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ケイファーマ Research Memo(1):iPS細胞由来の再生医療製品で脊髄損傷治療の企業治験準備が進む

*11:01JST ケイファーマ Research Memo(1):iPS細胞由来の再生医療製品で脊髄損傷治療の企業治験準備が進む
■要約

ケイファーマ<4896>は、2016年に慶應義塾大学発のバイオベンチャーとして設立された。iPS細胞を活用した創薬及び再生医療事業を展開しており、脳・神経領域におけるアンメットメディカルニーズの高い疾患を対象に研究開発を行っている。iPS創薬事業で6本、再生医療事業で5本のパイプラインを走らせている。導出実績としては、ALS(筋萎縮性側索硬化症)治療薬「KP2011」について、日本を対象としたライセンス契約を2023年にアルフレッサ ファーマ(株)と締結している。

1. iPS創薬事業の開発状況
iPS創薬とは、患者から採取した細胞を用いて疾患特異的iPS細胞を作製する技術である。この技術により、既存治療薬ライブラリのなかから薬効の高い候補化合物を効率的に特定し、異なる疾患の治療薬として開発を進めるドラッグリポジショニング(既存薬再開発)の手法を活用した創薬事業として展開している。現在、最も開発ステージが進んでいるALS治療薬は、2025年12月に導出先のアルフレッサ ファーマが患者のQOL向上等を考慮して実施した新製剤(顆粒剤)での薬物動態及び安全性試験が終了した。今後、第3相臨床試験の準備を進めていくものと見られ、順調に進めば2029年ごろの上市が見込まれる。2026年1月にはFDA(米国食品医薬品局)からpre-IND※ミーティングのリクエストに対する回答を受領した。

※ pre-INDとは、治験計画届(IND)を提出する前段階で行われるFDAとの相談プロセスを指す。治験の実施に必要となる情報や計画について確認を行い、FDA側からフィードバックを受け取ることができる。

2. 再生医療事業の開発状況
再生医療事業では、iPS細胞から分化誘導した神経前駆細胞を脊髄損傷や脳梗塞の患者に移植することで疾患部の神経再生を促し、四肢機能の回復を目指す医療技術の開発に取り組んでいる。最も進んでいるパイプラインは亜急性期脊髄損傷を対象とした「KP8011」で、医師主導臨床研究での良好な結果を受け、2027年にも条件・期限付き承認制度を活用した治験開始を目指す。治療用細胞の製造については(株)ニコン・セル・イノベーションと製造委託契約の基本合意書を2026年2月に締結したほか、アルフレッサ(株)と国内における卸売販売及び輸送・配送に関する独占ライセンス契約を2025年11月に締結するなど上市を見据えた体制整備も着々と進めている。

3. 業績動向
2025年12月期の業績は売上高の計上がなく、営業損失で916百万円(前期は836百万円の損失)となった。主に人件費が増加し、研究開発費は前期とほぼ同水準の414百万円となった。2026年12月期の業績も売上高の計上は見込まず、営業損失は1,520百万円を計画している。売上高は海外でのALS治療薬候補品などライセンス契約が決まる可能性もあるが、保守的に0円として開示している。

■Key Points
・ALS治療薬は海外でのライセンス活動に向け、FDAより前向きな情報を取得
・2027年に亜急性期脊髄損傷を対象とした企業治験開始を目指す
・2026年12月期は研究開発費の増加により損失額が拡大する見通し
・中枢神経領域を主なターゲットに開発パイプラインを拡充し成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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