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オーケーウェブ:コミュニティ基盤の再成長とM&Aで収益再構築を模索、黒字化への道筋が焦点

*11:46JST オーケーウェブ:コミュニティ基盤の再成長とM&Aで収益再構築を模索、黒字化への道筋が焦点
オーケーウェブ<3808>は、Q&Aコミュニティ「OKWAVE」を基盤に、法人向けコミュニティ支援サービス「OKWAVE Plus」やクラウドサンクスカード「GRATICA」を展開するほか、2024年7月にマッチングサービスを運営する株式会社オープンサイトを子会社化し、さらに2025年10月にSNS活性化のオンラインスクール・インフルエンサープロモーション事業を手掛けるメディアリメイクを子会社化し、事業ポートフォリオの再構築を進めている。

オーケーウェブの事業をみるうえで重要なのは、同社が単なるQ&Aサイト運営会社ではなく、コミュニティ運営を軸に法人向けソリューションへ事業の重心を移している点である。個人向けにはQ&A形式の「OKWAVE」を展開し、法人向けには企業とユーザー、あるいはユーザー同士の継続的な接点形成を支援する「OKWAVE Plus」を提供している。導入先にはエプソン、NEC、富士通などがあり、主としてカスタマーサポート領域で、ユーザー同士の問題解決を通じて問い合わせ対応の効率化と顧客接点の維持を両立させるサービスとして位置付けられている。また、組織向けには「ありがとう」の可視化を通じて関係性やエンゲージメントの向上を図る「GRATICA」を展開しており、事業ドメインはコミュニティ、感謝の可視化、マッチングへと広がっている。

競争環境については、企業向けコミュニティ支援ではCommmuneやKhorosのようなコミュニティ運営支援サービスが類似領域に存在し、感謝・ピアボーナス領域ではUniposやアトラエのWevoxなど周辺サービスが意識される。ただ、法人向けコミュニティ支援について「直接競合は必ずしも多くない」との認識を示しており、同社の差別化要因として、FAQ削減やサポート効率化ではなく、「ありがとう」が生まれるコミュニケーション設計を重視している点を挙げている。特に、企業が顧客の声を拾いたい一方で炎上リスクを懸念する中、同社は長年のコミュニティ運営ノウハウを通じて、ネガティブな対立ではなく感謝や共助が生まれやすい設計を提供できることを強みとして訴求している。「GRATICA」についても、機能比較だけでなく、感情や温かみを含んだエモーショナルな体験価値が他サービスとの差別化ポイントとして意識されている。

足元業績をみると、2026年6月期第2四半期累計の売上高134百万円(前年同期比36.5%増)となった一方、営業損失は80百万円と依然赤字が続いている。増収要因は、2025年10月1日に取得したメディアリメイクの新規連結に加え、abc社向けWebプロモーション業務の寄与、さらにGRATICAで高単価顧客の獲得が進んだことである。他方、利益面では再成長に向けた採用強化やメディアリメイク取得関連費用の増加が重く、販管費が膨らんだ。通期計画は、売上高300~500百万円(前期比27.8%~113.0%)、営業損益100百万円の赤字から1百万円の黒字を見込んでいる。

同社の中期経営計画では、「世界中のありがとうの物語を蓄積し可視化する」というパーパスの下、短期的には法人向けSaaSとマッチングを収益基盤として育てる方針が打ち出されている。サービス群としては、GRATICA、コミュニティ、Webメディア、マッチングを柱に据えている。既存事業の積み上げでは、HR領域を中心にGRATICAの存在感を高めていく方針で、非連続成長の部分では教育・学び、人材マッチング、さらには恋愛など「何かと何かをつなげる」領域でM&Aも活用しながら収益機会を拡張していく構想である。直近のM&Aとなるメディアリメイクはスクール系事業を軸に、自己啓発やコーチング系の個人向け講座などカテゴリーを広げていく。

市場環境では、OKWAVEおよびOKWAVE Plusは、生成AIの普及で逆風を受けやすい領域とみられがちだが、むしろ企業にとって顧客の生の声を把握する重要性が高まっているという。問い合わせやコールセンター機能を見直す動きが一部でみられる一方、企業はユーザーコミュニティを通じて顧客接点を増やしたいニーズを持つものの、炎上リスクを恐れて自前運営に踏み切れないケースがある。そのなかで同社は、「ありがとう」しか生まれないコミュニケーション設計や炎上しにくいコミュニティ運営ノウハウを提供できる点に独自性を見出している。また、個人向けOKWAVEについては、足元で検索アルゴリズム変更の影響を受けつつも、なお300万ユニークユーザー規模の流入があるとされており、トラフィック基盤自体は維持されている模様である。検索依存の集客構造やAI検索時代への適応は注視点だが、同社がコミュニティの価値を「問題解決」から「関係性の継続」へ再定義できれば、収益化余地は残る。

株式市場との対話という点では、同社は名証ネクスト上場ではあるものの、会社側は東証企業と同等にIRの強化が求められるとの認識を示している。同社は特設注意市場銘柄指定解除を経て債務超過に至ったものの、2025年9月末に上場維持が決まった。既存事業の積み上げと小型M&Aによる収益力補完が機能し、営業赤字縮小から黒字化への道筋が具体化するかが最大の焦点となる。特にGRATICAのSaaSとしての積み上がり、OKWAVE Plusの再成長、メディアリメイクの利益貢献、そして追加資本政策の有無が、今後の企業価値を左右する重要変数になるとみられる。



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