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TKP Research Memo(6):ノバレーゼとエスクリの合併など、グループシナジー創出に向けた体制強化に取り組む

*11:06JST TKP Research Memo(6):ノバレーゼとエスクリの合併など、グループシナジー創出に向けた体制強化に取り組む
■ティーケーピー<3479>の活動実績

1. 新規出店の実績
2026年2月期は、39施設の新規出店及び既存施設の増床により13,250坪の増床を達成した※。そのうち、「fabbit」が24施設(譲り受けた18施設を含む)を占める。主な新規出店には、「TKP札幌北口カンファレンスセンター」(241坪)、「TKPガーデンシティPREMIUM 天神ブリッククロス」(368坪)、「TKPみなとみらいカンファレンスセンター」(541坪)、「TKPガーデンシティPREMIUM 東京駅大手町」(357坪)などがある。また、「TKP」(貸会議室)と「fabbit」(ワーキングスペース)の複合出店である「TKP fabbit」方式が新たなドライバーとなっており、「TKP fabbit 渋谷」「TKP fabbit 虎ノ門」「TKP fabbit 高松」「TKP fabbit 大分駅前」などが挙げられる。2027年2月期に向けても、「TKP大阪京橋カンファレンスセンター」「TKPソレイユ大分」「TKP fabbit 名古屋太閤」「TKP博多住吉通カンファレンスセンター」などが既に開業予定である。

※ 一方、期間満了により8施設(4,049坪)を退店した。

一方、ホテル・宿泊研修事業については6施設を開業した。その内訳は、「アパホテル」が3施設(宮崎延岡駅前、宮崎延岡中央、山口防府、大分駅前)、「レクトーレ羽生TERRACE※1」「ISHINOYA別府※2」(SHONIN PARK内)となっている。

※1 初めての業態となるトレーラーハウスヴィラを埼玉県イオンモール羽生「noNIWA」内に開業した。
※2 大分県別府市のPark-PFI事業として、2025年7月24日に開業した「SHONIN PARK」内の宿泊施設。全室がオーシャンビューと源泉かけ流し温泉付きである。

2. ノバレーゼとエスクリの経営統合
2025年11月に資本業務提携先であるエスクリを連結子会社化※1すると、2026年4月1日には同じく連結子会社のノバレーゼとの経営統合に踏み切った※2。ブライダル事業を展開する連結子会社同士の合併により発足した新会社オンザページは業界トップクラスの売上規模となる。エスクリとはこれまでも、ブライダル施設における平日の稼働率向上を目的とした共同レンタルスペースブランド「CIRQ」の開発・運営や、コスト最適化を目的とする同社子会社(リリカラ)への工事委託などで連携を図ってきた。また、同社グループのブライダル事業は、エスクリが都内、ノバレーゼが地方という棲み分けができていた。今回の合併は、1) 婚礼施設ネットワークの拡大、2) 内製化率の向上、3) スケールメリットの享受とコスト削減、4) 人材とノウハウの相互補完、新規事業領域の拡大、M&Aの活用、5) 競合優位性の確保などにねらいがある。ブライダル市場は、コロナ禍の影響により一時的に市場規模が縮小したものの、1兆円強の市場規模まで回復してきている。また、平日においてもスペースや機能を有効活用できる同社のビジネスモデルや3万社に上る顧客基盤の活用等により、同社にしかできない事業再生(業界再生)を目指していく。

※1 エスクリのA種種類株式2,000株の普通株式転換により議決権比率が53.76%となり、2026年2月期第3四半期より連結子会社となった。
※2 ノバレーゼを吸収合併存続会社、エスクリを吸収合併消滅会社とする。なお、新会社オンザページに対する同社の持ち株比率は57.74%(2026年4月1日時点)となった。

3. フレキシブルオフィス事業の拡充
2026年3月31日にはシェアオフィス「CROSSCOOP」を運営するヒューリック<3003>子会社を買収した。「CROSSCOOP」は東京や仙台に10施設を展開しており、什器やインフラ設備、セキュリティが整った個室を短期間でも利用できるシェアオフィスである。本件は、多様なオフィスニーズに対する、より柔軟かつ幅広いサービス提供にねらいがある。2025年にAPAMAN(株)から事業を譲り受けた「fabbit」と「CROSSCOOP」、TKP会議室の長期貸しの連携により、あらゆる顧客のオフィス需要を網羅する体制を構築できた。

4. 三菱地所との連携強化
2026年4月1日より三菱地所が所有する東京駅周辺4施設※の一括運営受託を開始し、東京駅周辺エリアにおける運営基盤のさらなる強化を図った。加えて、三菱地所所有の「日比谷国際ビルコンファレンススクエア」の運営も受託した(2027年4月1日より)。本件は同社の運営ノウハウや送客力などに対する評価の高さを示すものと言える。同社にとっても安定的な収益源になるとともに、好立地優良物件の運営受託はさらなるブランド力の向上や新たな周辺顧客の開拓にもつながるものとしてメリットが大きい。

※ 丸ビル「丸ビルホール&コンファレンススクエア」、新丸ビル「新丸ビルコンファレンススクエア」、三菱ビル「コンファレンススクエアエムプラス」、二重橋ビル「二重橋ビル貸会議室1」。

5. その他グループ体制の整備
2025年10月31日にVRエンターテインメントの企画・制作を手掛けるAquaVision(株)の株式を30%取得し関連会社化した。同社が運営する会場や施設において、VRを利用した芸術・文化・エンターテインメント分野における体験型コンテンツを共同で展開することにねらいがある。また、2026年4月14日には資本業務提携先である識学<7049>との提携内容の一部変更(追加)と株式の追加取得を決議した。本件は同社の有する豊富な顧客基盤や全国のスペースネットワークと、識学の有するVCファンド事業、ハンズオン支援ファンド事業における投資先支援のノウハウを相互に活用することで、両社事業の拡大を目指すものである。また、株式の追加取得により識学に対する同社の持ち株比率は17.36%となり、重要な影響力の観点から関連会社となる見込みである。

6. 固定資産の一部流動化
2026年2月27日に同社が保有・運営する「アパホテル<TKP日暮里駅前>」の流動化(セール&リースバック)を決定した。資本効率の向上と成長投資資金の確保が主な目的であり、本件により特別利益約120億円を計上(2026年2月期)するとともに、約140億円の売却資金を得ることができた。同社では、従来から「持たざる経営」を標ぼうする一方、安定的に高稼働率が期待できるホテル事業についてはあえて一部を自社保有することで高収益性を享受してきた。今後もその方針に大きな変更はないものと見ているが、自社保有する物件はほかにもあり、今回の売却資金の活用とともに、今後の同様の動きにも注意が必要である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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