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大成ラミック:液体小袋包装のニッチトップ、海外・新サービスで次の成長を探る

*14:51JST 大成ラミック:液体小袋包装のニッチトップ、海外・新サービスで次の成長を探る
大成ラミックグループ<4994>は、液体包装を事業の柱とする包装フィルムメーカーで、小容量の液体包装に用いる高機能フィルム、液体充填機「DANGAN」シリーズ、さらに包装工程の運用支援や研修までを含めた一体提案を行う「液体包装ソリューション企業」となる。食品業界を中心に液体充填用フィルムの開発・製造・販売を行い、同時に液体充填機を提供することで包装リスクに対するトータルソリューションを提供している。2024年3月期時点の売上の地域構成では、日本84%・海外16%となっている。

同業界では、フィルムだけ、あるいは機械だけを供給する企業は存在する一方、三位一体で提供する競合は見当たらないとの認識を示している。液体小袋では漏れリスクが最重要テーマの一つであり、不具合が起きた際にはフィルム起因か機械起因かの切り分けが難しいが、同社はフィルムと機械の両方を持つことで原因分析から改良提案までをワンストップで担える。不具合時の解決力は、平時の価格競争力以上に顧客の継続採用を支える要素であり、定量化しづらいが強い参入障壁として機能している。競合としてはフィルム領域で凸版印刷、DNP、丸東産業などのコンバーター、機械領域で三光機械などが想起されるが、同社の強みは単体製品の優劣以上に、液体小袋包装全体を最適化する設計思想にある。

同社のビジネスモデルは、収益の安定性という観点でも評価しやすい。フィルムは食品メーカー向けの継続受注が主体で、1SKUごとに酸素透過性や保存性、印刷品質などの評価を行ったうえで採用され、市場で販売が続く限りリピート受注が積み上がる構造にある。景気敏感な耐久消費財というより、日用品・食品のサプライチェーンに組み込まれたディフェンシブ色の強い事業と捉えられよう。

業績面では、2026年3月期第3四半期累計では売上高23,927百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は1,495百万円(同17.5%減)で着地した。包装フィルム事業では、国内市場で販売数量がほぼ前年並みと底堅く推移したことに加え、継続的に取り組んでいる価格改定の効果により売上高は前年同期を上回った。海外市場においても総じて堅調な地合いとなったようだ。包装機械部門は、国内市場で販売台数が前年同期実績を上回るとともに、アフターサービスも堅調に推移したが、海外市場では東アジア地域で前年の大口案件受注による反動減や、米州地域では企業設備投資意欲の力強さに欠け、販売台数が減少したようだ。通期計画は、売上高32,050百万円(前期比3.9%増)、営業利益1,650百万円(同30.5%減)と増収・営業減益を見込んでいる。

2024年5月公表の中期経営計画では、2027年3月期に売上高319億円、営業利益18億円を計画していたが、その後の進捗報告では2025年3月期の段階で売上は308億円まで到達し、数量面では前倒し感が出ている。他方で、利益計画については足元のコスト環境を踏まえ見直しが入っており、まず既存事業の収益力最大化、海外での良質な事業基盤拡大、新事業・新分野創出を着実に進める姿勢を示している。国内フィルム事業は販売価格の最適化、生産性の更なる改善を追求し引き続き強力に推進すること、環境対応フィルム等の開発に代表される新たな製品付加価値の創出に努めることで更なる利益額、利益率の向上を目指す。海外は、引き続き数量と利益の両立を前提とした事業拡大を目指し、各地域の特性に応じたローカル戦略の展開をスピーディーに行い、新たな商圏の拡大に努める。そのほか、新業態・新分野の創出では、IoTサービス「H.U.G.Home」の展開も注目。稼働状況の遠隔把握、生産状態の可視化・分析、メンテナンス支援などを行うクラウドサービスとされており、単発の設備販売から継続型サービスへと収益モデルを広げる試みなる。

財務面では、2026年3月期第3四半期末の自己資本比率は74.4%、2025年3月期でも73.5%と高水準で、総じて強固なバランスシートを有する。ネットキャッシュの使途やM&A戦略への関心も示されており、資本余力を今後どこまで成長投資や株主還元に振り向けるかが注目となろう。配当は2025年3月期が年間80円、2026年3月期予想は年間70円で、会社は「安定的な利益還元」を基本方針としている。

総じて大成ラミックグループは、液体小袋包装というニッチ市場で、フィルムと機械の両輪を持つことで高い継続性と安定収益力を築いてきた。景気変動に左右されにくい食品・日用品向け需要に支えられ、既存事業だけでも一定のキャッシュ創出力を持つ一方、海外展開やH.U.G.Home、新規事業の育成によって成長の上積み余地も残している。総じて、堅い事業基盤を土台に海外とサービスで緩やかな成長を目指す「高耐久型ニッチトップ」として今後の動向を注視していきたい。



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