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ヤマノHD Research Memo(5):2026年3月期中間期は増収、M&Aをこなしたうえで黒字転換

*11:35JST ヤマノHD Research Memo(5):2026年3月期中間期は増収、M&Aをこなしたうえで黒字転換
■ヤマノホールディングス<7571>の業績動向

1. 2026年3月期中間期の業績動向
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高7,161百万円(前年同期比4.6%増)、EBITDAは184百万円(同271.1%増)、営業利益は100百万円(前年同期は5百万円の損失)、経常利益は69百万円(同13百万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純利益は13百万円(同63百万円の損失)と、増収を確保するとともに黒字転換を達成した。EBITDAは前年同期の49百万円から大きく伸長し、のれん償却や取得関連費用を吸収しつつ、実質的な収益力が着実に回復していることが示されている。2025年4月及び6月に実行した2件の事業承継型M&Aに伴い、67百万円の取得関連費用が発生したものの、これをこなしたうえでの黒字化であり、業績の質は改善傾向にあると評価できる。同社は2026年3月期より、報告セグメントを「ニューバリューセグメント」と「コアバリューセグメント」の2区分に再編しており、中間期段階から役割分担が業績に表れ始めている。


コアバリューセグメントの収益改善とニューバリューセグメントの成長が鮮明に

2. セグメント別業績動向
(1) ニューバリューセグメント
ニューバリューセグメントは、教育、リユース、フォト事業で構成される成長領域であり、2026年3月期中間期の売上高は1,004百万円(前年同期比15.0%増)と高い伸びを示した。教育事業では、マンツーマンアカデミー、東京ガイダンス、灯学舎の3社を通じて66教室を展開しており、新規生徒募集や在籍生徒数の積み上げが順調に進展した。

また、2025年4月に写真スタジオ運営の薬師スタジオ、6月にリユース事業の(株)ニューヨークジョーエクスチェンジがグループに加わり、売上拡大に寄与している。特にフォト事業は、ライフイベント需要を背景に高付加価値型サービスを展開しており、今後の成長が期待される分野である。

一方、セグメント利益は13百万円(前年同期比68.4%減)にとどまった。これは、人財採用強化や教育投資、時給水準の上昇といった先行投資に加え、新規連結子会社2社におけるPMI関連費用が発生したことによるものである。あくまで一過性の費用に過ぎず、2027年3月期以降の利益貢献が期待できる局面と言える。

(2) コアバリューセグメント
コアバリューセグメントは、美容事業、和装宝飾事業、ライフプラス事業で構成される既存事業群であり、2026年3月期中間期の売上高は6,156百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益は189百万円(前年同期は41百万円の損失)と、大幅な増益を達成し、黒字転換した。

和装宝飾事業では、前期から進めてきた不採算店舗の閉鎖や営業資源の再配置といった構造改革の効果が継続している。店舗数は減少したものの、1店舗当たりの平均売上高は増加し、大型展示販売会においても販売効率と粗利率の改善が進んだ。新販売管理システム導入による商品の引渡し早期化効果も一部顕在化しており、残る効果は下期に反映される見込みである。美容事業では、店舗数減少の影響で売上高は減少したものの、価格改定やサービス内容の見直しにより利益は大きく改善した。ライフプラス事業についても、拠点統廃合や販路拡大、コスト管理の徹底により、中間期での黒字化を達成している。

コアバリューセグメント全体として、構造改革による収益体質の改善が明確に進展した中間期であったと評価できる。

3. 財務状況及び経営指標
2026年3月期中間期末の資産合計は8,121百万円と、前期末比165百万円増加した。内訳を見ると、流動資産は6,051百万円と同26百万円の微減となった一方、固定資産は2,070百万円と同191百万円増となった。流動資産では、現金及び預金が2,694百万円と同256百万円増加しており、営業活動によるキャッシュ創出や資金調達により、手元流動性は確保されている。一方で、流動資産全体が横ばいとなっている点から、在庫や売上債権の圧縮・管理が進んだことが示唆される。固定資産の増加は、2026年3月期中間期に実行した事業承継型M&Aに伴うのれん計上や設備投資によるものであり、成長投資フェーズにあることを反映した動きと言える。

負債合計は6,823百万円と前期末比195百万円増加した。なかでも有利子負債は3,127百万円と同442百万円増加しており、資産拡大の主な原資が借入によるものであることがわかる。もっとも、現金及び預金も同時に増加していることから、短期的な資金繰りリスクが高まっている状況ではない。有利子負債の増加は、事業承継型M&Aや成長投資を前提とした戦略的なレバレッジ活用と位置付けられる。

純資産合計は1,298百万円と前期末比28百万円減少し、自己資本比率は16.0%と同0.7ポイント低下した。利益は確保したものの、配当やその他有価証券評価差額金の減少が上回ったためである。また、自己資本比率の水準自体は高いとは言えないものの、同社がM&Aを含む成長投資局面にあることを踏まえれば、一定の低下は許容範囲と評価できる。今後、収益改善が継続し、利益剰余金の積み上げが進めば、財務体質は中期的に改善する余地を有している。

収益性の面では顕著な改善が確認できる。売上高営業利益率は、前年同期の-0.1%から1.4%へと改善し、1.5ポイントの改善となった。これは、コアバリューセグメントにおける構造改革の進展と、全社的なコスト管理の徹底が奏功した結果である。

営業利益率の改善は、単なる一過性の要因ではなく、事業ポートフォリオ再構築の成果が数値として表れ始めたことを示している。収益力が回復基調にあるなかで、固定資産増加や負債増加を伴う成長投資を吸収できる体質へと転換しつつある点は評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)



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