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サナエノミクスで日経平均は5.2万円、トヨタ上値3400円、そろそろヘッジ売りも必要?
2025/10/24 14:23
*14:23JST サナエノミクスで日経平均は5.2万円、トヨタ上値3400円、そろそろヘッジ売りも必要?
高市首相は、積極的な財政出動と金融緩和を主張する「サナエノミクス」を掲げています。これは景気浮揚につながると市場に見られており、特にアベノミクスの継承・強化と受け止められ、投資家の期待を集めました。防衛関連や先端技術(核融合、宇宙ビジネスなど)への積極投資が見込まれ、関連銘柄への買いが入る「高市トレード」が発生しています。さらに、金融緩和路線継続への期待から円安が進みやすく、輸出関連企業の業績改善への期待も高まっているといえるでしょう。
ただし、現状の株価と業績の水準は、冷静に把握しておきましょう。今2025年度の営業利益予想は前期比で±0前後、日経平均49,200円近辺の予想PERは18.9倍です。業績の伸びが鈍いのは、前期比での円高、中国経済の不調、米国の関税が影響しているものと思われます。一方で、PERは高値圏ですね。指数はPERで13~15倍のレンジが平均的という認識を持っており、そうであればPERの約19倍は、来期2026年度で前期比3割以上の増益が織り込まれているということになります。
仮に、デフレ脱却や企業の株式市場への向き合い方の変化から、指数の上限がPER18倍に切り上がっていたとして、来期2026年度の増益率を10%程度と置くと、日経平均の上限は51,600円近辺です。現状の日経平均49,200円近辺は、あと5%ほど上昇すると、上値めどに到達です。なお、同様の前提でPER15倍だと日経平均は43,000円近辺、同13倍だと37,300円近辺です。
とはいえ、業績が上がり続け、それに伴って配当が上がり続けるような企業は、全体相場が目先の天井を付けて、かつその企業の株価の割安感が薄れてきたとしても、手放したくないですよね。一番簡単な対処方法は、日本株全体と保有企業の将来を信じて、何もせずに持ち続けるということになります。
ただ、明確に目先の上値を付けているのに、指をくわえて下落を見守るのも忍びないと考える方は、信用取引や個別株オプション(かぶオプ)でヘッジすることになります。個別株オプションは、2025年9月の取引想定元本が約685億円となり、2014年の大阪取引所と東京証券取引所がデリバティブ市場を統合して以来の過去最高を記録するなど、人気が高まっています。信用売りの損失が理論上で無限大なのに対して個別株オプションが損失を限定できること、一般的に信用取引よりも高い資金効率が理由でしょうか。
個別株オプションでも人気の高いトヨタ<7203>だと、全体相場と絡めて、どのように考えるのかを見てみましょう。足もとでは原材料高(インフレ)、為替の円高などで減益傾向にありますが、今期予想も含めた過去10期の営業利益CAGRは+5.4%、同期間の株価は1,100~1,450円から2024年の高値3,891円を経て、足もと3,000円強の推移、1,300円が3,000円まで上昇したとして年率10%弱の値上がりです(そこに配当もプラスされます)。ROEも10%を上回り、配当も増加を継続、今期は利回りで3.06%です。素晴らしいですね。
EVの台頭による競争環境の変化、グローバル経済体制の変化は、この10年と環境が異なってきていると認識した上で、年率10%で利益が成長する3年後のPER15倍というトヨタ株の姿を想定してみてください。株価で4,000円強です。現状株価3,100円の3割上ですね。これであれば、バイアンドホールドとして、下手な小細工はいらないかもしれません。
一方で、いやいや、環境が大きく変化している中で、3年後は織り込みすぎで、今期予想PER15倍、もしくはそろそろ来年が意識されるので来期10%利益成長のPER15倍3,400円くらいまでしか自信を持てないということでしたら、日経平均が51,600円あたりでトヨタ株も3,400円に近づくでしょうから、そこで利益を確定するということになります。もちろん、自信はないけどトヨタは良い会社だし、現状の3,100円ならホールドしておきつつ、3,400円あたりまで上昇したら利益確定してもいいということでしたら、個別株オプションの権利行使価格3,400円コールを売ることで、オプション料収入を得ながら、売り予約状態を作っておくこともできます(カバード・コール)。
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高市首相は、積極的な財政出動と金融緩和を主張する「サナエノミクス」を掲げています。これは景気浮揚につながると市場に見られており、特にアベノミクスの継承・強化と受け止められ、投資家の期待を集めました。防衛関連や先端技術(核融合、宇宙ビジネスなど)への積極投資が見込まれ、関連銘柄への買いが入る「高市トレード」が発生しています。さらに、金融緩和路線継続への期待から円安が進みやすく、輸出関連企業の業績改善への期待も高まっているといえるでしょう。
ただし、現状の株価と業績の水準は、冷静に把握しておきましょう。今2025年度の営業利益予想は前期比で±0前後、日経平均49,200円近辺の予想PERは18.9倍です。業績の伸びが鈍いのは、前期比での円高、中国経済の不調、米国の関税が影響しているものと思われます。一方で、PERは高値圏ですね。指数はPERで13~15倍のレンジが平均的という認識を持っており、そうであればPERの約19倍は、来期2026年度で前期比3割以上の増益が織り込まれているということになります。
仮に、デフレ脱却や企業の株式市場への向き合い方の変化から、指数の上限がPER18倍に切り上がっていたとして、来期2026年度の増益率を10%程度と置くと、日経平均の上限は51,600円近辺です。現状の日経平均49,200円近辺は、あと5%ほど上昇すると、上値めどに到達です。なお、同様の前提でPER15倍だと日経平均は43,000円近辺、同13倍だと37,300円近辺です。
とはいえ、業績が上がり続け、それに伴って配当が上がり続けるような企業は、全体相場が目先の天井を付けて、かつその企業の株価の割安感が薄れてきたとしても、手放したくないですよね。一番簡単な対処方法は、日本株全体と保有企業の将来を信じて、何もせずに持ち続けるということになります。
ただ、明確に目先の上値を付けているのに、指をくわえて下落を見守るのも忍びないと考える方は、信用取引や個別株オプション(かぶオプ)でヘッジすることになります。個別株オプションは、2025年9月の取引想定元本が約685億円となり、2014年の大阪取引所と東京証券取引所がデリバティブ市場を統合して以来の過去最高を記録するなど、人気が高まっています。信用売りの損失が理論上で無限大なのに対して個別株オプションが損失を限定できること、一般的に信用取引よりも高い資金効率が理由でしょうか。
個別株オプションでも人気の高いトヨタ<7203>だと、全体相場と絡めて、どのように考えるのかを見てみましょう。足もとでは原材料高(インフレ)、為替の円高などで減益傾向にありますが、今期予想も含めた過去10期の営業利益CAGRは+5.4%、同期間の株価は1,100~1,450円から2024年の高値3,891円を経て、足もと3,000円強の推移、1,300円が3,000円まで上昇したとして年率10%弱の値上がりです(そこに配当もプラスされます)。ROEも10%を上回り、配当も増加を継続、今期は利回りで3.06%です。素晴らしいですね。
EVの台頭による競争環境の変化、グローバル経済体制の変化は、この10年と環境が異なってきていると認識した上で、年率10%で利益が成長する3年後のPER15倍というトヨタ株の姿を想定してみてください。株価で4,000円強です。現状株価3,100円の3割上ですね。これであれば、バイアンドホールドとして、下手な小細工はいらないかもしれません。
一方で、いやいや、環境が大きく変化している中で、3年後は織り込みすぎで、今期予想PER15倍、もしくはそろそろ来年が意識されるので来期10%利益成長のPER15倍3,400円くらいまでしか自信を持てないということでしたら、日経平均が51,600円あたりでトヨタ株も3,400円に近づくでしょうから、そこで利益を確定するということになります。もちろん、自信はないけどトヨタは良い会社だし、現状の3,100円ならホールドしておきつつ、3,400円あたりまで上昇したら利益確定してもいいということでしたら、個別株オプションの権利行使価格3,400円コールを売ることで、オプション料収入を得ながら、売り予約状態を作っておくこともできます(カバード・コール)。
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