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ムサシ Research Memo(3):2026年3月期中間期は参議院選挙が実施され、営業利益は大幅営業増益

*11:33JST ムサシ Research Memo(3):2026年3月期中間期は参議院選挙が実施され、営業利益は大幅営業増益
■業績動向

1. 2026年3月期中間期の業績概要
ムサシ<7521>の2026年3月期中間期の業績は、売上高19,932百万円(前年同期比20.2%増)、営業利益2,359百万円(同288.2%増)、経常利益2,389百万円(同21.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,273百万円(同15.4%減)となった。

売上総利益率は29.5%となり前年同期比4.9ポイント上昇した。これは、前年同期に大きな国政選挙がなかったのに対し、2026年3月期中間期では参議院選挙が実施され、収益性の高い選挙システム機材の売上比率が上昇したためである。この結果、増収に伴い売上総利益は同44.2%増の5,882百万円となった。一方で、販管費は、経費を抑制したことなどから同1.5%増にとどまり、営業利益は大幅増益となった。ただし経常利益は、前年同期に営業外収益(持分法による投資利益)1,304百万円を計上した反動で、増益幅は縮小した。さらに、親会社株主に帰属する中間純利益は税金などの影響により減益となった。

設備投資額(有形固定資産及び無形固定資産)は418百万円(前年同期は106百万円)、減価償却費は207百万円(同193百万円)、研究開発費は115百万円(同224百万円)となった。

注力している文書のデジタル化事業の売上高は、継続していた大口案件が一巡した影響で1,625百万円(同27.4%減)となったが、これは想定内であり、特段の懸念はない。もう1つの注力商品である「ミクロフィルター」の売上高は、半導体業界向けを中心とした工業用は堅調に推移したものの、ビール業界向けが低調であったため、350百万円(同3.3%減)となった。

2. セグメント別業績
(1) 情報・印刷・産業システム機材セグメント
セグメント売上高は8,491百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント損益は57百万円の損失(前年同期は148百万円の利益)となった。減収に加え、高収益の文書のデジタル化事業の売上高が一巡した影響などにより、損益は損失に転じた。

a) 情報・産業システム機材
情報・産業システム機材の売上高(単体ベース)は、3,521百万円(前年同期比5.1%減)となった。業務用ろ過フィルターは半導体や精密機器向けは堅調であったものの、飲料向け(主にビール業界向け)が低調に推移した。工業用検査機材の販売は点検業務の需要を取り込み、順調に推移した。2025年8月から販売開始したLTOも順調に立ち上がった。注力する文書のデジタル化事業は、大口案件が終了したことにより売上が一巡したが、これは想定の範囲内である。この結果、売上高は1,625百万円(同613百万円減、同27.4%減)となった。

b) 印刷システム機材
印刷システム機材の売上高(単体ベース)は、3,496百万円(前年同期比10.0%減)となった。印刷機器、印刷材料ともに販売は低調であった。

(2) 金融汎用・選挙システム機材セグメント
セグメント売上高は7,060百万円(前年同期比131.9%増)、セグメント利益は2,247百万円(同774.3%増)となった。

a) 選挙システム機材
選挙システム機材の売上高(単体ベース)は6,192百万円(前年同期比228.3%増)となった。東京都議会選挙や参議院選挙向けに、投票用紙交付機や読取分類幾などの販売が伸長した。さらに、投開票管理システムの販売やサポート業務も堅調に推移した。

b) 金融汎用システム機材
金融汎用システム機材の売上高(単体ベース)は847百万円(前年同期比23.6%減)となった。金融機関向けの貨幣処理機器の販売は堅調に推移したものの、セキュリティ機器の販売は商談が後ずれしたため、低調に推移した。

(3) 紙・紙加工品セグメント
セグメント売上高は4,228百万円(前年同期比6.1%減)、セグメント利益は59百万円(同37.9%減)となった。医薬品や化粧品向け紙器用板紙の販売は順調に推移したものの、印刷用紙や情報用紙の販売が低調であったことから減収となり、利益も減少した。

(4) 不動産賃貸・リース事業等セグメント
セグメント売上高は151百万円(前年同期比2.0%増)、セグメント利益は109百万円(同3.8%増)と、おおむね順調に推移した。



■今期の見通し

2026年3月期は前期に実施された選挙の反動により、営業利益は大幅減益を予想

2026年3月期の業績は、売上高37,373百万円(前期比0.0%減)、営業利益2,687百万円(同19.9%減)、経常利益2,744百万円(同42.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,468百万円(同57.2%減)としている。期初予想(売上高37,364百万円、営業利益1,905百万円、経常利益1,924百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,147百万円)より上方修正を行った。主要因は主力の選挙システム機材が期初予想以上に伸長したことによるもので、選挙システムの標準化の効果が表れ始めたと見られる。また、減益を予想するのは、前下期に衆議院選挙があった一方で、2026年3月期下期には大型の国政選挙が想定されていないことによる。

セグメント別売上高の予想は、情報・印刷・産業システム機材が17,930百万円(前期比4.6%減)、金融汎用・選挙システム機材が10,367百万円(同10.2%増)、紙・紙加工品が8,776百万円(同1.3%減)、不動産賃貸・リース事業等が298百万円(同0.3%減)としている。なお、セグメント別利益の予想は開示されていない。

設備投資額は594百万円(前期は242百万円)、減価償却費は467百万円(同395百万円)、研究開発費は350百万円(同532百万円)を見込んでいる。

サブセグメント別(単体ベース)では、情報・産業システム機材の売上高は7,921百万円(前期比7.9%減)と、上期と同様の傾向が続く見込みである。文書のデジタル化事業では、官公庁・自治体からの受注減が予想されることから売上高は3,755百万円(同26.6%減)を予想する。印刷システム機材は、引き続き印刷材料の需要低迷が予想されることから、売上高は7,176百万円(同5.2%減)としている。

金融汎用システム機材では、中間期からずれ込んだ案件を着実に取り込むと同時に、集中部門向けシステム機器の販売に注力することで、売上高は2,097百万円(前期比1.8%減)を予想している。主力の選挙システム機材では、下期には国政選挙は想定されないものの、中間期の売上高が予想を上回ったことから、通期の売上高は8,152百万円(同13.4%増)としている。紙・紙加工品については、需要が堅調な各種パッケージ(紙器)用の板紙の拡販を推進し、売上高は5,612百万円(同1.2%増)を予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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