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ALiNK Research Memo(5):2026年2月期はtenki.jpのPV数が伸び悩み、営業損失を計上
2026/05/14 11:05
*11:05JST ALiNK Research Memo(5):2026年2月期はtenki.jpのPV数が伸び悩み、営業損失を計上
■ALiNKインターネット<7077>の業績動向
1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期の業績は、売上高が前期比14.4%増の1,015百万円、営業損失が94百万円(前期は43百万円の利益)、経常損失が63百万円(同62百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が272百万円(同57百万円の利益)となった。
売上面については、主力のtenki.jp事業は、主要都市の降水量減少に伴う天候関連需要の低下に加え、AI検索の台頭や検索エンジン・ブラウザによる独自の気象データ表示の影響で検索流入数が減少し、同14.2%減収となった。一方で、IPプロデュース事業は「温泉むすめ」のグッズ販売やイベント収入の拡大により同94.6%増、太陽光コンサルティング事業は太陽光発電設備の保有期間中に得られる売電収入の増加により同88.3%増、その他事業もダイナミックプライシング事業の店舗増に伴う利用料の増加により同68.9%増と拡大した。tenki.jp事業の減収を新規事業群の伸長が吸収し、全体では増収を確保した。
営業利益は、太陽光コンサルティング事業が売電収入の増加により増益となった一方で、tenki.jp事業ではPV数低下、検索流入数の減少による減収影響に加え、将来の売上高及び利益の向上を見据えた新たな収益モデルの構築に向け、人件費や開発費などの先行投資を継続したため減益となった。IPプロデュース事業は、「温泉むすめ」のグッズ販売やイベント収入が好調だった一方で、アプリ開発の先行投資やのれん償却などがマイナス要因となった。ダイナミックプライシング事業においても、事業化に向けた先行コストの計上が続いた。この結果、太陽光コンサルティング事業の増益で他事業の減益を補完することができず、営業損失を計上した。
親会社株主に帰属する当期純利益の減少要因は、営業減益に加え特別損失の計上にある。なかでも影響が大きかったのは、IPプロデュース事業に係るのれんの減損損失176百万円である。同社は子会社エンバウンドで開発する「ぽか活アプリ」について、当初は課金アプリとしての収益化を想定していたが、その後は無料展開によるユーザー基盤の拡大を優先し、グッズ販売やイベント収入を含めた事業全体での収益最大化を目指す方針とした。この戦略転換により、当初前提としていた収益計画との乖離が生じたため、のれんの減損を計上した。加えて、ダイナミックプライシング事業でも、新規出店を当初計画以上のペースで進めたことに伴う先行投資負担を踏まえ、固定資産の減損損失9百万円を計上した。営業損失にこれらの特別損失が重なったことで、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅に悪化した。
2. 事業セグメント別動向
(1) tenki.jp事業
tenki.jp事業の売上高は前期比14.2%減の554百万円、セグメント利益は同36.6%減の179百万円となった。売上高は、主要検索エンジンでの検索順位が直近24ヶ月で高水準だった一方で、主要5大都市の降水量減少に伴う需要の弱含み、AI検索の台頭、検索エンジンやブラウザによる独自の気象データ表示の影響などにより検索流入が減少し、PV数が同11.5%減の53億PVにとどまった。セグメント利益は、PV当たり広告単価は同0.8%増と増加したものの、減収影響に加え、新たな収益モデルの構築に向けた人件費や開発費の投資を継続したことから減益となった。
(2) IPプロデュース事業
IPプロデュース事業の売上高は前期比94.6%増の286百万円、セグメント損失は115百万円(前期は75百万円の損失)となった。売上高は、地域活性化プロジェクト「温泉むすめ」において温泉地限定グッズの販売や温泉地の魅力発信イベントが順調に推移したことで大きく伸長した。一方で、損益面はぽか活アプリの開発費51百万円に加え、のれん償却費33百万円を計上したことから損失幅が拡大した。2026年2月に「温泉むすめ」初の公式Webサービス「ぽかログ」をリリースしており、IPのデジタル接点拡充に向けた先行投資の段階にあると見られる。
(3) 太陽光コンサルティング事業
太陽光コンサルティング事業の売上高は前期比88.3%増の133百万円、セグメント利益は同89.1%増の129百万円となった。売上高は、太陽光発電設備のセカンダリー市場において売電収入が拡大した。セグメント利益も、増収効果により増益となった。なお、同事業は従来「その他の事業」に含まれていたが、連結売上高に占める割合が高まったため、2026年2月期より独立した報告セグメントとして開示されている。
(4) その他の事業
その他の事業の売上高は前期比68.9%増の42百万円、セグメント損失は31百万円(前期は23百万円の損失)となった。売上高は、ダイナミックプライシング事業に先立つPoC(実証実験)として首都圏でレンタルスペース運営を進めたことにより増加した。一方で、セグメント損益は新規事業の立ち上げ負担が先行した。
3. 財務状況と経営指標
2026年2月期末の財務状況は、資産合計が前期比5百万円増加の1,840百万円となった。流動資産は同235百万円増加の1,742百万円であり、主として短期貸付金が太陽光設備の取得に伴い430百万円増加した一方で、現金及び預金が287百万円減少した。固定資産は同230百万円減少の98百万円であり、主としてのれんが子会社エンバウンドの減損実施により217百万円減少した。
負債合計は前期比278百万円増加の451百万円となった。流動負債は同277百万円増加の435百万円であり、主として短期借入金が300百万円増加した。固定負債は同横ばいの16百万円であった。純資産は同272百万円減少の1,388百万円となり、主として利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失の計上により272百万円減少した。
2026年2月期末の自己資本比率は75.4%となった。損失計上により前期比では低下したものの、資産合計に占める純資産の割合はなお高く、財務の安定性は維持されている。今後は、先行投資資金の回収と収益力の立て直しが進むことで、財務指標の改善が期待される。現状は安定した財務基盤を維持しながら、将来の成長に向けた事業基盤の再構築を進める段階にあると見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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■ALiNKインターネット<7077>の業績動向
1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期の業績は、売上高が前期比14.4%増の1,015百万円、営業損失が94百万円(前期は43百万円の利益)、経常損失が63百万円(同62百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が272百万円(同57百万円の利益)となった。
売上面については、主力のtenki.jp事業は、主要都市の降水量減少に伴う天候関連需要の低下に加え、AI検索の台頭や検索エンジン・ブラウザによる独自の気象データ表示の影響で検索流入数が減少し、同14.2%減収となった。一方で、IPプロデュース事業は「温泉むすめ」のグッズ販売やイベント収入の拡大により同94.6%増、太陽光コンサルティング事業は太陽光発電設備の保有期間中に得られる売電収入の増加により同88.3%増、その他事業もダイナミックプライシング事業の店舗増に伴う利用料の増加により同68.9%増と拡大した。tenki.jp事業の減収を新規事業群の伸長が吸収し、全体では増収を確保した。
営業利益は、太陽光コンサルティング事業が売電収入の増加により増益となった一方で、tenki.jp事業ではPV数低下、検索流入数の減少による減収影響に加え、将来の売上高及び利益の向上を見据えた新たな収益モデルの構築に向け、人件費や開発費などの先行投資を継続したため減益となった。IPプロデュース事業は、「温泉むすめ」のグッズ販売やイベント収入が好調だった一方で、アプリ開発の先行投資やのれん償却などがマイナス要因となった。ダイナミックプライシング事業においても、事業化に向けた先行コストの計上が続いた。この結果、太陽光コンサルティング事業の増益で他事業の減益を補完することができず、営業損失を計上した。
親会社株主に帰属する当期純利益の減少要因は、営業減益に加え特別損失の計上にある。なかでも影響が大きかったのは、IPプロデュース事業に係るのれんの減損損失176百万円である。同社は子会社エンバウンドで開発する「ぽか活アプリ」について、当初は課金アプリとしての収益化を想定していたが、その後は無料展開によるユーザー基盤の拡大を優先し、グッズ販売やイベント収入を含めた事業全体での収益最大化を目指す方針とした。この戦略転換により、当初前提としていた収益計画との乖離が生じたため、のれんの減損を計上した。加えて、ダイナミックプライシング事業でも、新規出店を当初計画以上のペースで進めたことに伴う先行投資負担を踏まえ、固定資産の減損損失9百万円を計上した。営業損失にこれらの特別損失が重なったことで、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅に悪化した。
2. 事業セグメント別動向
(1) tenki.jp事業
tenki.jp事業の売上高は前期比14.2%減の554百万円、セグメント利益は同36.6%減の179百万円となった。売上高は、主要検索エンジンでの検索順位が直近24ヶ月で高水準だった一方で、主要5大都市の降水量減少に伴う需要の弱含み、AI検索の台頭、検索エンジンやブラウザによる独自の気象データ表示の影響などにより検索流入が減少し、PV数が同11.5%減の53億PVにとどまった。セグメント利益は、PV当たり広告単価は同0.8%増と増加したものの、減収影響に加え、新たな収益モデルの構築に向けた人件費や開発費の投資を継続したことから減益となった。
(2) IPプロデュース事業
IPプロデュース事業の売上高は前期比94.6%増の286百万円、セグメント損失は115百万円(前期は75百万円の損失)となった。売上高は、地域活性化プロジェクト「温泉むすめ」において温泉地限定グッズの販売や温泉地の魅力発信イベントが順調に推移したことで大きく伸長した。一方で、損益面はぽか活アプリの開発費51百万円に加え、のれん償却費33百万円を計上したことから損失幅が拡大した。2026年2月に「温泉むすめ」初の公式Webサービス「ぽかログ」をリリースしており、IPのデジタル接点拡充に向けた先行投資の段階にあると見られる。
(3) 太陽光コンサルティング事業
太陽光コンサルティング事業の売上高は前期比88.3%増の133百万円、セグメント利益は同89.1%増の129百万円となった。売上高は、太陽光発電設備のセカンダリー市場において売電収入が拡大した。セグメント利益も、増収効果により増益となった。なお、同事業は従来「その他の事業」に含まれていたが、連結売上高に占める割合が高まったため、2026年2月期より独立した報告セグメントとして開示されている。
(4) その他の事業
その他の事業の売上高は前期比68.9%増の42百万円、セグメント損失は31百万円(前期は23百万円の損失)となった。売上高は、ダイナミックプライシング事業に先立つPoC(実証実験)として首都圏でレンタルスペース運営を進めたことにより増加した。一方で、セグメント損益は新規事業の立ち上げ負担が先行した。
3. 財務状況と経営指標
2026年2月期末の財務状況は、資産合計が前期比5百万円増加の1,840百万円となった。流動資産は同235百万円増加の1,742百万円であり、主として短期貸付金が太陽光設備の取得に伴い430百万円増加した一方で、現金及び預金が287百万円減少した。固定資産は同230百万円減少の98百万円であり、主としてのれんが子会社エンバウンドの減損実施により217百万円減少した。
負債合計は前期比278百万円増加の451百万円となった。流動負債は同277百万円増加の435百万円であり、主として短期借入金が300百万円増加した。固定負債は同横ばいの16百万円であった。純資産は同272百万円減少の1,388百万円となり、主として利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失の計上により272百万円減少した。
2026年2月期末の自己資本比率は75.4%となった。損失計上により前期比では低下したものの、資産合計に占める純資産の割合はなお高く、財務の安定性は維持されている。今後は、先行投資資金の回収と収益力の立て直しが進むことで、財務指標の改善が期待される。現状は安定した財務基盤を維持しながら、将来の成長に向けた事業基盤の再構築を進める段階にあると見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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