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三和油化工業:年初来高値更新で株価好調、依然として上値余地大きい

*10:02JST 三和油化工業:年初来高値更新で株価好調、依然として上値余地大きい
リユース事業・リサイクル事業・化学品事業・自動車事業・エンジニアリング事業と5つの事業を展開する三和油化工業<4125>の株価は順調に推移している。4月7日に底値1080円を付けて以降、12月17日には年初来高値2498円を付けた。順調な業績を横目に右肩上がりで上昇しており、引き続き堅調推移が期待される。PBRも0.8倍台と、PBR1倍に向けて切り上がりを見せている。これが1倍に是正するだけでも株価は現状水準から2割高の水準となる(現在2355円)。

前回コメントから今期業績もアップデートされている。11月11日に2026年3月期第2四半期を発表したが、売上高8,287百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益492百万円(前年同期比45.8%増)と増収大幅増益で着地した。リユース・リサイクル事業は安定しており、化学品・エンジニアリング事業の拡大により増収を確保、化学品事業は電池業界向け製品販売の数量・単価が上昇し、エンジニアリング事業は大型解体工事の着手は遅れたものの、PCB処理案件等で大幅リカバリーとなった。また、外注加工・運送の内製化および工程改善活動による原価低減により利益率も上昇した。

順調な業績進捗を受けて通期計画を上方修正している。売上高は18,700百万円(従来計画17,000百万円、前期比16.6%増)、営業利益1,100百万円(同1,000百万円、同31.5%増)を見込んでいる。廃棄物の再資源化で安定的に収益を確保しつつ、成長業界向けの活動を継続していく方針。また、M&A によりA&H Japan 株式会社が子会社となり、リユース事業収益が倍増、売上高は当初の予想を上回る見通しとなり、M&A に要した費用発生等により利益は一部圧縮の見込みだが、予想を引き上げた。

同社は、中期経営計画を2028年3月期に売上高250億円(前回想定210億円)・営業利益12億円(同17億円)に変更した。営業利益予想を引き下げた要因は、九州の工場が2027年4月から稼働開始する予定のためとなる。2028年3月期から償却負担の大幅な増加が見込まれる一方、工場の垂直的な立ち上げは見通せていないため、償却負担を賄いきれないことを想定している。ただ、大きく懸念する材料ではなく、トップラインは大幅に引き上げているほか、一時的な営業利益の低下だが、現状のEBITDA25億円程度のところ2028年3月期のEBITDA目標は32億円となっている。

また、2031年3月期の売上350億円・営業利益42億円目標は据え置いている。M&Aも成長施策の一環として事業成長も図るなか、2031年3月期までのCAGR30%成長でフィスコ予想EPS(2028年3月期)289.63円、11月のフィスココメントではPER10倍計算で2800円と試算していた。ただ、業績予想の引き上げにより今期予想EPS192.18円(従来想定171.38円)に引き上げられ、PERも現状12倍まで評価が切りあがっている。従来通りCAGR30%成長、中長期的に市場平均程度のPER15倍までの評価に回復すると株価は4800円台に迫る数値も試算される。過去最高値が2022年8月につけた7320円となっているが、業績が回復基調にある中で依然として上値余地は大きいといえそうだ。

同社は、主力3事業のリユース・リサイクル・化学品で売上高全体の80%を占める。各事業が単独で関わっているのではなく、同社の技術や中間処理を介して互いに関連しながら、製品の製造・販売から産業廃棄物の有効利用まで一気通貫で対応することができ、環境負荷の低減と資源有効利用を通じて顧客及び社会へ貢献することが同社グループの事業内容となる。

主力のリユース事業では、使用済み廃溶剤、廃酸、有用金属等を含む産業廃棄物などを中間処分・再資源化し、元の用途や素材として再生している。販売先に最終製品を販売して獲得する販売代金がメインの収益となる。リサイクル事業では、使用済み廃溶剤、汚泥、廃プラスチック類などの産業廃棄物を中間処分・再資源化し、再生燃料やセメント・石灰・鉄鋼の副原料及び副資材としての2次利用を中心に再資源化。こちらでは産業廃棄物排出事業者から得る処理費用が収益元となる。化学品事業では高純度溶剤の精製と化学品の受託製造を行い、有機または無機化学品の製造やフルオーダーの受託加工を行っている。そのほか、自動車事業では、各種油剤製品の製造や廃油の再資源化に取り組み、エンジニアリング事業はPCB処理で培ったノウハウを活かし、プラント改廃時の清掃・解体・廃棄物処理をワンストップで実施している。

同社の強みは、高度な分離技術と品質管理力にあり、再生品および製品の品質管理を高い水準で行うことにより高付加価値化を行っている。リユース・リサイクル・化学品を相互に補完し、廃液を再生可能か検討し、困難な場合は別事業へ振り分ける循環型モデルを構築している点が特徴。リユース事業では廃溶剤を高品質な再生品として提供し、リサイクル事業では再生燃料を安定供給する。化学品事業では半導体・電池業界向けに高純度製品等を製造し、他社が難しい領域を担う。さらに自動車事業では廃油を活用した環境対応型製品を展開し、祖業を生かしたシナジーを発揮する。総じて、大手専業他社と異なり、複数事業の横断的展開による付加価値創出が差別化の源泉となっている。そのほか、全国から様々な廃棄物を集める仕組みと特徴ある産廃許可を保有しており、全国の優良企業と直需取引を行っているリサイクル企業でありメーカーでもある稀有な企業となる。

同社は産業廃棄物を扱っているためすべての製造業が顧客になり得るなか、将来の半導体・電池・電子部品業界からの需要拡大に対応するための投資を計画通り実施している。九州エリアを中心に成長が見込まれる半導体関連企業等の産業廃棄物をマテリアルリサイクルする工場を北九州市に2027年4月の稼働を目指して建設中で、投資額は約80億円(うち最大18億円の補助金)に上る。また、希少金属マテリアルリサイクルの取扱数量増加を目的として、大阪市のA&H Japan株式会社を子会社化した。A&H Japanの子会社化により、金属関係の廃棄物からのマテリアルリサイクルを強化でき、来期以降同社とのシナジー効果も着実に出てくる想定となる。そのほか、次世代自動車の生産増に合わせ、車載電池向けバインダー製造設備に投資して試作中。同社生産設備も2025年4月より稼働しており、2028年度以降のフル生産に向け増産をかけていく予定であるが、こちらは計画にズレ込みがある見込み。

中期経営計画でも、大企業を中心としたサステナブルニーズに貢献し、半導体・電池・電子部品のマーケットの拡大を見込んでいる。成長ドライバーは主にリユース・リサイクル・化学品・エンジニアリングであり、半導体・電池・電子部品分野で需要を取り込む。九州工場や電池用バインダー製造設備を戦略拠点として半導体・電池関連及び再資源化設備の稼働率向上のほか、東西拠点を中心とした新規顧客開拓を行っていく。また、M&Aも成長施策の一環として事業成長も図る。

配当は今後の事業展開及び財務体質の充実等を勘案のうえ、非減配を基本方針として安定的な配当を継続して実施していくようで、現状の配当利回りは1.8%水準となる。PBR1倍割れ改善を目指す中、利益率の高い事業(リサイクル・エンジニアリング)へ注力するとともにスクラップアンドビルドによる低採算性設備の整理、資本コストを圧縮して自己資本比率40%程度を下限とするようだ。社会的意義のある事業として環境ニーズへの対応や再生品価値の訴求を重視するなか、IR施策を強化する予定で今年の株価動向も注目しておきたい。



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