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美樹工業 Research Memo(8):中期経営計画は順調な進捗。売上高は、2026年12月期に前倒し達成を見込む

*11:08JST 美樹工業 Research Memo(8):中期経営計画は順調な進捗。売上高は、2026年12月期に前倒し達成を見込む
■美樹工業<1718>の中期経営計画

1. 中期経営計画2024-2028
建設業界全体において、就業者の高齢化や若手人材の不足、時間外労働の罰則付き上限規制、資材価格の高騰、さらには急激な為替変動といった、短期間での解決が困難な構造的課題が山積している。こうした業界の転換期において、同社は「時代の挑戦者」として、2024年に「中期経営計画2024-2028」を策定した。

基本方針として「事業基盤の強化」「人を大切にする経営」「戦略的投資計画」の3つを掲げている。「事業基盤の強化」では、専門性と総合力を発揮するゼネコン・サブコン融合型の業態を追求し、近畿圏で耐用年数が迫るごみ処理施設、病院設備工事、蓄電池事業など、重点分野の受注拡大を進める。「人を大切にする経営」では、エンゲージメント強化、人材教育・育成の充実、社内DXの加速を通じて、人を生かし社員が誇れる会社を目指す。「戦略的投資計画」では、「1%ルール」を導入した。スタートアップ事業や研究開発など社内公募型プロジェクトの事業化を後押しするものである。併せて、人事部門強化や業務改善策など人への投資、M&Aによる領域拡大投資を推進する。特に領域拡大については、蓄電池事業や東京支店のような新たな成長マーケットを、M&Aや提携による取り込みも検討している。

数値目標として、2028年12月期に売上高400億円、営業利益率5.7%(営業利益額22.8億円)を掲げている。売上高は、2023年12月期に対して80億円ほどの積み上げとなるが、大型工事の増加とM&Aによって達成する計画である。M&Aの実現については今のところ不透明であるものの案件は多く、中期経営計画中に1~2件は達成可能と考えているようだ。営業利益率に関しては、中期経営計画前の営業利益率に対して1.6ポイント改善する必要があるが、大型工事やリフォームなど高採算の案件を拡大することで達成を目指す。足元では、大型工事が非常に順調に進捗し、基本方針も着実に進行しているため、売上高目標は、2026年12月期に2期前倒しで達成する見込みとなった。

また、同社は中期経営計画の目標達成を通過点と位置付け、さらに先の成長ビジョンとして『Miki Next Challenge500』も同時に策定している。中期経営計画の売上高の早期達成を見込むなか、成長ビジョン『Miki Next Challenge500』(従業員数500人、売上高500億円、新卒社員モデル年収500万円)の早期実現を目指す。

2. 進捗状況
基本方針は着実に進行している。「事業基盤の強化」においては、ごみ処理施設関連で淡路島の大型案件を受注したほか、蓄電池事業への参入や東京支店の機能強化が順調に推移している。また、一棟収益マンション事業についても、年間1棟以上の継続的な販売体制の構築に向けた取り組みを推進した。「戦略的投資計画」では、社内公募型プロジェクトに取り組み、人事評価制度や賃金制度改定に向けたアクションプランを策定した(2026年12月期から適用予定)。投資による領域拡大については、2024年にグループ入りしたヒョウ工務店との連携により、建設事業とガス設備分野において具体的なシナジーを創出している。

基本方針のなかでも2025年12月期は、賃金制度改定、メンター・メンティ制度、蓄電池事業、東京支店で大きな進展があった。賃金制度改定では、上司と部下の会話増加による評価精度の向上、号俸給と能力給の導入、利益率に応じた賞与へ反映させる仕組みの導入などにより、2026年に従業員の年間給与を609万円(前年比4.1%増)へと拡大し、さらに100万円増加の700万円を目標とすることになった。メンター・メンティ制度では、制度導入によって30%だった3年内離職率がここ2期で大きく縮小した。

蓄電池事業では、2026年に2ヶ所の蓄電所を着工する。これにより、自社運営の阿曽蓄電所に加え、EPC(設計・調達・建設)案件として4ヶ所の蓄電所を2027年から2028年にかけて順次稼働させる計画である。2026年12月期に進行基準の売上高は50百万円、経常利益は5百万円と黒字化を見込んでいる。ただし、足元では用地確保や関西電力への系統連携の調査が先行するため、業績への本格寄与はそれ以降となる見通しである。2027年12月期に売上高1,500百万円、経常利益150百万円、2028年12月期に売上高2,000百万円、経常利益200百万円を見込んでいる。

開設4年目となる東京支店では、後発ゆえ当初協力業者の開拓が難航したものの、2025年に公共(区)工事への参入を実現し、2026年に他社デベロッパーによるマンション工事請負、2027年には公共(官庁)工事が実施される見込みとなった。一棟収益マンションも、2026年に埼玉県川口市、2027年に東京都北区で販売を予定している。このため東京支店の2026年12月期業績は、売上高3,000百万円、経常利益210百万円と黒字化を予想している。さらに施工会社との連携を進め、2027年12月期に売上高3,700百万円、経常利益270百万円、2028年12月期には売上高5,000百万円、経常利益390百万円を計画している。



■株主還元策

配当性向30%以上を基準に配当を実施。2025年12月期は350.0円配

同社は、剰余金の配当に関して、株主還元を経営上の重要課題の1つと考え、連結配当性向30%以上を基準に、安定的な配当の実施及び将来の事業拡大のための内部留保などを勘案して決定することを基本方針としている。また、内部留保については、積極的な投資と事業基盤の拡充を通じて企業価値の持続的向上を図り、その成果を株主へ還元できるよう努めている。

これらを総合的に勘案したうえで、2025年12月期の1株当たり配当金を350.0円(中間配当金150.0円、期末配当金200.0円)とした。2026年12月期の1株当たり配当金については300.0円(中間配当金150.0円、期末配当金150.0円)を予定している。2025年12月期の配当性向は30%を下回ったものの、機動的な自己株式の取得を組み合わせて実施した。これにより、現金配当と自社株買いを合わせた包括的な株主還元を推進している。

なお、同社はPBR(株価純資産倍率)1倍割れの解消は経営の最重要課題の1つとして認識しており、事業ポートフォリオの適正化やIR活動の強化、M&A投資などによる収益力の強化、財務レバレッジの活用、自己株式の取得や株式分割の実施などさらなる株主還元策によって、収益性と資本効率の向上を図るとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)



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