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TOKAI Research Memo(3):2026年3月期中間期業績は過去最高更新、全事業セグメントで増収増益(1)

*13:03JST TOKAI Research Memo(3):2026年3月期中間期業績は過去最高更新、全事業セグメントで増収増益(1)
■業績動向

1. 2026年3月期中間期の業績概要
TOKAIホールディングス<3167>の2026年3月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比3.0%増の114,458百万円、営業利益で同34.1%増の6,249百万円、経常利益で同32.6%増の6,475百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同51.1%増の3,611百万円となった。売上高は、グループ顧客件数の増加や法人向け情報通信事業の拡大に加え、建築設備不動産事業の受注が順調に推移するなどすべての事業セグメントで増収となり、中間期として5期連続の増収、過去最高を更新した。利益面でも、グループ顧客件数増加に伴う増益や、LPガス事業及びコンシューマー向け情報通信事業で顧客獲得費用の見直しを図ったこと、さらには法人向け情報通信事業や建築設備不動産事業の増収等により、すべての事業セグメントで増益となり、各利益項目において過去最高を更新した。

また、会社計画比でも営業利益で上振れとなったようだ。事業セグメント別では、主にエネルギー事業とコンシューマー向け情報通信事業において顧客獲得コストの見直しによる増益効果が想定を上回ったこと、法人向け情報通信事業におけるクラウドサービスの売上が好調に推移したこと、建築設備不動産事業で一部前倒しで売上計上した案件が発生したことなどが主な上振れ要因となり、すべての事業セグメントで計画を超過達成した模様だ。

2026年3月期中間期末の継続取引顧客件数は3,457千件と前年同期比で58千件増と着実に積み上がった。事業セグメント別ではLPガス事業で9千件増、情報通信事業で10千件増、CATV事業で22千件増、アクア事業で27千件増と主力サービスが順調に増加し、なかでもアクア事業は浄水型ウォーターサーバーの販売好調により想定を上回るペースで増加した。また、サービス利用でポイントが貯まるTLC会員の登録数も前年同期比53千件増の1,295千件と順調に増加した。

2. 事業セグメント別動向
(1) エネルギー事業
エネルギー事業の売上高は前年同期比0.2%増の45,489百万円と微増にとどまったが、営業利益(間接費用等配賦前営業利益で決算短信とは算出方法が異なる。以下同)は同48.4%増の2,343百万円と大幅増益となった。営業利益の主な増益要因は、LPガス事業における顧客件数増加で2.0億円、顧客獲得費用の見直しで3.6億円、仕入価格低減等により2.0億円となった。顧客獲得費用については、2024年7月に「LPガス商慣行是正に向けた改正省令」※が施行された影響で、既存集合住宅(他社契約)向けの営業が実質困難となったことが減少要因となった。

※ 賃貸集合住宅等の顧客獲得の際に行っていた物品や金銭の授受など過大な営業行為に対して制限を設けた。

売上高の内訳を見ると、LPガス事業は同0.1%減の37,530百万円となった。顧客件数は前年同期比9千件増の813千件となったものの、世帯当たりガス消費量が省エネ化の意識の高まりもあって同1.5%減少し、家庭用ガス販売量が前年同期比横ばい水準にとどまったこと、また、産業用ガス販売高が仕入れ価格に連動した販売価格の引き下げにより同3.9%減となったことが響いた。中間期における平均気温はほぼ前年同期並みの水準であった。

前期末比で顧客件数は6千件の増加となった。内訳は、新規獲得で8千件、M&A・商圏買取で8千件、休止・解約で9千件となった。新規獲得は省令改正の影響で前年同期の9千件から若干減少したが、一方、休止・解約も12千件から9千件に減っており、省令改正の影響は件数だけで見るとほぼ中立要因だったと見ることができる。一方、損益面では顧客獲得コストの減少につながっている。M&A・商圏買取では2025年7月に愛媛県松山市をサービスエリアとするLPガス事業者をM&Aした。今後は取得した充填所を起点として自社の物流網を構築し、愛媛県内を中心に四国エリアのシェア拡大を図っていく。一方、都市ガス事業の顧客件数は同1千件増の75千件となり、売上高は同1.3%増の7,958百万円と若干ながら増収に転じた。

(2) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前年同期比6.0%増の30,063百万円、営業利益は同12.8%増の2,698百万円となり、2期ぶりに増益に転じた。

このうち、コンシューマー向け事業は売上高で同2.5%減の11,413百万円、営業利益で同45.4%増の621百万円と2期ぶりに増益に転じた。顧客件数はブロードバンドサービスが同4千件増の674千件、格安スマホサービスの「LIBMO」が同5千件増の83千件と増加したものの、ブロードバンドサービスでARPUの低い大手キャリア経由の契約件数が増加傾向にあることが減収要因となった(粗利益への影響はない)。一方、営業利益は販売代理店の見直しを進めたことが増益要因となった。具体的には、サービス解約率の高い販売代理店の整理を行い、顧客獲得コストの改善を図った。

法人向け事業は売上高で前年同期比12.0%増の18,649百万円、営業利益で同5.8%増の2,077百万円となった。2025年4月に自社の光ファイバー回線を福岡県まで延伸した効果もあって、企業向け高速通信サービスが伸長したほか、クラウドサービスも順調に拡大するなどストック型ビジネスが増収に貢献した。システム受託開発については横ばい水準にとどまった。利益面では、賃金改定や人員増に伴う人件費の増加をストック型ビジネスの増収効果で吸収、2期ぶりの増益に転じた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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