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紀文食品 Research Memo(6):長期経営戦略により総合食品グループを目指す

*13:06JST 紀文食品 Research Memo(6):長期経営戦略により総合食品グループを目指す
■中期経営計画

1. 長期経営戦略
紀文食品<2933>は、「革新と挑戦と夢」という経営理念に基づき、強みを武器に「世の中を“すこやかなおいしさ”で満たしつづける。」ミッションに向け、「日本の食の力でWell-beingな世界に貢献する食の総合グループ。」に進化するというビジョンの実現に取り組んでいる。このため、創業100周年を迎える2038年を目標に長期経営戦略を策定し、おいしさとともに健康に貢献する「総合食品グループ」、新たなおいしさと楽しさを創造する「開発型企業」、おいしさで世界の食文化に根付く「グローバルカンパニー」を目指している。このため、人口減少が続く国内市場ではDXを推進し、春夏秋冬の季節性に影響されず1年を通して様々な食シーンで喜ばれるアイテムや、健康やおいしさ、利便性の面で付加価値の高い商品・サービスを消費者個々に届けることで、ブランド力をさらに向上する考えである。海外市場では、得意のタンパク加工技術を使ったアイテムなどにより広く健康とおいしさを提案し、魚食を中心とした日本食材を、食べ方など食文化とともに一層広めていく方針である。これにより、2038年度に売上高2,500億円、営業利益175億円(営業利益率7.0%)を目指す。また、長期目標を達成するため、バックキャストして5段階の3ヶ年中期経営計画を策定し、目標へ向けて着実に実績を積み上げていく考えである。


事業領域の拡大など中計は順調に進捗
2. 中期経営計画
長期経営戦略の第1段階として、同社は2024年5月に第1次中期経営計画(2026)を策定した。中期経営計画では、既存領域の拡大を図る一方、温度帯を含め商材の幅を様々に広げることで新たな価値を創造する考えである。これにより、2027年3月期に売上高1,203億円、営業利益60億円を目指す。また、KPIとして、海外売上高比率13%以上(2024年3月期11%)、自己資本比率30%以上(同26.4%)、ROE15%以上(同17.4%)、ROIC10%以上(同8.1%)、営業キャッシュ・フロー年間50億円以上(同年間55.5億円)などを定めた。なお、売上高の成長は既存事業の着実な成長に加え新規事業領域への展開、海外売上高比率は新製品の投入と市場拡大、営業利益率は生産性の向上と業務の効率化、調達力の向上、自己資本比率とROEは利益志向への体質転換、ROIC※は営業利益の拡大と資本の効率化、営業キャッシュ・フローは利益の拡大と資産の効率化を進めることで目標を達成する考えである。

※ ROIC=NOPAT(利息控除前税引後営業利益)÷投下資本(純有利子負債+純資産)

ここまでの進捗としては、「総合食品グループ」の実現に向けた子会社再編、工場再編の検討開始、すり身供給トップのマルハニチロとの資本業務提携契約の締結に続き、第1次中期経営計画(2026)2年目の2026年3月期も、厳しい外部環境のなか、領域拡大に向けた施策や業務用アイテムの強化など順調と言える。したがって、2026年3月期営業利益で計画どおり50億円を達成できれば、最終年度の2027年3月期営業利益も60億円の達成が視野に入ってこよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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