フィスコニュース
ロココ Research Memo(6):2026年12月期も主力事業がけん引し、2ケタ増収増益が続く見通し
2026/03/23 11:06
*11:06JST ロココ Research Memo(6):2026年12月期も主力事業がけん引し、2ケタ増収増益が続く見通し
■ロココ<5868>の今後の見通し
1. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績は、売上高で前期比12.1%増の10,304百万円、営業利益で同16.2%増の610百万円、経常利益で同19.5%増の603百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同29.0%増の409百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。
2026年12月期の基本方針として、1) ServiceNow事業を筆頭に各事業の継続的な成長、2) 顔認証技術の向上により様々なシーンで活用、3) 生成AIの活用で応対品質の標準化・人材不足の補完を実現、4) 人事制度の改定や福利厚生の拡充で人材の確保と育成の強化に取り組み、継続的な収益成長と事業基盤のさらなる強化を推進していく。
ITO&BPO事業のうち、ITサービスマネジメント事業はIT機器の反動減が見込まれるものの、引き続き新規顧客の獲得並びに既存顧客向けの増員や単価アップを進めることで増収を見込む。価格交渉については400社超の顧客のうち、採算の低い顧客から順に10%程度の値上げを目標に交渉を進めており、全体では平均で1~2%の単価上昇を想定している。カスタマーコミュニケーション事業は、引き続き新規顧客の開拓により2ケタ増収を目指す。イベント事業は前期比横ばい、ソリューション事業は顔認証システムのイベント会場での導入が増える見通しで2ケタ増収を見込む。ポーランドでの研究開発により顔認証技術の高精度化、高速化を実現したことで、大勢の観客が集まるイベント会場の入場時本人確認システムとして活用される。
クラウドソリューション事業のうち、ServiceNow事業については旺盛な需要が続いている状況に変わりなく、人材育成に注力することで2ケタ増収を見込む。HRソリューション事業では、2年前に大型改修を行った大手顧客のグループ企業にも導入が広がることで2ケタ増収に転じる見通しである。システムソリューション事業については堅調推移を見込んでいる。
費用面では、積極的な人材採用の継続と、2026年4月に給与改定を実施することで人件費の増加を見込んでおり、原価率は前期比で若干上昇する見通しとなっている。販管費も金額ベースでは福利厚生費や研究開発費を中心に増加を見込んでいるが、増収効果により販管費率は低下し、営業利益率は0.2ポイント上昇する計画となっている。なお、2026年春の新卒採用は25名と前年から若干減少するため、中途採用を70名強程度と増やし、全体では前期並みの採用数を計画している。
AI関連企業の子会社化により、さらなる売上拡大、収益力の強化を目指す
2. Automagicaの子会社化について
2025年12月に子会社化したAutomagica(出資比率70.03%、取得価額341百万円)については、クラウドソリューション事業に含める予定で、売上高で数億円、利益ベースではのれん償却71百万円を含めると収支均衡ラインで計画に織り込んでいると見られる。Automagicaは2021年に設立され、「日本企業のAI導入のハードルを下げる」をミッションに掲げ、「カリスマAI」というブランド名で生成AIを活用したシステム・アプリ開発及び業務自動化の支援、SaaS型のAIエージェント(自社サービス)事業を展開している。生成AIの利活用が広がるなか、2024年以降急速に売上を伸ばしており、黒字経営となっている。2025年12月期の業績は10月までの10ヶ月間で売上高208百万円、営業利益10百万円となっており、売上高はAIサービスと受託開発がそれぞれ同規模となっている。
今後の取り組みとして、同社の顧客先に対してAutomagicaのサービスを提供することで売上拡大を目指すほか、同社が展開しているITサービスマネジメント事業やカスタマーコミュニケーション事業で生成AI及び自動化技術を活用することで、業務の効率化、コスト削減、サービス品質の向上を実現し、さらなる事業拡大を図る考えだ。また、社内での各種業務(人事部・経理部業務、各事業部の事務作業等)に生成AIを活用することで、業務効率の向上、人材不足の補完、人材採用費の削減、応対品質の標準化などの効果も期待される。そのほか既存プロダクト(勤怠管理システム等)に生成AI技術を組み合わせることで、付加価値の高い新規プロダクトを共同開発することも今後検討していく。
生成AIの急速な技術進化及び普及が進むなかで、IT企業にとって生成AI技術を自社製品・サービスに活用し、付加価値向上に取り組むことは成長を図るうえでの必須要件である。今回のM&Aは、同社にとって中長期的な企業価値向上を図るうえでプラスに働くものと弊社では評価している。なお、生成AI分野については今後もシナジーが見込める案件であれば、M&Aを前向きに検討していく意向である。
人材投資の強化、既存事業の拡大、生成AIの活用で成長を目指す
3. 成長戦略
同社は今後の成長戦略として、1) 成長の源泉となるエンジニアの採用・育成強化、2) 既存事業の拡大に向けた新規顧客の獲得、既存顧客へのクロスセル・アップセル、3) 顔認証技術の向上と生成AIの活用による社会や企業のDX化支援に取り組むことで中長期的な収益拡大を目指す方針だ。
(1) エンジニアの採用・育成強化
エンジニアの採用強化施策として、人事制度や福利厚生制度の見直しを進めている。新卒採用については、インターンシップ制度の活用による早期戦力化に取り組んでおり、キャリア採用については60歳以上まで募集範囲を広げて積極的に採用を進めているほか、地方における人材採用を図るべく2025年8月には松江市に「松江BASE」を開設した。採用したエンジニアについては各種技術資格の取得を推進し、スキルアップを図ることで高付加価値または高単価案件を獲得していく。また、働き方改革や職場環境の改善に取り組むことで定着率の維持向上を図る。2025年12月末時点でエンジニアは588名だが、今後も1割増を目標に採用を進めていくものと見られる。
(2) 既存事業の拡大
既存事業の拡大に向けて、新規顧客の獲得と既存顧客へのクロスセル・アップセルに取り組んでいく。営業強化施策として、2026年2月に広島営業所を新設しており、地域密着体制により事業拡大を目指す。ServiceNow事業についてはDX化ニーズを追い風に旺盛な需要が続いており、Eliteパートナーとして認定されている強みを生かして認定資格者の育成・増員に取り組みながら年率2ケタ成長を目指す。
(3) 顔認証技術の向上と生成AIの活用によるDX化支援
顔認証システムについて、同社は入退場管理システムを中心に各種ソリューションを展開しているが、さらなる性能向上により、利活用シーンの広がりを目指す。イベント会場のほかオフィスや工場の入退室、交通機関の入退場ゲートなど普及余地は大きい。特にイベント分野では、問題になっている転売ヤー対策にもなるため導入が進むことを期待したい。顔認証システムについては限界利益率も高く、売上拡大による利益貢献も大きいだけに、今後の開発動向が注目される。一方、生成AIの活用については既述のとおり、Automagicaとの協業によりシナジー創出を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
■ロココ<5868>の今後の見通し
1. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績は、売上高で前期比12.1%増の10,304百万円、営業利益で同16.2%増の610百万円、経常利益で同19.5%増の603百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同29.0%増の409百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。
2026年12月期の基本方針として、1) ServiceNow事業を筆頭に各事業の継続的な成長、2) 顔認証技術の向上により様々なシーンで活用、3) 生成AIの活用で応対品質の標準化・人材不足の補完を実現、4) 人事制度の改定や福利厚生の拡充で人材の確保と育成の強化に取り組み、継続的な収益成長と事業基盤のさらなる強化を推進していく。
ITO&BPO事業のうち、ITサービスマネジメント事業はIT機器の反動減が見込まれるものの、引き続き新規顧客の獲得並びに既存顧客向けの増員や単価アップを進めることで増収を見込む。価格交渉については400社超の顧客のうち、採算の低い顧客から順に10%程度の値上げを目標に交渉を進めており、全体では平均で1~2%の単価上昇を想定している。カスタマーコミュニケーション事業は、引き続き新規顧客の開拓により2ケタ増収を目指す。イベント事業は前期比横ばい、ソリューション事業は顔認証システムのイベント会場での導入が増える見通しで2ケタ増収を見込む。ポーランドでの研究開発により顔認証技術の高精度化、高速化を実現したことで、大勢の観客が集まるイベント会場の入場時本人確認システムとして活用される。
クラウドソリューション事業のうち、ServiceNow事業については旺盛な需要が続いている状況に変わりなく、人材育成に注力することで2ケタ増収を見込む。HRソリューション事業では、2年前に大型改修を行った大手顧客のグループ企業にも導入が広がることで2ケタ増収に転じる見通しである。システムソリューション事業については堅調推移を見込んでいる。
費用面では、積極的な人材採用の継続と、2026年4月に給与改定を実施することで人件費の増加を見込んでおり、原価率は前期比で若干上昇する見通しとなっている。販管費も金額ベースでは福利厚生費や研究開発費を中心に増加を見込んでいるが、増収効果により販管費率は低下し、営業利益率は0.2ポイント上昇する計画となっている。なお、2026年春の新卒採用は25名と前年から若干減少するため、中途採用を70名強程度と増やし、全体では前期並みの採用数を計画している。
AI関連企業の子会社化により、さらなる売上拡大、収益力の強化を目指す
2. Automagicaの子会社化について
2025年12月に子会社化したAutomagica(出資比率70.03%、取得価額341百万円)については、クラウドソリューション事業に含める予定で、売上高で数億円、利益ベースではのれん償却71百万円を含めると収支均衡ラインで計画に織り込んでいると見られる。Automagicaは2021年に設立され、「日本企業のAI導入のハードルを下げる」をミッションに掲げ、「カリスマAI」というブランド名で生成AIを活用したシステム・アプリ開発及び業務自動化の支援、SaaS型のAIエージェント(自社サービス)事業を展開している。生成AIの利活用が広がるなか、2024年以降急速に売上を伸ばしており、黒字経営となっている。2025年12月期の業績は10月までの10ヶ月間で売上高208百万円、営業利益10百万円となっており、売上高はAIサービスと受託開発がそれぞれ同規模となっている。
今後の取り組みとして、同社の顧客先に対してAutomagicaのサービスを提供することで売上拡大を目指すほか、同社が展開しているITサービスマネジメント事業やカスタマーコミュニケーション事業で生成AI及び自動化技術を活用することで、業務の効率化、コスト削減、サービス品質の向上を実現し、さらなる事業拡大を図る考えだ。また、社内での各種業務(人事部・経理部業務、各事業部の事務作業等)に生成AIを活用することで、業務効率の向上、人材不足の補完、人材採用費の削減、応対品質の標準化などの効果も期待される。そのほか既存プロダクト(勤怠管理システム等)に生成AI技術を組み合わせることで、付加価値の高い新規プロダクトを共同開発することも今後検討していく。
生成AIの急速な技術進化及び普及が進むなかで、IT企業にとって生成AI技術を自社製品・サービスに活用し、付加価値向上に取り組むことは成長を図るうえでの必須要件である。今回のM&Aは、同社にとって中長期的な企業価値向上を図るうえでプラスに働くものと弊社では評価している。なお、生成AI分野については今後もシナジーが見込める案件であれば、M&Aを前向きに検討していく意向である。
人材投資の強化、既存事業の拡大、生成AIの活用で成長を目指す
3. 成長戦略
同社は今後の成長戦略として、1) 成長の源泉となるエンジニアの採用・育成強化、2) 既存事業の拡大に向けた新規顧客の獲得、既存顧客へのクロスセル・アップセル、3) 顔認証技術の向上と生成AIの活用による社会や企業のDX化支援に取り組むことで中長期的な収益拡大を目指す方針だ。
(1) エンジニアの採用・育成強化
エンジニアの採用強化施策として、人事制度や福利厚生制度の見直しを進めている。新卒採用については、インターンシップ制度の活用による早期戦力化に取り組んでおり、キャリア採用については60歳以上まで募集範囲を広げて積極的に採用を進めているほか、地方における人材採用を図るべく2025年8月には松江市に「松江BASE」を開設した。採用したエンジニアについては各種技術資格の取得を推進し、スキルアップを図ることで高付加価値または高単価案件を獲得していく。また、働き方改革や職場環境の改善に取り組むことで定着率の維持向上を図る。2025年12月末時点でエンジニアは588名だが、今後も1割増を目標に採用を進めていくものと見られる。
(2) 既存事業の拡大
既存事業の拡大に向けて、新規顧客の獲得と既存顧客へのクロスセル・アップセルに取り組んでいく。営業強化施策として、2026年2月に広島営業所を新設しており、地域密着体制により事業拡大を目指す。ServiceNow事業についてはDX化ニーズを追い風に旺盛な需要が続いており、Eliteパートナーとして認定されている強みを生かして認定資格者の育成・増員に取り組みながら年率2ケタ成長を目指す。
(3) 顔認証技術の向上と生成AIの活用によるDX化支援
顔認証システムについて、同社は入退場管理システムを中心に各種ソリューションを展開しているが、さらなる性能向上により、利活用シーンの広がりを目指す。イベント会場のほかオフィスや工場の入退室、交通機関の入退場ゲートなど普及余地は大きい。特にイベント分野では、問題になっている転売ヤー対策にもなるため導入が進むことを期待したい。顔認証システムについては限界利益率も高く、売上拡大による利益貢献も大きいだけに、今後の開発動向が注目される。一方、生成AIの活用については既述のとおり、Automagicaとの協業によりシナジー創出を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>


フィスコニュース
新着コラム/レポート




















