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ムサシ Research Memo(5):選挙サイクルに左右されない分野を強化し、収益基盤の拡大と安定化を図る(2)

*11:35JST ムサシ Research Memo(5):選挙サイクルに左右されない分野を強化し、収益基盤の拡大と安定化を図る(2)
■ムサシ<7521>の中長期の成長戦略

3. 工業用検査機材
工業用検査機材には、非破壊検査により航空機や船舶の整備に利用される機材、微細な欠陥を検出してガスパイプラインなどのインフラの安全維持に寄与するシステム、X線撮影からデータ管理までをデジタル化したデジタルX線システムなどがある。

また、2025年10月に新たに発売した圧力測定フィルム「高温用プレスケール100/200」の取り扱いを開始した。この特殊フィルムを対象部位に挿入し圧力をかけることで、色見本や検量線を用いて圧力を視覚的に確認できる。活用事例としては、半導体製造装置におけるウェハボンディングや、基板製造における熱プレス・ラミネート装置などが挙げられる。今後、成長分野への積極的な展開を推進する。

4. 印刷システム機材
デジタル化の進行やインターネット通販事業者の台頭に伴い、印刷需要の低迷と販売価格の下落といった厳しい事業環境にある。同社は収益力改善を図るため、オリジナル商品の拡販を推進している。

(1) 様々な厚みに対応する多目的プリンター
プリンターヘッドの高さが自動調整されることで多種多様な厚みに対応し、多様な材料への出力が可能である。具体的には、段ボール素材・紙袋・和紙・不織布・木箱といった様々な素材や高さを持つ成型済み素材への印刷が可能となった。この次世代プリントソリューションは、ブランドオーナー向けの市場において高い収益貢献が期待される。

(2) 「デジタルダイカッター」
シート状の素材をペン状のカッターで図柄に合わせて自由な形状にカットする機械である。パッケージ・POP・シールといった販促物や製箱など、多様な用途に活用可能である。

(3) 自社開発の業務管理ソフト(M BOOSTER)
見積もりから納品まで印刷業のすべての工程を一元管理するソフトウェアである。インターネットブラウザ上で操作できるため、専用ソフトをインストールせずに利用可能である。また、各工程の原価管理も可能であり、同社はこのソフトを通じて印刷会社のDXを支援する方針である。

5. 金融汎用システム機材
(1) 「オペレーションリスク対応」として注力するセキュリティ機器の拡販
近年、金融庁は、既存のリスク管理や地震などのリスクを想定したBCPのみでは、金融システムにとって重要な業務の継続的提供が困難になる可能性があると指摘しており、オペレーショナルリスクへの対応を強化するよう指導している。具体的には、外部委託業務や連携サービスを含む業務プロセス全体の包括的な態勢整備が求められている。こうした背景を踏まえ、同社は、オペレーショナル・レジリエンスの確保を目的とし、セキュリティ機器の拡販を推進する方針である。

(2) 「集中処理センター」向け管理システム
同社は、金融機関の「集中処理センター」向けに、様々なシステムを開発している。今後は、これらのシステムを総合的に利用した「提案型営業」を推進する方針である。この提案に含まれる主なシステムは、口座振替依頼書などのイメージ入力を事務センターで実施し、営業店クライアントで一括検索を可能にする「口座振替システム」、営業店で受け付けた手形・小切手・伝票・各種申込書など多様な書類のスキャニングデータを集中センターで集約連携する「イメージファイリングシステム」、ICタグによって書類の現物を管理し、ポータブルリーダーで棚卸作業時間を大幅に短縮可能にする「債権書類管理システム」などがある。

(3) 「BPOサービス」の拡販
金融機関向けには、機器類の販売だけでなく、「BPOサービス」としてのアウトソーシングサービスも積極的に拡販する方針である。このBPOサービスには、為替アウトソーシングサービスや、マイクロフィルムをPDFまたは画像データに変換するサービス、マイクロフィルムスキャナーの拡販などが含まれる。

6. 選挙システム機材
(1) 「選挙業務管理ソフト」の標準化対応
総務省は、自治体が使う情報システムを全国で共通化する取り組みを進めており、選挙人名簿の管理もその対象に含まれている。同社は、この標準化に対応した「選挙業務管理ソフト」を提供することで、自治体の選挙事務をより効率的に行えるよう支援する。これら標準化対応に準拠することで、選挙のない時期でも保守料や利用料が継続的に発生するため、同社にとって収益が安定し、事業の平準化にもつながる。

(2) 新商品:「テラック避難者情報把握システム」
同社は、新商品として災害時の避難者情報を一元管理する「テラック避難者情報把握システム」を開発・上市した。地震・津波・台風・火災などの災害で住民が避難した状況下において、避難所ごとの在籍者や安否情報を容易に把握・管理できる。

本システムは、もともと「期日前投票システム」の延長(応用)として開発されたため、期日前投票システムと同様のインターフェースを採用しており、自治体側にとって操作性が高い。また、通信断絶時でもネットワークに依存しない運用が可能であること、マイナンバーカードや2次元コードでの受付に対応していること、避難者情報の集計が容易であることなどの特色を持つ。「選挙業務管理ソフト」と同様に、安定的な保守料・利用料を得られるため、収益基盤の安定化に貢献する。利用者である自治体側にとって実用上のメリットが大きく、今後の展開が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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