フィスコニュース
リログループ Research Memo(10):コスト先行も、中期経営計画の初年度は順調なスタート
2025/10/10 11:10
*11:10JST リログループ Research Memo(10):コスト先行も、中期経営計画の初年度は順調なスタート
■リログループ<8876>の業績動向
2. 2026年3月期第1四半期の業績動向
第四次オリンピック作戦のキックオフとなった2026年3月期第1四半期の業績は、売上収益35,745百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益6,415百万円(同9.0%減)、税引前四半期利益6,420百万円(同75.5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益4,414百万円(同81.6%減)となった。想定どおりコスト先行となったが、おおむね順調なスタートと言える。なお、前期に計上した持分法による投資の売却益がなくなったことにより、税引前四半期利益と親会社の所有者に帰属する四半期利益については減益幅が広がった。
企業のグローバルな競争が激化する一方、日本企業の海外進出が活発化する環境下において、ビジョンの実現へ向けて同社は「第四次オリンピック作戦」を始動した。特に「人材投資」「労働力不足」「シニア・相続」という3つの社会的課題に重点的に取り組み、既存事業の深化、新規事業の創出、そしてこれらを支える戦略的投資を一体的に推進した。アウトソーシング事業では、深刻化する労働力不足が追い風となり一層高まった日本企業の生産性向上及び福利厚生に対する支援ニーズを取り込み、賃貸管理事業及び観光事業では、地方創生及び拡大するインバウンド需要への対応を通じて地域経済への貢献と事業承継の推進を図った。
この結果、福利厚生事業における会員数や借上社宅管理事業における管理戸数などストック基盤が堅調に積み上がり、売上収益は前年同期比で増加したが、先行投資によりコストが増加したため営業減益となった。通期業績予想に対する進捗は、売上収益はストック基盤が堅調に積み上がったため想定どおりとなった。営業利益の進捗は物件売却益が第2四半期以降に計上されること、米国の施策変更によって海外赴任が一時滞ったことからやや低く見えるが、期末へ向けて利益率が改善することが見込まれているため、おおむね想定内と言える。
セグメント別では、第1四半期は想定どおり全般的にコストが先行した。アウトソーシング事業は、福利厚生代行サービスにおける会員の新規獲得が進んで会費収入が増加したほか、借上社宅管理事業の管理戸数が前年同期を上回ったことで管理手数料収入や物件検索等による転居支援サービスの利用件数が増加し、増収微増益となった。
内訳として福利厚生事業では、新規契約が大きく伸びて前第4四半期に発生した解約をカバーしたことで会員数が751万人(前年同期比2.6%増)となり、会費収入も同9.1%増収となった。利益面では、商品開発や販売力強化のための先行投資を実施したが、会費収入増やCRM事業の回復でカバー、増益を確保した。借上社宅管理事業では、転勤の増加に伴い、借上社宅管理が281,027戸(同7.0%増)、留守宅管理が9,926戸(同3.6%増)、ニーズが増えている家具付き賃貸管理戸数も10,370戸(同32.7%増)となり、ストック基盤が拡大した。加えて、システム更新によるコストダウンなど先行投資による効果が発現し、増収増益となった。海外赴任支援事業では、中国経済の低迷継続や米国ビザ発給の遅延の影響はあったが、海外赴任世帯が前年同期比11.0%増、インバウンド支援世帯数が引き続き安定した水準をキープ、譲り受けた米国企業も順調だった。しかし、前年同期に海外現地で大型アセット売却益を計上した反動や為替変動の影響により、増収となったものの2ケタ減益となった。
賃貸管理事業では、賃貸管理戸数が123,170戸(前年同期比1.8%増)となってストック基盤が堅調に積み上がったが、前年同期に物件の売却が多かった反動でアセット関連の収益が減少し、減収減益となった。なお、管理会社のM&Aについては1件のみだったが、数千戸クラスの案件は依然多いようだ。また、物件の売却を継続的に予定しているようである。観光事業は、ホテルの稼働率が好調に推移したため増収となったが、新施設の開業費に加え原材料費や人件費などの高騰により減益となった。ただし、コストアップに対して既に手を打っているため、第2四半期以降は収益が改善する見込みだ。なお、ホテルと旅館業界に特化した人材紹介会社をM&Aし、人材紹介業及び労働者派遣業を開始した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
<HN>
■リログループ<8876>の業績動向
2. 2026年3月期第1四半期の業績動向
第四次オリンピック作戦のキックオフとなった2026年3月期第1四半期の業績は、売上収益35,745百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益6,415百万円(同9.0%減)、税引前四半期利益6,420百万円(同75.5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益4,414百万円(同81.6%減)となった。想定どおりコスト先行となったが、おおむね順調なスタートと言える。なお、前期に計上した持分法による投資の売却益がなくなったことにより、税引前四半期利益と親会社の所有者に帰属する四半期利益については減益幅が広がった。
企業のグローバルな競争が激化する一方、日本企業の海外進出が活発化する環境下において、ビジョンの実現へ向けて同社は「第四次オリンピック作戦」を始動した。特に「人材投資」「労働力不足」「シニア・相続」という3つの社会的課題に重点的に取り組み、既存事業の深化、新規事業の創出、そしてこれらを支える戦略的投資を一体的に推進した。アウトソーシング事業では、深刻化する労働力不足が追い風となり一層高まった日本企業の生産性向上及び福利厚生に対する支援ニーズを取り込み、賃貸管理事業及び観光事業では、地方創生及び拡大するインバウンド需要への対応を通じて地域経済への貢献と事業承継の推進を図った。
この結果、福利厚生事業における会員数や借上社宅管理事業における管理戸数などストック基盤が堅調に積み上がり、売上収益は前年同期比で増加したが、先行投資によりコストが増加したため営業減益となった。通期業績予想に対する進捗は、売上収益はストック基盤が堅調に積み上がったため想定どおりとなった。営業利益の進捗は物件売却益が第2四半期以降に計上されること、米国の施策変更によって海外赴任が一時滞ったことからやや低く見えるが、期末へ向けて利益率が改善することが見込まれているため、おおむね想定内と言える。
セグメント別では、第1四半期は想定どおり全般的にコストが先行した。アウトソーシング事業は、福利厚生代行サービスにおける会員の新規獲得が進んで会費収入が増加したほか、借上社宅管理事業の管理戸数が前年同期を上回ったことで管理手数料収入や物件検索等による転居支援サービスの利用件数が増加し、増収微増益となった。
内訳として福利厚生事業では、新規契約が大きく伸びて前第4四半期に発生した解約をカバーしたことで会員数が751万人(前年同期比2.6%増)となり、会費収入も同9.1%増収となった。利益面では、商品開発や販売力強化のための先行投資を実施したが、会費収入増やCRM事業の回復でカバー、増益を確保した。借上社宅管理事業では、転勤の増加に伴い、借上社宅管理が281,027戸(同7.0%増)、留守宅管理が9,926戸(同3.6%増)、ニーズが増えている家具付き賃貸管理戸数も10,370戸(同32.7%増)となり、ストック基盤が拡大した。加えて、システム更新によるコストダウンなど先行投資による効果が発現し、増収増益となった。海外赴任支援事業では、中国経済の低迷継続や米国ビザ発給の遅延の影響はあったが、海外赴任世帯が前年同期比11.0%増、インバウンド支援世帯数が引き続き安定した水準をキープ、譲り受けた米国企業も順調だった。しかし、前年同期に海外現地で大型アセット売却益を計上した反動や為替変動の影響により、増収となったものの2ケタ減益となった。
賃貸管理事業では、賃貸管理戸数が123,170戸(前年同期比1.8%増)となってストック基盤が堅調に積み上がったが、前年同期に物件の売却が多かった反動でアセット関連の収益が減少し、減収減益となった。なお、管理会社のM&Aについては1件のみだったが、数千戸クラスの案件は依然多いようだ。また、物件の売却を継続的に予定しているようである。観光事業は、ホテルの稼働率が好調に推移したため増収となったが、新施設の開業費に加え原材料費や人件費などの高騰により減益となった。ただし、コストアップに対して既に手を打っているため、第2四半期以降は収益が改善する見込みだ。なお、ホテルと旅館業界に特化した人材紹介会社をM&Aし、人材紹介業及び労働者派遣業を開始した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
<HN>




