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アルフレッサ ホールディングス:医薬品卸を基盤にTSCSの進化拡大を軸とする成長モデルが鮮明、PBR0.9倍台で推移

*09:25JST アルフレッサ ホールディングス:医薬品卸を基盤にTSCSの進化拡大を軸とする成長モデルが鮮明、PBR0.9倍台で推移
アルフレッサ ホールディングス<2784>は、医薬品等の開発・製造から流通、そして調剤薬局の運営に至るまでの事業をグループ一体となって推進し、あらゆる医療ニーズに対応している。医療用医薬品卸売上高No.1、約1,000社の製薬企業等との取引による約36万SKUの商品取り扱いがある。全国約200の物流拠点による安定供給体制と高機能な物流インフラを構築、得意先は16万軒以上にのぼる。医療用医薬品卸売を主軸としながらも、単なる数量拡大型の卸モデルから一線を画し、圧倒的なMS(医薬品卸販売担当者)数とステークホルダーが求めるロジスティクス体制等を最大限に活かした成長戦略を展開。国内医療用医薬品卸売市場の成長率がおおむね年率3%程度にとどまる中、同社は足元で6%超の成長を実現している。

同社の医療用医薬品卸売事業が市場を大きく上回る成長を遂げている背景として、まず製薬企業の販売戦略の変化が挙げられる。近年、製薬企業は取引卸を選別・集約する動きを強めており、その中で同社は「選ばれる卸」としてポジションを確立している。結果として、製薬企業の意向を起点とした受注増が発生し、2024年3月期にはこうした動きが数百億円規模の売上押し上げ要因となった。加えて、限定された適応症を有する等の特徴があるスペシャリティ医薬品でありながら、対象患者が比較的多く、専門病院に限らずプライマリー領域でも処方される製品のプロモーション活動である「ネオプライマリー戦略」の効果も顕在化している。特に診療所市場に注力し、圧倒的なMS数で積極的に営業展開することで、他社が十分にカバーできていないエリアや時間帯での接点を増やしている。MS数は約2,500人と業界でも突出していることやヘルステックによる患者様や医療機関の利便性等の向上、および製薬企業向けのソリューション提供等が奏功している。単に効率化を優先して営業拠点や人員を絞り込むのではなく、人の力を最大限活用する事業運営で高成長を維持しており、結果として診療所との関係性構築において競争優位性を築いている。短期的な効率性よりも中長期的な競争力を重視した人財投資が、現在の収益構造に結実し始めている点は評価できる。

コスト面では、販売管理費の抑制が着実に進んでいる。人的リソースを多く抱えながらも、医療用医薬品等卸売事業の販管費率は過去の約5%水準から4%台へと低減させており、営業力を強化しつつ配置最適化や業務効率化が進んでいる点が確認された。人員減少の一部は定年退職や配置転換によるもので、競合他社と比較しても、依然として営業力の厚みは保たれている。

2026年3月期第2四半期決算については、売上高1,529,762百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益16,207百万円(同8.1%増)で着地した。医療用医薬品等卸売事業は、薬価の中間年改定によるマイナス影響、および人件費を含む物流費高騰等厳しい経営環境だったものの、新薬創出加算品等が伸長するなか、市場伸長を上回る売上成長による増収効果とコストコントロールへの注力等により増収増益。セルフメディケーション卸売事業についても、採算重視の運営によりグロスマージンは改善し続けている。一方、医薬品等製造事業については、インフルエンザや花粉症といった季節性要因に左右されやすい側面があるほか、一部の医療用医薬品では後発医薬品のある先発医薬品の選定療養制度の影響により今期は売上が減少している。通期計画は、売上高3,107,000百万円(前期比4.9%増)、営業利益37,100百万円(同2.6%減)を見込む。

中期経営計画では、最終年度(2028年3月末)に売上高3.33兆円、営業利益435億円を掲げており、グループ全体で保有する様々な機能を有機的に一体活用することでシームレスなサプライチェーンを確立し、医薬品等の導入・開発、製造から物流・販売、市販後調査・ラストワンマイルまでをグループ一体となって提供するTSCS(トータルサプライチェーンサービス)を成長ドライバーの一つとして位置付けている。ファブレスメーカーが日本市場へ参入する際などに、開発段階から一気通貫のサポートを行う点に強みがある。製造事業は高薬理活性製剤等の受託製造を含め順調な成長を見込んでいる。既に30件超の先行受注を確保している点は中計達成に向けたポジティブ材料と言える。

株主還元については、DOE2.5%以上を下限とする累進配当方針を掲げ、安定的かつ持続的な還元姿勢を明確にしている。また、適宜自社株買いも実行しており、2024年3月期において350億円(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合7.5%)、2025年3月期において110億円(同2.7%)、前中計3年間では合計460億円の自社株買いを実施してきた。財務戦略でも政策保有株式の縮減を進めており、今年度中に純資産比10%を切る見込みとなっている。今中計でも営業キャッシュ・フローと資産売却により、新規領域と成長領域を中心とした1,200億円の投資と安定した株主還元を行うことを示している。

総じて、同社は「医療用医薬品卸売上高No.1」という規模の優位性を活かしたTSCSモデルにより、卸という基盤事業を活かしながら、その外側で確実に利益を積み上げる構造が見え始めており、中期経営計画の実行度合いと成長領域の収益化進展が今後の評価軸となろう。



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