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ABEJA Research Memo(6):2026年8月期第1四半期は売上高・各利益とも四半期ベースで過去最高を更新

*12:06JST ABEJA Research Memo(6):2026年8月期第1四半期は売上高・各利益とも四半期ベースで過去最高を更新
■ABEJA<5574>の業績動向

1. 2026年8月期第1四半期の業績概要
2026年8月期第1四半期(2025年9月~11月)の業績は、売上高が1,198百万円(前年同期比55.9%増)、営業利益が219百万円(同131.8%増)、経常利益が219百万円(同131.5%増)、四半期純利益が182百万円(同113.3%増)と、売上高・各利益とも大幅な増収増益となり、四半期ベースで過去最高を更新した。売上面では、LLM関連案件を中心とした需要拡大が増収に寄与しており、特に生成AIを活用したミッションクリティカル領域での案件獲得が売上高の成長をけん引した。全売上構成に占めるLLM関連案件の比率は約80%に達しており、同社の主力領域として定着しつつある。利益面では、売上総利益率は戦略的投資の影響で一時的に低下したものの、販管費の伸びを抑制したことで収益性は改善し、営業利益率は18.3%に上昇した。プラットフォーム型ビジネスのレバレッジ効果が顕在化した四半期と評価できる。

売上総利益は704百万円(前年同期比44.8%増)となった。売上総利益率は58.8%と前年同期の63.3%から4.5ポイント低下したものの、これは将来の成長を見据えた戦略的案件への取り組みやリソース増強によるものであり、同社想定の範囲内としている。販管費は485百万円となり、前年同期比23.8%増にとどまった。人材投資や事業拡大に伴う費用増はあったものの、売上高の伸び率を下回る水準に抑制されたことが、収益性改善に寄与した。

これらの結果、営業利益率は18.3%と、前年同期の12.3%から6.0ポイント改善しており、売上高成長に対する高いレバレッジ効果が確認された。

2. 領域別業績動向
同社の売上構造は、AI導入初期の構想策定・業務設計・システム構築を担うトランスフォーメーション領域と、導入後の運用・改善を担うオペレーション領域の二層構造から成り立っている。トランスフォーメーション領域はフロー型収益の性格を有しており、案件の開始時期や検収タイミングの影響を受けやすいものの、四半期ごとの売上水準はおおむね高いレンジで推移している。前期を通じて一定の変動は見られたが、2026年8月期第1四半期においては大型LLM関連案件の進展を背景に売上が大きく拡大し、同領域の成長力があらためて確認された。

一方で注目すべきは、オペレーション領域売上の推移である。同領域は「ABEJA Platform」上でのAI運用・保守・継続改善を中心としたストック型収益で構成されており、四半期を追うごとに売上高が着実に積み上がる傾向が明確になっている。前期第1四半期時点ではオペレーション領域の売上規模は限定的であったが、その後も四半期ごとに増加基調を維持し、2026年8月期第1四半期には過去最高水準まで拡大した。これは、過去に獲得したトランスフォーメーション案件が順次運用フェーズへ移行していることを示しており、同社のビジネスモデルが想定どおりに機能していることを裏付けている。このオペレーション領域売上の積み上がりは、単なる売上増加以上の意味を持つ。AI導入が単発プロジェクトに終わらず、業務基盤として定着し、長期利用へと移行していることを示すものであり、同社プラットフォームのスイッチングコストが高まりつつあることの証左と言える。また、オペレーション領域は追加コストの増加が限定的であるため、売上拡大に伴って利益率が改善しやすい構造にある。実際に2026年8月期第1四半期においては、売上高の大幅増加とともに営業利益率が前年同期比で大きく改善しており、プラットフォーム型ビジネス特有のレバレッジ効果が顕在化し始めている。

3. 財務状況と経営指標
2026年8月期第1四半期末における同社の資産合計は5,261百万円となり、前期末比56百万円の減少となった。内訳を見ると、流動資産は5,049百万円(前期末比54百万円減)とほぼ横ばい水準を維持している。このうち、現金及び預金は4,257百万円と同328百万円減少した。これは営業活動の拡大に伴う人材投資や研究開発投資、事業運営に伴う支出によるものであり、資金繰りの悪化を示すものではない。依然として現金及び預金の残高は4,000百万円超と高水準にあり、同社の事業規模や成長投資を賄う十分な流動性を確保している。固定資産は212百万円と同1百万円の微減にとどまっており、大型設備投資を必要としないソフトウェア・プラットフォーム型ビジネスの特性が引き続き表れている。

負債合計は566百万円となり、前期末比279百万円の大幅減少となった。主因は未払金や未払費用等の減少によるものであり、財務体質の改善が進んでいると言える。有利子負債は引き続きゼロであり、無借金経営を継続している。この結果、純資産合計は4,694百万円と同223百万円増加した。これは主として四半期純利益の計上によるものであり、利益成長がそのまま自己資本の積み上げに直結している構造が確認できる。

自己資本比率は89.2%と前期末の84.0%から5.2ポイント上昇し、極めて高い水準に達した。財務レバレッジに依存しない健全な財務構造を維持しながら成長投資を継続できる体制が一段と強化されたと評価できる。経営指標面では、売上高営業利益率が18.3%と前年同期の12.3%から6.0ポイント改善した。売上高の大幅増加に対し、販管費の伸びを相対的に抑制したことにより、プラットフォーム型ビジネスのレバレッジ効果が顕在化している。

特に注目されるのは、自己資本比率の上昇と営業利益率の改善が同時に進んでいる点である。一般的に高成長局面では財務負担が増加しがちであるが、同社は無借金かつ高い自己資本比率を維持したまま収益性を大きく改善しており、事業モデルの質の高さが裏付けられている。同社は財務的制約をほとんど受けない極めて健全なバランスシートを有しており、中長期の成長投資や大型案件への対応余力は十分に確保されている状態にある。今後は、現預金を原資とした人材投資・研究開発投資を継続しつつも、プラットフォーム事業の拡大による高利益率構造がどこまで持続・拡張されるかが注目点となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)



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