするオーナーが増えているようだ。賃貸管理事業の成長ドライバーであるM&Aの市場環境は、オーナーが引退時期に差し掛かっている事業者が多く、事業承継に課題を抱えている。同社は「共存・共栄型のM&A」を推進しており、事業承継に課題を抱える事業者から事業を受け継ぐことで、グループ入り後もともに成長するモデルを築いている。このため、事業承継によるM&A案件が足元で増加傾向となっており、同社にとって追い風となっている。
ホテル運営やホテル再生、タイムシェアを事業展開
3. 観光事業
観光事業では、福利厚生事業の会員基盤や地方の中小型ホテル・旅館の運営ノウハウを活用したホテル運営受託事業、施設の運営ノウハウを生かした地方の中小型ホテル・旅館の再生など施設価値向上事業、家族や友人と大切な時間を気軽に過ごすことをコンセプトにしたポイント制タイムシェア事業を展開している。1施設当たり30部屋程度の地方の中小型のホテル・旅館に特化したオペレーションノウハウに基づくホテル・旅館の運営収益、バリューアップした施設の売却収益、会員制リゾートの運営収益という、ポートフォリオバランスの取れた収益構造が強みとなっている。
運営を受託したり再生を請け負ったりする施設の多くは稼働率が低下していることがほとんどで、特に地方の中堅・中小規模のホテル・旅館では、後継者不足や施設の老朽化、ITやマーケティング戦略への対応の遅れ、人材の確保といった数多くの問題を抱えている。同社が運営や再生を引き受けた際は、同社アウトソーシング事業の送客力によって施設稼働率の改善を図ったうえで、複数の施設による共同仕入れ、オペレーションの集約、ITを活用した販売データや需要動向に基づく販売単価や客室数の管理などにより、平均90日もあれば収益化に道筋をつけることができる。こうした地方のホテル・旅館の再生の成功事例が積み上がっており、結果として地域の活性化にも貢献している。また、再生に伴い改善したキャッシュ・フローにより不動産価値を高めて売却し、キャピタルゲインを生むとともに運営の受託を継続するアセットモデルも展開している。これにより保有資産を増やさずに利益を確保している。ポイント制タイムシェア事業では、全国約50ヶ所の施設をタイムシェアで使用できる会員権を販売している。通常の会員権は不動産所有権込みのため高価となるが、同社は利用権のみのため相対的に安価な点が強みとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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■リログループ<8876>の事業内容
2. 賃貸管理事業
賃貸管理事業は、国内主要都市を中心に展開、各地域において賃貸物件オーナーが行う賃貸物件の管理業務の代行を行っている。これは、毎月入居者やテナントが支払う家賃の集金管理のほか、契約管理、入居者斡旋、問合せ及びトラブル対応などで、対価として管理物件の戸数に応じて家賃に一定の料率を乗じた管理手数料を収受している。賃貸管理事業は、2010年に東京の東都をM&Aしたことで開始、その後も中小の賃貸管理会社のM&Aを継続的に実施することで賃貸管理戸数を着実に積み上げ、現在では首都圏近郊のほか宮城県、福岡県、大阪府などへとエリアを拡大した。M&Aにより同社グループに加わった地域の子会社各社も、同社のノウハウを共有することでオーガニックな成長を続けている。
賃貸管理事業の強みは、物件オーナーとの信頼関係のほか、集金や仲介、工事、トラブル対応など子会社各社で持つ独自のナレッジやノウハウをグループ内で共有できることにある。管理戸数は11万戸を超えており、M&Aした地域の会社数は今や50社以上、そのノウハウは多岐にわたっている。また、2015年に賃貸管理事業を統括する中間持株会社である(株)リロパートナーズを設立したことで、こうしたナレッジやノウハウの共有を加速するとともに、バックヤード業務や各社で重複した業務の集約を進めており、より効率的な運営体制を構築することができた。2017年に「リロの賃貸」というブランドで賃貸管理事業を統一したことも、地域子会社を含むグループ全体の強みとなっている。
賃貸管理市場の環境とM&A市場の環境から、同社賃貸管理事業の成長性は一定の勢いを維持している。賃貸管理市場では賃貸管理物件が1,500万戸以上、その5割程度がアウトソーシングされていると言われており、賃貸物件を管理する賃貸管理会社は地域ごとに複数の事業者が乱立する状況となっている。一方、賃貸管理戸数規模上位企業の多くはディベロッパー業態で、自社開発した物件をサブリース契約して管理しているに過ぎない。このため既存オーナーからアウトソーシングする同社のような事業モデルは上位企業に少なく、特に同社が業界トップ10へとシェアを拡大するなか、同社にアウトソーシングするオーナーが増えているようだ。賃貸管理事業の成長ドライバーであるM&Aの市場環境は、オーナーが引退時期に差し掛かっている事業者が多く、事業承継に課題を抱えている。同社は「共存・共栄型のM&A」を推進しており、事業承継に課題を抱える事業者から事業を受け継ぐことで、グループ入り後もともに成長するモデルを築いている。このため、事業承継によるM&A案件が足元で増加傾向となっており、同社にとって追い風となっている。
ホテル運営やホテル再生、タイムシェアを事業展開
3. 観光事業
観光事業では、福利厚生事業の会員基盤や地方の中小型ホテル・旅館の運営ノウハウを活用したホテル運営受託事業、施設の運営ノウハウを生かした地方の中小型ホテル・旅館の再生など施設価値向上事業、家族や友人と大切な時間を気軽に過ごすことをコンセプトにしたポイント制タイムシェア事業を展開している。1施設当たり30部屋程度の地方の中小型のホテル・旅館に特化したオペレーションノウハウに基づくホテル・旅館の運営収益、バリューアップした施設の売却収益、会員制リゾートの運営収益という、ポートフォリオバランスの取れた収益構造が強みとなっている。
運営を受託したり再生を請け負ったりする施設の多くは稼働率が低下していることがほとんどで、特に地方の中堅・中小規模のホテル・旅館では、後継者不足や施設の老朽化、ITやマーケティング戦略への対応の遅れ、人材の確保といった数多くの問題を抱えている。同社が運営や再生を引き受けた際は、同社アウトソーシング事業の送客力によって施設稼働率の改善を図ったうえで、複数の施設による共同仕入れ、オペレーションの集約、ITを活用した販売データや需要動向に基づく販売単価や客室数の管理などにより、平均90日もあれば収益化に道筋をつけることができる。こうした地方のホテル・旅館の再生の成功事例が積み上がっており、結果として地域の活性化にも貢献している。また、再生に伴い改善したキャッシュ・フローにより不動産価値を高めて売却し、キャピタルゲインを生むとともに運営の受託を継続するアセットモデルも展開している。これにより保有資産を増やさずに利益を確保している。ポイント制タイムシェア事業では、全国約50ヶ所の施設をタイムシェアで使用できる会員権を販売している。通常の会員権は不動産所有権込みのため高価となるが、同社は利用権のみのため相対的に安価な点が強みとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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