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ローランド Research Memo(9):リスク対応フェーズを経て、需要創造強化フェーズへ(2)

*11:09JST ローランド Research Memo(9):リスク対応フェーズを経て、需要創造強化フェーズへ(2)
■中期経営計画

2. 重点戦略
ローランド<7944>は3つの重点戦略を掲げ、前中期経営計画で実行してきた施策を加速させるとともに、新たな取り組みを追加することで持続的成長と収益性向上を図る方針だ。戦略は「Direct Connect」「Innovation」「新興国販売拡大」の3本柱で構成され、それぞれに定量KPIを設定することで実行力を担保する枠組みとなっている。単なる製品販売モデルから、顧客との継続的な接点を基盤とする事業構造への転換を志向している点が本戦略の中核である。

(1) Direct Connect
Direct Connect戦略は、AI及びIoTを実装した革新的な電子楽器の開発、直販チャネルの拡充、並びにデータ活用プラットフォームであるRoland Cloud及びRoland Appの強化を通じて、顧客との直接的かつ継続的な関係を構築する取り組みである。ハードウェア、ソフトウェア、クラウド、リテールを有機的に結び付けることで、新たな体験価値を創出する構想である。

Connected Instrumentsでは、Wi-Fi接続可能な電子楽器を開発し、常時ネットワークに接続することによりユーザーデータの収集とAIによる分析、OTAによるアップデートを可能とする。Roland CloudやRoland Appとのシームレスな接続を前提とし、顧客インサイトをもとにした機能やサービス提供を実現する。電子楽器を単体製品から継続的進化を前提とするプラットフォームへと進化させる取り組みであり、2028年12月期に売上高構成比率25%、サービス利用率60%以上をKPIとしている。

Roland Cloudはソフトウェアプロダクト及びサービスを拡大し、顧客のLTV最大化を図る。Roland及びBOSSの独自Virtual instrumentsの継続開発、新興国向けを含むサウンドコンテンツの充実、ハードウェア製品のアップデータ提供などを推進する。2028年12月期にSoftware Businessの売上高構成比1.5%以上、Roland Cloud有料会員30万人を目標とする。

Roland Appは、顧客が同社製品やサービスを最大限活用するための基盤アプリである。演奏データや購入履歴を一元管理し、演奏再開・継続を促す仕掛けやAIを活用したインタラクティブなコミュニケーション機能を実装する。演奏データに基づくパーソナライズ提案を行うことで顧客体験を高度化する計画である。2027年12月期の上期にアプリをリリースし、2027年12月期中に課金サービスを開始することをKPIとしている。

Roland Retailでは、世界主要都市への直営店「Roland Store」拡大と、それを基盤とするEコマース展開を推進する。直営店ならではの販売方法のトライアルやIP活用商材の展開を通じてブランド接点を強化する。KPIはRoland Storeの店舗数8店、同店の売上高構成比3%以上、直販売上高構成比5%である。

(2) Innovation
Innovation戦略は、新たな電子楽器の開発及びAIを活用した技術・サービスの共同開発によりユーザー層を拡大する取り組みである。

Digitalizationでは、フルートタイプの電子管楽器などAerophoneシリーズの拡大を図るとともに、電子化が進んでいないアコースティック楽器市場を開拓する。ユーザーニーズが存在する未電子化領域への展開は、同社の電子楽器技術を生かせる成長余地の大きい分野である。2024年時点で、楽器の電子化率はピアノが約56%、ドラムが約23%であるのに対し、管楽器は1%未満にとどまっており、電子化の余地が大きい市場である。同社は2016年にサックス型モデルを投入して以来、電子管楽器ブランドであるAerophoneシリーズを継続的に拡充してきた。2025年にはフルート型モデル「Aerophone Brisa」を投入し、管楽器領域におけるラインナップを拡大している。

共同開発では、Roland Future Design Labを通じて企業、研究機関、クリエイターとのアライアンスや共同研究を推進し、異業種・異分野とのコラボレーションを拡大する。AIを活用した新製品開発促進や楽器用新技術の共同開発も進める。2025年11月にAIを活用した次世代オーディオ・エフェクト技術「Project LYDIA」のプロトタイプとしてAIエフェクターを公表したが、これはAIオーディオ技術を開発する(株)Neutoneとの共同開発によるものである。こうした外部パートナーとの連携を通じて、新たな楽器体験や音楽制作環境の創出を目指す。

(3) 新興国販売拡大
新興国販売拡大は、開拓途上の市場を新たな成長の柱とする戦略であり、2026年12月期から2028年12月期までの新興国売上高CAGR12%をKPIとして掲げる。

中国では、教育市場が縮小する一方で趣味需要が増加傾向にあり、住宅事情を背景に電子楽器需要も継続的に増加している。同社は電子楽器中心のポートフォリオを有していることから、成長余地は大きいと弊社では考えている。中国限定モデルの投入、楽器店以外の販売チャネル開拓、e-commerceやポップアップストア等による顧客タッチポイントを拡大する方針だ。

インド、中南米、中東は、先進国を上回る市場成長と文化を背景とした独自の音楽市場拡大を背景にポテンシャルが高い地域と位置付けている。インド及び中南米では地域音楽文化に合わせた専用モデルやクラウド拡張音源を投入し、中東では流通・営業体制整備に集中的にリソースを投下する。これらの地域では音楽文化や民族楽器、さらには楽器のデザインや好まれるカラーに至るまで国ごとに異なるため、同社ではそれぞれの文化的背景に合わせた専用モデルの展開も検討している。具体的な新製品の内容については未公表だが、基本的には各国の音楽文化に合わせた音源や外観デザインのアレンジを施す形になるようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)



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