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ALiNK Research Memo(6):2027年2月期は成長投資を継続しつつ採算性を高め、黒字回復を目指す

*11:06JST ALiNK Research Memo(6):2027年2月期は成長投資を継続しつつ採算性を高め、黒字回復を目指す
■ALiNKインターネット<7077>の今後の見通し

1. 2027年2月期の業績見通し
2027年2月期の業績は、売上高が前期比5.4%減の960百万円、営業利益は52百万円(前期は94百万円の損失)、経常利益は64百万円(同63百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は45百万円(同272百万円の損失)を見込んでいる。

売上高は全体で減収を見込むものの、事業別では濃淡がある見通しである。主力のtenki.jp事業では、従来の検索流入依存型モデルからの転換を進める過程にあり、短期的には広告収入の伸びを慎重に見ている。一方で、「tenki.jp メンバーシップ」の継続施策に加え、新機能・新サービスの投入により、会員数の拡大とARPUの向上を図り、検索流入に左右されにくい収益基盤づくりを進める。tenki.jpは年53億PV、Xフォロワー数450万(tenki.jpとその関連アカウントの合計)を有する生活接点メディアであり、高い接触頻度を会員基盤へつなげられるかが今後の収益構造の転換を左右すると考えられる。

IPプロデュース事業では、前期に「温泉むすめ」のグッズ販売やイベント収入が伸長した実績を踏まえ、デジタル課金中心の発想から、ファンの継続的な関与を高める「ファン基盤強化モデル」へ戦略を転換している。グッズ、イベント、コミュニティ接点の拡充を起点に既存事業の深掘りと新規事業の創出を進めることで、引き続き売上拡大を見込む。前期はアプリ開発費やのれん償却が利益の重荷となったものの、経営体制の強化も進めており、投資回収を意識した運営への移行が注目点となる。

太陽光コンサルティング事業では、太陽光発電設備のセカンダリー市場で短期保有による売電収益を積み上げつつ、売買・運用ノウハウの蓄積を進めており、引き続き保有規模の拡大により安定収益の積み上げを目指す。収益性と資金効率を意識しつつ、安定的な収益貢献が見込まれる。

その他の事業では、ダイナミックプライシングのPoCで確認した需要予測の知見を、単体サービス販売ではなく実需の創出に結び付く形で活用する方針へ切り替えている。収益性の高い専門用途型リアル空間の運営から着手する計画であり、立ち上げ初期のため売上寄与は限定的と見られる一方で、将来の体験ビジネス展開に向けた土台づくりの意味合いが強い。

利益面は、成長投資を継続しつつ、tenki.jp事業の収益モデルの転換及び各事業のコスト最適化などにより営業利益の黒字転換を達成し、各段階利益は2025年2月期並みの水準への回復が見込まれる。


tenki.jpを起点に事業を創出し、新たな体験価値を生み出す

2. 中長期の成長戦略
同社の成長戦略は、tenki.jpが持つ日常的な生活接点を広げ、その接点から得られる行動変容データの活用を深めることで、新たな体験価値を創出していく点にある。成長戦略は生活接点の拡張、行動変容の深化、体験価値の創出の3層で整理されており、天気予報を提供するにとどまらず、天気を起点に人々の行動を捉え、その先の暮らしや体験に付加価値をもたらす企業への進化を目指している。

中核となるtenki.jp事業では、広告収益への依存を和らげながら、会員基盤の拡大と課金収益モデルの強化を進めるべく、ユーザー基盤の拡大、課金収益モデルの強化、tenki.jpメンバーシップの拡充を掲げている。tenki.jpメンバーシップは、天気予報を利用者それぞれのライフスタイルに合わせてパーソナル化し、本人だけでなく身近な人も含めた安心につながる機能やコミュニティ形成を目指す取り組みである。tenki.jpは接触頻度の高い生活インフラ型サービスであり、その強みを広告枠の販売にとどめず、継続課金やデータ活用へ広げられるかが焦点となる。

IPプロデュース事業では、「温泉むすめ」を中心とした従来のIP展開から、より持続性の高いファン基盤強化モデルへの進化を目指している。既存IPの認知拡大や物販に依存するだけでなく、観光、地域コンテンツ、イベント、デジタル接点を組み合わせることで、ファンの継続的な関与を高める方向へ舵を切っていく。2026年2月期は減損計上により短期業績に影響が生じたものの、事業価値の源泉を一過性の売上ではなく、長期にわたり熱量を維持できるファン基盤に求める形へ見直した点は、中長期の収益構造の再構築という観点から注目される。

太陽光コンサルティング事業は、成長領域を支える安定収益源としての役割を担いつつ、資本効率を意識した運営を継続する。tenki.jp事業が天候要因の影響を受けやすいなかで、晴天時に売電収入が増加しやすい同事業は一定のヘッジ機能を有しており、安定収益の確保が期待される。

その他事業では、これまでダイナミックプライシング事業として進めてきた取り組みを、空間プロデュース事業へ発展させていく。天候データと需要の関係性は確認できた一方で、価格最適化のみでは収益モデルに限界があったことから、今後は専門用途型のリアル空間から着手し、運営ノウハウを蓄積したうえで、将来的には体験ビジネスへ拡張していく方針と見られる。

経営体制の強化も、成長戦略を前進させるうえで重要な意味を持つ。同社は今後の成長に向け、代表取締役2名体制へ移行する予定であり、会長が経営戦略と対外連携、社長が業務執行とプロダクト推進を担う構想である。池田洋人氏は代表取締役会長として中長期の経営戦略とグループ全体の重要事項に注力し、松本修士(まつもとしゅうし)氏は代表取締役社長として業務執行を担う。tenki.jp、IP、太陽光、リアル空間へと事業領域が広がるなかで、戦略立案と執行推進を分担する体制には合理性があると考える。

tenki.jpメンバーシップの拡充により利用者との継続接点を強化し、その接点をIP、観光、リアル体験、周辺領域のM&Aへ広げていく設計には一貫性があると、弊社では見ている。一方で、成長戦略の実現には会員基盤の拡大、課金モデルの定着、IP事業の再成長、リアル体験事業の収益化など、複数のテーマを着実に前進させる必要がある。今後は、tenki.jpを起点とした生活接点の深耕がどこまでデータ蓄積と収益化につながるかが注目点となる。代表取締役2名体制への移行も含め、足元は事業転換期にあるものの、構想が具体的なKPI改善及び収益の質の向上に結び付けば、中長期的な企業価値拡大余地は大きいと考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)



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