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インフキュリオン Research Memo(9):成長戦略の三位一体推進により、中長期的な企業価値向上を目指す

*11:09JST インフキュリオン Research Memo(9):成長戦略の三位一体推進により、中長期的な企業価値向上を目指す
■中長期の成長戦略

インフキュリオン<438A>の成長戦略は、大きく3つの柱から構成されている。(1)ターゲット顧客の増加、(2)付加価値・提供領域の拡大、(3)戦略的アライアンス、である。これらを同時並行で推進することでGTVの拡大と収益性向上の両立を図り、持続的な企業価値向上を目指す方針である。

(1)ターゲット顧客の増加
同社はSaaS企業やスタートアップなどの新興企業を中心に、決済・金融機能を自社サービスに組み込むニーズを着実に取り込んできた。このような企業はサービス成長に伴って決済額が拡大する傾向が強く、顧客数の増加がそのままGTV成長に直結する。一方で近年は、従来型の決済・基幹システムを利用してきた金融機関や大手企業においても、モダンな決済基盤への移行ニーズが高まっている。同社はプロダクトの導入ハードルを引き下げることで、伝統的企業の「モダン決済事業者」への転換を促進し、顧客層を一段と広げる戦略を採っている。急成長企業と伝統的企業の双方に深く入り込むことで、複層的な顧客ネットワークを形成し、顧客ベースが自律的に拡大していく高成長モデルを構築していく。

(2)付加価値・提供領域の拡大
同社は決済機能の提供にとどまらず、請求、資金管理、カード発行、経理・業務効率化など周辺領域へと提供機能を拡張してきた。高機能化と領域拡大により顧客の利便性とエンゲージメントを高め、プラットフォームとしての競争優位性を強化している。継続的なプロダクト投資により、既存顧客における利用領域の拡大と新規顧客の獲得を同時に進めることで、GTVの拡大に加えて単価や収益性の向上を図る。

(3)戦略的アライアンス
象徴的な取り組みとして、SMBCグループとの共同推進体制が挙げられる。両社は提携第一弾として「Trunk」をリリースし、中小企業向けに法人口座開設、ビジネスカード発行、経理業務の効率化などをデジタルで完結できる総合金融サービスを提供している。メガバンクグループの顧客基盤と信用力を背景に、同社の決済・金融プラットフォームを組み合わせることで、法人向け決済領域におけるリーチと存在感を高めていく。

これら3つの成長戦略は相互に補完関係にあり、顧客基盤の拡大がGTV成長を牽引し、提供価値の深化が顧客定着と収益性向上を支え、戦略的アライアンスが成長スピードと信頼性を高める構図となっている。決済市場は中長期的にキャッシュレス化や業務デジタル化の進展が見込まれる分野であり、同社が掲げる「あらゆる事業者をモダン決済事業者に転換する」という方向性は市場環境とも整合的である。以上を踏まえると、同社は成長余地の大きい決済市場を背景に、GTVの拡大と収益性向上を両立させながら、中長期的に企業価値を持続的成長させていくことが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)



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