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アクシス Research Memo(3):金融機関向けを主軸とするシステムサービス事業が売上の9割超を占める
2026/03/23 11:33
*11:33JST アクシス Research Memo(3):金融機関向けを主軸とするシステムサービス事業が売上の9割超を占める
■事業概要
1. 事業ポートフォリオ概況
アクシス<4012>の事業は、「システムサービス事業」と「ITサービス事業」の2つのセグメントで構成される。2025年12月期の売上高構成比は、システムサービス事業が94.6%、ITサービス事業が5.4%であり、売上高の大半をシステムサービス事業が占めている。
安定した収益基盤であるシステムサービス事業で得た資金を、将来の成長ドライバーと位置付けるITサービス事業に投資することで、持続的な企業価値の向上を目指すビジネスモデルである。
2. システムサービス事業
創業以来、金融機関や公共機関、情報通信事業者などを主要顧客とし、ITコンサルティングから業務アプリケーションの開発、クラウド基盤構築、ネットワーク関連サービス、そして運用・保守に至るまで、顧客のITシステムに関するあらゆるニーズにワンストップで応えるSIサービスを提供してきた。2025年12月期からは、従来の「システムインテグレーション事業」という名称を「システムサービス事業」に変更し、サービス内容の拡充と組織体制の再構築を図っている。
同事業の最大の特徴は、金融分野における高い専門性と強固な顧客基盤にある。2024年12月期の有価証券報告書によると、当事業における業種別売上高構成比は、金融が52.5%と過半を占め、これに公共(20.3%)、情報通信(15.5%)が続き、これら主力3業種で全体の約9割を構成している。金融分野への深い知見と実績が、大手金融グループや大手SIerとの長期的な信頼関係の構築につながっており、2024年12月期は、当事業の売上高の85.2%が5年以上の継続取引先によって占められている。顧客の業務特性を深く理解し、的確なシステム提案と安定した開発・運用を実現する対応力が、高い顧客維持率の基盤となっている。
事業モデルは、顧客との直接取引のほか、富士通<6702>や(株)NTTデータといった大手SIerのプライムパートナーとして大規模プロジェクトの中核を担う形態も多い。事業プロセスは、営業活動から要件定義・コンサルティング、設計・開発、テスト、リリース後の運用・保守まで一貫した体制を構築している。近年は、より付加価値の高い上流工程へのシフトを戦略的に推進しており、システム開発にとどまらず、顧客の経営課題解決に貢献するITコンサルティング領域の強化を図っている。
同事業の強みは、徹底した収支管理による安定した経営にある。同社はバブル崩壊直後の1991年の創業を背景としたプロジェクトの採算性に対する意識が極めて高い。個々のプロジェクトにおいて、稼働人員単位での緻密な採算性管理を徹底する「失敗しないプロジェクトマネジメント」によるリスク管理を確立しており、その結果、過去に赤字プロジェクトを発生させることなく、創業以来35期連続の黒字経営を維持している。この卓越したプロジェクト管理能力は、顧客からの信頼獲得はもとより、安定した収益基盤の構築に大きく貢献している。
次に挙げられる強みとして「金融分野の高い専門性と強固な顧客基盤」がある。特に銀行、証券、クレジットといった領域では、長年の経験で培った業務ノウハウが蓄積されており、これが競合他社に対する大きな差別化要因となっている。具体的には、金融商品取引管理や外貨資金取引などの市場系システム、融資ローンや預金為替などの勘定系システム、債権管理、リスク管理といった幅広い分野の開発に対応している。特に市場系システムにおいては、多くの案件を通じて顧客と長期的な協力関係を築いてきた。その結果、顧客の視点に立った最適なシステム提案が可能な、市場でも貴重な人材の育成に成功している。専門知識と人材力によって、市場系システムのコンサルティングや情報分析から、システム企画・設計、開発、運用・保守に至るまで、トータルサポートを提供できる点も強みとなっている。複雑でミッションクリティカルな要件が求められる金融システムにおいて、業務を深く理解したエンジニアが最適なソリューションを提供できる点は、大手金融機関や大手SIerから高く評価されている。この強固な顧客基盤は、安定的な収益をもたらすだけでなく、FinTechなどの新たな技術領域における協業機会の創出にもつながっている。
システムサービス事業におけるKPIの一つは受注残高である。受注時期による増減はあるものの、右肩上がりに推移している。また、近年は案件の大型化が進み、プロジェクト平均受注額が増加傾向にある。
3. ITサービス事業
ITサービス事業は、将来の成長ドライバーとして注力するセグメントで、クラウド型サービスの提供を主軸としている。具体的には、自社開発の運行管理システム「KITARO」の提供、中小企業のDXを支援するコンサルティングサービス「まるっとアクシス」、「ITサポート」などの事業を展開している。2025年12月期における売上高は435百万円(全社売上高の5.4%)と売上規模は限定的だ。新中期経営計画「Go Beyond」においては、クラウドサービスの拡充、DXコンサルティングの強化、AIプラットフォームによるサービス提供といったストック型・高付加価値なビジネス展開を目指す。
(1) クラウド型運行管理システム「KITARO」
ITサービス事業の中核を成すのが、サブスクリプションモデルで提供する「KITARO」である。同サービスは、2018年にオークネットから事業承継したもので、車両に搭載した専用端末から得られる位置情報や走行データなどをリアルタイムで収集・分析し、運行状況の可視化、業務効率化、安全運転支援を実現する。主な機能として、リアルタイムでの車両位置確認、走行履歴や日報の自動作成、危険運転の検知・警告、2022年4月から義務化されたアルコールチェックの記録・管理機能などがある。
ターゲットとなる顧客は、運送業、建設業、卸売・小売業などの営業や配送で多くの車両を保有する事業者である。システム導入により、動態管理による最適な配車、日報作成の自動化によるドライバーの負担軽減、危険運転の把握と指導による事故防止、燃費改善によるコスト削減といったメリットを享受できる。車両1台ごとに月額利用料が発生するストック型の収益モデルであり、安定的な収益基盤となっている。
近年の業況としては、物流業界における「2024年問題」への対応や、アルコールチェック義務化などを背景に需要が拡大している。2025年12月期時点での契約台数は9,738台に達しているが、2026年12月期末の目標台数10,800台に向け、契約積み上げを推進する。今後は、デジタルマーケティングを活用した認知度向上や、さらなる契約台数の増加を企図した大口顧客への販売強化を進める方針だ。
(2) 中小企業向けDX支援サービス
同社は、システムサービス事業や「KITARO」で培ったクラウドサービスのノウハウを活かし、中小企業が抱えるIT人材不足やデジタル化の遅れといった課題解決に寄与するサービスも展開している。
主力の「まるっとアクシス」は、中小企業の様々なIT関連業務を月額定額で代行するサービスである。IT資産管理、ヘルプデスク、セキュリティ対策、データバックアップ、さらにはWebサイト制作や勤怠管理システムの導入支援まで、企業のIT部門が担う業務を幅広くカバーする。専門人材の採用が困難な中小企業にとって、低コストでIT部門のアウトソーシングが可能な点が大きなメリットとなっている。
また、「ITサポート」サービスでは、企業の要望に応じてサポート内容をカスタマイズできるサービスである。企業のIT担当者に代わりITサポートを提供するケースや、企業のIT担当者と連携して最適なIT環境の維持・運用を検討する“アドバイザー”的な役割を担うケースなど、柔軟なサービスを提供する。直近では、自治体のDX推進事業への参画や、地域金融機関との協業案件が順調に進捗しているほか、企業内IT部門のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)案件の獲得も進展している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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■事業概要
1. 事業ポートフォリオ概況
アクシス<4012>の事業は、「システムサービス事業」と「ITサービス事業」の2つのセグメントで構成される。2025年12月期の売上高構成比は、システムサービス事業が94.6%、ITサービス事業が5.4%であり、売上高の大半をシステムサービス事業が占めている。
安定した収益基盤であるシステムサービス事業で得た資金を、将来の成長ドライバーと位置付けるITサービス事業に投資することで、持続的な企業価値の向上を目指すビジネスモデルである。
2. システムサービス事業
創業以来、金融機関や公共機関、情報通信事業者などを主要顧客とし、ITコンサルティングから業務アプリケーションの開発、クラウド基盤構築、ネットワーク関連サービス、そして運用・保守に至るまで、顧客のITシステムに関するあらゆるニーズにワンストップで応えるSIサービスを提供してきた。2025年12月期からは、従来の「システムインテグレーション事業」という名称を「システムサービス事業」に変更し、サービス内容の拡充と組織体制の再構築を図っている。
同事業の最大の特徴は、金融分野における高い専門性と強固な顧客基盤にある。2024年12月期の有価証券報告書によると、当事業における業種別売上高構成比は、金融が52.5%と過半を占め、これに公共(20.3%)、情報通信(15.5%)が続き、これら主力3業種で全体の約9割を構成している。金融分野への深い知見と実績が、大手金融グループや大手SIerとの長期的な信頼関係の構築につながっており、2024年12月期は、当事業の売上高の85.2%が5年以上の継続取引先によって占められている。顧客の業務特性を深く理解し、的確なシステム提案と安定した開発・運用を実現する対応力が、高い顧客維持率の基盤となっている。
事業モデルは、顧客との直接取引のほか、富士通<6702>や(株)NTTデータといった大手SIerのプライムパートナーとして大規模プロジェクトの中核を担う形態も多い。事業プロセスは、営業活動から要件定義・コンサルティング、設計・開発、テスト、リリース後の運用・保守まで一貫した体制を構築している。近年は、より付加価値の高い上流工程へのシフトを戦略的に推進しており、システム開発にとどまらず、顧客の経営課題解決に貢献するITコンサルティング領域の強化を図っている。
同事業の強みは、徹底した収支管理による安定した経営にある。同社はバブル崩壊直後の1991年の創業を背景としたプロジェクトの採算性に対する意識が極めて高い。個々のプロジェクトにおいて、稼働人員単位での緻密な採算性管理を徹底する「失敗しないプロジェクトマネジメント」によるリスク管理を確立しており、その結果、過去に赤字プロジェクトを発生させることなく、創業以来35期連続の黒字経営を維持している。この卓越したプロジェクト管理能力は、顧客からの信頼獲得はもとより、安定した収益基盤の構築に大きく貢献している。
次に挙げられる強みとして「金融分野の高い専門性と強固な顧客基盤」がある。特に銀行、証券、クレジットといった領域では、長年の経験で培った業務ノウハウが蓄積されており、これが競合他社に対する大きな差別化要因となっている。具体的には、金融商品取引管理や外貨資金取引などの市場系システム、融資ローンや預金為替などの勘定系システム、債権管理、リスク管理といった幅広い分野の開発に対応している。特に市場系システムにおいては、多くの案件を通じて顧客と長期的な協力関係を築いてきた。その結果、顧客の視点に立った最適なシステム提案が可能な、市場でも貴重な人材の育成に成功している。専門知識と人材力によって、市場系システムのコンサルティングや情報分析から、システム企画・設計、開発、運用・保守に至るまで、トータルサポートを提供できる点も強みとなっている。複雑でミッションクリティカルな要件が求められる金融システムにおいて、業務を深く理解したエンジニアが最適なソリューションを提供できる点は、大手金融機関や大手SIerから高く評価されている。この強固な顧客基盤は、安定的な収益をもたらすだけでなく、FinTechなどの新たな技術領域における協業機会の創出にもつながっている。
システムサービス事業におけるKPIの一つは受注残高である。受注時期による増減はあるものの、右肩上がりに推移している。また、近年は案件の大型化が進み、プロジェクト平均受注額が増加傾向にある。
3. ITサービス事業
ITサービス事業は、将来の成長ドライバーとして注力するセグメントで、クラウド型サービスの提供を主軸としている。具体的には、自社開発の運行管理システム「KITARO」の提供、中小企業のDXを支援するコンサルティングサービス「まるっとアクシス」、「ITサポート」などの事業を展開している。2025年12月期における売上高は435百万円(全社売上高の5.4%)と売上規模は限定的だ。新中期経営計画「Go Beyond」においては、クラウドサービスの拡充、DXコンサルティングの強化、AIプラットフォームによるサービス提供といったストック型・高付加価値なビジネス展開を目指す。
(1) クラウド型運行管理システム「KITARO」
ITサービス事業の中核を成すのが、サブスクリプションモデルで提供する「KITARO」である。同サービスは、2018年にオークネットから事業承継したもので、車両に搭載した専用端末から得られる位置情報や走行データなどをリアルタイムで収集・分析し、運行状況の可視化、業務効率化、安全運転支援を実現する。主な機能として、リアルタイムでの車両位置確認、走行履歴や日報の自動作成、危険運転の検知・警告、2022年4月から義務化されたアルコールチェックの記録・管理機能などがある。
ターゲットとなる顧客は、運送業、建設業、卸売・小売業などの営業や配送で多くの車両を保有する事業者である。システム導入により、動態管理による最適な配車、日報作成の自動化によるドライバーの負担軽減、危険運転の把握と指導による事故防止、燃費改善によるコスト削減といったメリットを享受できる。車両1台ごとに月額利用料が発生するストック型の収益モデルであり、安定的な収益基盤となっている。
近年の業況としては、物流業界における「2024年問題」への対応や、アルコールチェック義務化などを背景に需要が拡大している。2025年12月期時点での契約台数は9,738台に達しているが、2026年12月期末の目標台数10,800台に向け、契約積み上げを推進する。今後は、デジタルマーケティングを活用した認知度向上や、さらなる契約台数の増加を企図した大口顧客への販売強化を進める方針だ。
(2) 中小企業向けDX支援サービス
同社は、システムサービス事業や「KITARO」で培ったクラウドサービスのノウハウを活かし、中小企業が抱えるIT人材不足やデジタル化の遅れといった課題解決に寄与するサービスも展開している。
主力の「まるっとアクシス」は、中小企業の様々なIT関連業務を月額定額で代行するサービスである。IT資産管理、ヘルプデスク、セキュリティ対策、データバックアップ、さらにはWebサイト制作や勤怠管理システムの導入支援まで、企業のIT部門が担う業務を幅広くカバーする。専門人材の採用が困難な中小企業にとって、低コストでIT部門のアウトソーシングが可能な点が大きなメリットとなっている。
また、「ITサポート」サービスでは、企業の要望に応じてサポート内容をカスタマイズできるサービスである。企業のIT担当者に代わりITサポートを提供するケースや、企業のIT担当者と連携して最適なIT環境の維持・運用を検討する“アドバイザー”的な役割を担うケースなど、柔軟なサービスを提供する。直近では、自治体のDX推進事業への参画や、地域金融機関との協業案件が順調に進捗しているほか、企業内IT部門のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)案件の獲得も進展している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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