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セグエ Research Memo(8):長期ビジョンの達成に向けて、中期経営計画を推進(2)
2025/10/20 11:08
*11:08JST セグエ Research Memo(8):長期ビジョンの達成に向けて、中期経営計画を推進(2)
■セグエグループ<3968>の中長期の成長戦略
2. 中期経営計画の業績目標と達成に向けた取り組み
中期経営計画「Segue300」(2024年12月期~2026年12月期)では、最終年度である2026年12月期の業績目標として売上高26,000百万円、営業利益1,800百万円、経常利益1,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,050百万円を目指す。売上高は2023年12月期実績比1.5倍(年平均成長率14.2%)、営業利益は同1.7倍(同18.3%)、経常利益は同1.8倍(同21.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は同1.6倍(同16.7%)という大幅な増収増益を達成すべく、営業を中心とした人材投資、「RevoWorksクラウド」などのセキュリティ系の伸長、セグエセキュリティの黒字化などを推進している。
また、「Segue300」のネーミングは、売上高300億円を目指すという同社の強い意思表示であり、M&Aを実現した場合のチャレンジ目標として、売上高30,000百万円、営業利益2,000百万円、経常利益2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,178百万円を掲げている。その実現に向けたビジネス別売上高として、VADビジネスで130億円、システムインテグレーションビジネスで90億円、自社開発ビジネスで18億円、海外ビジネスで22億円、M&Aチャレンジ目標で40億円を計画している。
2024年12月期には、M&Aによって2社(First One Systems、テクノクリエイション)の子会社化を実現し、今後の業績寄与が期待される。IT業界は人材不足が続いているが、2社の子会社化もあり付加価値の源泉である従業員数は計画を上回るペースで増加している。2025年12月期は業績見通しを上方修正するなど、中期経営計画の業績目標の超過達成に向けて順調に推移している。
中期経営計画では、(1)基盤となる技術者の大幅増員、(2)既存ビジネスの成長、(3)変化、改革、(4)企業価値の向上に取り組み、業績目標の達成を目指す。
(1)基盤となる技術者の大幅増員では、2024年12月期には技術者採用と育成のさらなる強化に取り組み、2025年12月期からはIT技術者のセキュリティ技術者への転換を図り、セキュリティ技術者数100名以上を目標とする。また、(2)既存ビジネスの成長、(3)変化、改革では、2024年12月期にセグエセキュリティの事業拡大により、より高度なセキュリティサービスの提供とセキュリティ技術者の育成加速を図るとともに、タイの2社(ISS Resolution、First One Systems)を中心に海外ビジネスを推進する。2025年12月期より、トータルセキュリティソリューション展開を目指して、セキュリティプラットフォーム展開、中央省庁サイバーセキュリティ対策、Wi-Fi製品需要(Wi-Fi6E/7)、GIGAスクール構想「NEXT GIGA」、RevoWorks新製品リリース、自社サービスの提供拡大などに取り組む。さらに、(4)企業価値の向上では、中期経営計画の期間を通じて、配当性向50%の継続(増配)、株主優待、株主・投資家とのコミュニケーションの充実などに取り組む。
以上の計画を実現するための第1のポイントはサイバーセキュリティニーズの拡大である。サイバー攻撃の急増によって、各省庁ではセキュリティガイドラインに準拠するための予算が増大しており、中小企業もセキュリティ対策投資の実施を迫られていることは、同社が中期経営計画を実現するための大きな追い風になる。第2のポイントは海外ビジネスの確立である。主力ビジネスに従来の3ビジネスに加えて、新たに「海外ビジネス」を追加し、まずはタイでの事業拡大を図る。ISS Resolutionは保守などサービス中心の会社で、2024年5月に加わったFirst One Systemsはサービスも提供するが、政府系や学校などに物を納めるプロダクト中心の会社である。両社が協力することで、タイ国内の顧客が満足できるプロダクトとサービスを提供し、シナジー創出により大きく成長する計画だ。そして、将来は海外ビジネスのASEAN全域への拡大を目指している。
2025年12月期中間期における、目標達成に向けた取り組み状況は以下のとおりである。
(1) 基盤となる技術者の大幅増員
同社グループの人員は約7割が技術者であり、技術者は取り扱い商材の新規検討や品質確保、自社製品の開発、各種サービスの提供など、事業の基盤として欠かせない存在である。国内では熟練技術者の不足が続くなか、2024年12月期にはテクノクリエイションの子会社化に伴い技術者数が大幅に増加した。2025年12月期も技術者の採用は順調で、中間期の時点で40名を採用している。
(2) 既存ビジネスの成長
VADビジネスでは、サイバーセキュリティやDX需要により、受注高が好調に推移している。また、営業、プリセールス強化、製品ポートフォリオの拡充、組織体制の強化を進めている。システムインテグレーションビジネスでは、DXインフラ、クラウドソリューションの大型案件獲得を推進し、エンドユーザー向け大型案件を獲得した。自社開発ビジネスでは、2025年4月には新製品RevoWorks ZONEの販売を開始した。また、セグエセキュリティでは2025年1月よりエンドポイントセキュリティとデータ保護をセットで実現するマネージド EDRサービスの提供を開始するなど、セキュリティマネジメントサービスは順調に伸長している。
(3) 変化、改革
2024年10月にGSS推進部署を新設し注力した結果、2025年12月期中間期にはGSSの超大型案件を受注した。同案件の売上計上は大部分が下期以降となり、2026年12月期以降も売上計上が続く見通しだ。また、自社開発の開発部門、品質管理部門の強化に加え、開発責任者・開発者若干名の採用により開発部門も強化することで、開発スピード及び品質の向上を図る。また、事業ポートフォリオの構造改革としては、2024年にM&A2件(タイのFirst One Systemsと国内のテクノクリエイション)、2025年にカーブアウト1件(ジェイズ・ソリューション)、事業の譲渡(ネットファームズ)1件を実施した。加えて、セキュリティアセスメントAI、サポートAIなど、AIソリューションの新たな取り組みが始まっている。
中期経営計画は折り返し点であるが、以上で見たとおり、着実に実績・成果を積み上げている。弊社では、引き続き、今後の進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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■セグエグループ<3968>の中長期の成長戦略
2. 中期経営計画の業績目標と達成に向けた取り組み
中期経営計画「Segue300」(2024年12月期~2026年12月期)では、最終年度である2026年12月期の業績目標として売上高26,000百万円、営業利益1,800百万円、経常利益1,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,050百万円を目指す。売上高は2023年12月期実績比1.5倍(年平均成長率14.2%)、営業利益は同1.7倍(同18.3%)、経常利益は同1.8倍(同21.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は同1.6倍(同16.7%)という大幅な増収増益を達成すべく、営業を中心とした人材投資、「RevoWorksクラウド」などのセキュリティ系の伸長、セグエセキュリティの黒字化などを推進している。
また、「Segue300」のネーミングは、売上高300億円を目指すという同社の強い意思表示であり、M&Aを実現した場合のチャレンジ目標として、売上高30,000百万円、営業利益2,000百万円、経常利益2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,178百万円を掲げている。その実現に向けたビジネス別売上高として、VADビジネスで130億円、システムインテグレーションビジネスで90億円、自社開発ビジネスで18億円、海外ビジネスで22億円、M&Aチャレンジ目標で40億円を計画している。
2024年12月期には、M&Aによって2社(First One Systems、テクノクリエイション)の子会社化を実現し、今後の業績寄与が期待される。IT業界は人材不足が続いているが、2社の子会社化もあり付加価値の源泉である従業員数は計画を上回るペースで増加している。2025年12月期は業績見通しを上方修正するなど、中期経営計画の業績目標の超過達成に向けて順調に推移している。
中期経営計画では、(1)基盤となる技術者の大幅増員、(2)既存ビジネスの成長、(3)変化、改革、(4)企業価値の向上に取り組み、業績目標の達成を目指す。
(1)基盤となる技術者の大幅増員では、2024年12月期には技術者採用と育成のさらなる強化に取り組み、2025年12月期からはIT技術者のセキュリティ技術者への転換を図り、セキュリティ技術者数100名以上を目標とする。また、(2)既存ビジネスの成長、(3)変化、改革では、2024年12月期にセグエセキュリティの事業拡大により、より高度なセキュリティサービスの提供とセキュリティ技術者の育成加速を図るとともに、タイの2社(ISS Resolution、First One Systems)を中心に海外ビジネスを推進する。2025年12月期より、トータルセキュリティソリューション展開を目指して、セキュリティプラットフォーム展開、中央省庁サイバーセキュリティ対策、Wi-Fi製品需要(Wi-Fi6E/7)、GIGAスクール構想「NEXT GIGA」、RevoWorks新製品リリース、自社サービスの提供拡大などに取り組む。さらに、(4)企業価値の向上では、中期経営計画の期間を通じて、配当性向50%の継続(増配)、株主優待、株主・投資家とのコミュニケーションの充実などに取り組む。
以上の計画を実現するための第1のポイントはサイバーセキュリティニーズの拡大である。サイバー攻撃の急増によって、各省庁ではセキュリティガイドラインに準拠するための予算が増大しており、中小企業もセキュリティ対策投資の実施を迫られていることは、同社が中期経営計画を実現するための大きな追い風になる。第2のポイントは海外ビジネスの確立である。主力ビジネスに従来の3ビジネスに加えて、新たに「海外ビジネス」を追加し、まずはタイでの事業拡大を図る。ISS Resolutionは保守などサービス中心の会社で、2024年5月に加わったFirst One Systemsはサービスも提供するが、政府系や学校などに物を納めるプロダクト中心の会社である。両社が協力することで、タイ国内の顧客が満足できるプロダクトとサービスを提供し、シナジー創出により大きく成長する計画だ。そして、将来は海外ビジネスのASEAN全域への拡大を目指している。
2025年12月期中間期における、目標達成に向けた取り組み状況は以下のとおりである。
(1) 基盤となる技術者の大幅増員
同社グループの人員は約7割が技術者であり、技術者は取り扱い商材の新規検討や品質確保、自社製品の開発、各種サービスの提供など、事業の基盤として欠かせない存在である。国内では熟練技術者の不足が続くなか、2024年12月期にはテクノクリエイションの子会社化に伴い技術者数が大幅に増加した。2025年12月期も技術者の採用は順調で、中間期の時点で40名を採用している。
(2) 既存ビジネスの成長
VADビジネスでは、サイバーセキュリティやDX需要により、受注高が好調に推移している。また、営業、プリセールス強化、製品ポートフォリオの拡充、組織体制の強化を進めている。システムインテグレーションビジネスでは、DXインフラ、クラウドソリューションの大型案件獲得を推進し、エンドユーザー向け大型案件を獲得した。自社開発ビジネスでは、2025年4月には新製品RevoWorks ZONEの販売を開始した。また、セグエセキュリティでは2025年1月よりエンドポイントセキュリティとデータ保護をセットで実現するマネージド EDRサービスの提供を開始するなど、セキュリティマネジメントサービスは順調に伸長している。
(3) 変化、改革
2024年10月にGSS推進部署を新設し注力した結果、2025年12月期中間期にはGSSの超大型案件を受注した。同案件の売上計上は大部分が下期以降となり、2026年12月期以降も売上計上が続く見通しだ。また、自社開発の開発部門、品質管理部門の強化に加え、開発責任者・開発者若干名の採用により開発部門も強化することで、開発スピード及び品質の向上を図る。また、事業ポートフォリオの構造改革としては、2024年にM&A2件(タイのFirst One Systemsと国内のテクノクリエイション)、2025年にカーブアウト1件(ジェイズ・ソリューション)、事業の譲渡(ネットファームズ)1件を実施した。加えて、セキュリティアセスメントAI、サポートAIなど、AIソリューションの新たな取り組みが始まっている。
中期経営計画は折り返し点であるが、以上で見たとおり、着実に実績・成果を積み上げている。弊社では、引き続き、今後の進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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