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アイシン Research Memo(6):2028年中計では「稼ぐ力」と「弾込め」を強化。営業利益3,300億円目指す

*11:06JST アイシン Research Memo(6):2028年中計では「稼ぐ力」と「弾込め」を強化。営業利益3,300億円目指す
■アイシン<7259>の中長期の成長戦略

1. 「2028年中期経営計画」の基本方針と構造
(1) 基本方針:「稼ぐ力」の強化と将来への「弾込め」
同社は「2028年中期経営計画」の基本方針として、「稼ぐ力」の強化と将来への「弾込め」の両立を掲げている。

「稼ぐ力」の強化とは、その名称どおり「収益力を高める」ことであり、提供価値をさらに高めることである。自動車の「走る・曲がる・止まる」「移動の快適性」の各領域で移動の価値創造を実現することを目指す。具体的な領域としては、「走る・曲がる・止まる」ではAT、PHEV/HEV、eAxle、ブレーキ、ARS(Active Rear Suspension)※1・AVS(Adaptive Variable Suspension)※2、熱マネジメント等が挙げられる。「移動の快適性」を実現する領域では、パワースライドドア、ドライバーモニタリングシステム、サンルーフ、インキャビンモニタリングシステム、ADAS連携等が挙げられる。

※1 後輪を自動的に操舵するシステムで、車両の安定性や操縦性を向上させるために設計されている。
※2 路面の状況に応じてショックアブソーバーの減衰力を自動的に調整する電子制御サスペンションシステム。

「弾込め」とは、将来の製品開発及び生産技術の確立である。自動車メーカー及び部品メーカーの場合、通常は新製品上市の3〜4年前から開発・設計を行っている。したがって同社においても、既に2028〜2029年までの製品ラインアップはほぼ決定しており、ここで言う「弾込め」とは2030年以降に上市される製品の開発・設計・生産技術の確立である。具体的には、eAxleを中心としたパワートレインユニット製品のラインアップ強化、「走る・曲がる・止まる」を中心とした各製品をセンシングと知能化技術で統合的に制御する車両統合制御、BEV商材である電池骨格・TEKIZAIボデーへの取り組みなどが挙げられる。

(2) 重要施策:3つの「構造軸」
同社では、この計画を推進する構造として、「商品軸」「地域軸」「機能軸」を挙げている。これら3つの構造軸を連携することで、後述する定量的目標を達成する計画だ。

「商品軸」では、主力製品の収益性を高め、品揃えを拡充することで“移動”の価値を創造する。「地域軸」では、販売地域の拡大よりも、各地域をさらに深掘することで地域経営を加速する。なかでも特に「北米」と「インド」に注力する。「機能軸」では、これらの施策を実行・推進していくための経営基盤を強化する。具体的な施策として「グループ経営の高度化」「収益構造改革」「成長を支えるサステナビリティ」を推進する。

(3) 定量的目標
本計画の最終年度である2029年3月期に、売上収益53,000億円(2026年3月期予想は49,000億円)、営業利益3,300億円(同2,050億円)、営業利益率6.2%(同4.2%)、ROE10.0%(同6.4%)、ROIC11.0%(同7.0%)、DOE(株主資本配当率)3.5%(同3.0%)を目指す。


「走る・曲がる・止まる」の各領域で“移動”の価値の創造を実現する

2. 「商品軸」の概要
(1) “移動”の価値の創造
同社では、同社が提供する最大の価値は「ユーザーに寄り添う走り・乗り心地」「安全・安心、快適な移動体験」と認識しており、自動車の「走る、曲がる、止まる」の各領域で“移動”の価値の創造を実現することを目指している。具体的な領域としては、「走る、曲がる、止まる」ではAT、PHEV/HEV、eAxle、電池骨格・TEKIZAIボデー、ブレーキ・車両統合制御、ARS・AVS、熱マネジメントデバイスなどが挙げられる。

(2) 市場環境とフルラインアップ戦略
今後の世界の自動車市場見通しについて、2023年当時の市場予測では、2030年にかけてBEVが急伸すると見ていた。しかし2026年の最新の見通しでは、BEVの伸び率は鈍化する一方でICE(Internal Combustion Engine)※、PHEV/HEVのオポチュニティが大きく拡大し、特に昨今の環境規制の見直しによりICEへの需要が一段と高まるとしている。

※ 内燃機関を搭載した車両のことで、主にガソリン車とディーゼル車。

このような環境下にあって同社では、ICE車向けAT、PHEV/HEV車向けハイブリッドトランスミッション、BEV向けのeAxleとフルラインアップで製品を揃えており、顧客の期待に応えながら成長を実現する計画だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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