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エブレン Research Memo(4):年平均成長率10%~15%成長を目標として成長路線を堅持

*11:34JST エブレン Research Memo(4):年平均成長率10%~15%成長を目標として成長路線を堅持
■成長戦略

エブレン<6599>は半導体市場の成長とともに事業を拡大させてきたが、過去には通信関連分野が主力を担うなど、市場環境の変化に柔軟に対応して発展してきた経緯がある。今後も市場動向を的確に捉え、持続的な成長を目指す。企業価値の拡大に向けた重点施策として、「コア事業の強化」「受託範囲の拡大」「ボードコンピュータ事業強化」「中国子会社の戦略的活用」という4つの戦略を掲げている。これらを着実に実行することで、年平均成長率(CAGR)10~15%の成長路線を堅持する計画である。具体的な数値目標としては、2028年3月期に売上高5,100百万円、経常利益800百万円を目指している。

(1) 「コア事業の強化」
顧客メーカーの要求仕様に基づく受託設計・受託生産・長期的安定供給のビジネスモデルをさらに拡大していく。これまで大手メーカーは、設計・部材調達・生産などすべてのプロセスを自社で完結させていたが、今後は「選択と集中」が進み、ノウハウを持つ専業メーカーとの協業が進むと見られている。こうした市場環境の変化を捉え、同社は専業メーカーとしての優位性(短納期・低コスト・高品質)を生かし、顧客との協業を通じて設計資産や知見を蓄積していく。これにより、市場における競争優位性のさらなる向上を目指している。

(2) 「受託範囲の拡大」
近年、顧客メーカーの間では部品を個別に調達する形態から、そのまま組み込み可能なユニット(完成体)としての調達を希望する傾向が強まっている。同社はこうしたニーズに対応し、受託範囲をより完成品に近い形態へと拡大する体制を強化しており、付加価値の向上を通じた収益の伸長を目指している。

この戦略の具現化の1つとして、特に成長が期待されるのが電力関連ビジネスである。背景には生成AIの普及に伴うデータセンターの増設があり、関連する送電設備などの需要が拡大している。電力業界は参入障壁が高いとされるが、同社は既に新規案件の量産化を実現した。2026年3月期第2四半期以降における業績寄与は、規模こそ限定的ながら将来の成長性を示唆している。今後はこの成功事例を新規案件獲得の足掛かりに、いかに成長の柱へと育て上げられるかが焦点となる。

(3) 「ボードコンピュータ事業強化」
4つ掲げる戦略のうち、同社が最も注力する戦略である。技術革新に伴う機器の小型化や低消費電力化が進展するなか、エッジコンピューティングやIoT技術を用いた小型ワンボードコンピュータを活用し、FAシステムやDX関連のシステム開発を加速している。パートナーシップの活用を含めた技術部門の体制増強を図り、製品開発力のさらなる向上を目指している。

現在進行中の主な開発案件には、洋上風力発電用送電用途の「高電圧・大容量直流遮断器」や、マイクロプローバー用途の「半導体検査用制御装置」などがある。また、次世代ワイヤーボンダーのシステム制御用コントローラーや、光学特性検査装置向けの信号変換・演算ボード、半導体製造装置用の高速モーションコントローラーなどの開発も進めている。さらに、監視カメラやFAカメラ向けの「AI画像処理システム」、FA用の「ショットピーニング用AEセンサーモジュール」、ビーム描画装置などの「半導体製造装置用制御部」、精密機械向けの「除振装置用コントローラー」、「ECU(Electronic Control Unit)検査装置」といった幅広い分野での製品開発に取り組んでいる。

(4) 「中国子会社の戦略的活用」
中国子会社の蘇州エブレン(蘇州惠普聨電子有限公司)を拠点とし、中国・台湾を中心とした技術力と価格競争力に優れた現地部材調達先の開拓を推進している。現地生産によるコスト競争力を生かした製品を、現地企業や日系進出企業へ提供する方針である。現地企業との取引では、既に医療機器メーカーなどで実績を上げている。中国関連ビジネスを取り巻く環境は、内需低迷や日中関係の影響が懸念されている。一方で、同社は中国と日本以外の第三国間で行う「アウト・アウト取引」も多く展開しており、こうした取引の拡大を通じて事業の安定と成長を図る。



■株主還元策

2026年3月期は8.0円増配を予定。今後も安定した増配を継続する方針

同社は2020年の上場以来、毎年22%の増配を継続してきた。2025年3月期の1株当たり配当金は40.0円、配当性向は19.3%となった。2026年3月期は前期比8.0円増の48.0円(配当性向21.3%)を見込んでおり、今後も安定した増配を継続する方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)



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