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IDOM Research Memo(7):2033年2月期に市場シェア10%、業界No.1の確立を目指す
2026/05/26 11:37
*11:37JST IDOM Research Memo(7):2033年2月期に市場シェア10%、業界No.1の確立を目指す
■中長期の成長戦略
1. 長期の事業戦略
IDOM<7599>は、来たるモビリティ社会を見据え、2033年2月期までを対象とした3段階の成長フェーズを設定している。フェーズ1(2023年2月期~2027年2月期)は、現行の5ヶ年中期経営計画で「攻めの拡大期」と位置付ける。資本効率の向上と成長の両立を掲げ、大型店100店舗体制、小売台粗利の高付加価値化・安定化、小売台数の純増に取り組んでいる。
フェーズ2(2028年2月期~2030年2月期)の次期中期経営計画期間は「生産性向上期」とし、ROIC8%以上、既存の中小型店の収益改善及びCRMの本格稼働による顧客管理の高度化に取り組む。これらの施策を通じて、人材の定着と1人当たり生産性の向上を図り、組織基盤の強化を進める。
フェーズ3(2031年2月期~2033年2月期)の次々期中期経営計画期間は「シェア拡大期」とし、市場シェア10%以上の獲得を目指す。大型店出店の積み上げに加え、OMO(Online Merges with Offline)によるオンラインチャネルの拡張やCRMの高度化を通じたLTVの向上とリピート率の改善を図る。M&Aについては現行の中期経営期間中から検討を開始しているが、当面はガバナンス整備を優先しており、本格的な実行及び収益貢献はフェーズ3以降を想定する。
これらの段階的な取り組みを通じて2031年以降にさらなる成長を加速させ、圧倒的な業界No.1の確立を目指す。
2. 中期経営計画の状況
現在進行中の「中期経営計画2023-2027」については、小売台粗利水準の改善と出店加速を踏まえ、2024年4月に修正を行った。営業利益目標は21,000百万円から30,000百万円へ引き上げられたが、コスト上昇の影響を受け、2027年2月期は24,000百万円での着地を見込んでいる。一方、そのほかの指標はおおむね順調に進捗している。小売台数は目標の170千~190千台に対し177千台、小売台粗利指数は目標111に対し115と、いずれも計画水準を達成する見通しである。ROIC8%以上及びFCF単年黒字化についても達成可能な水準にある。利益額は計画未達の見込みであるものの、総じて収益性改善及び事業基盤の強化は着実に進展した。
3. 成長戦略
(1) 大型店の出店と商圏戦略
2027年2月期は大型店を10店舗出店し、同期末には96店舗に拡大する計画である。その後は出店ペースを年間5店舗程度へと抑制し、投資効率を重視した運営へ移行する。出店にあたっては、投資回収5年以内や商圏シェアの確保といった基準を厳格に適用し、採算性を重視した厳選出店を行う。また、大型店間の未カバー商圏を補完する中型店の展開も検討しており、商圏分析の高度化を通じたエリア戦略の精緻化を進める。
整備工場については大型店との併設を基本とするが、立地制約により設置率は限定的である。2026年2月期末時点で42工場(うち指定工場31)を有しており、整備人材の確保・育成が課題である。このため、採用戦略もこれまで主としていた中途採用に加えて新卒採用も拡大し、管理者層の育成を強化する。
(2) CRM・DXの推進
IT・DXはIDOM Digital Driveが中心となって推進している。CRMシステムは2026年2月期に約1,000百万円を投じて開発を開始し、全店への導入を進めている。30年分の顧客データを統合・活用することで、最適な乗り換えタイミングでのアプローチを自動化し、営業効率の向上を図る。中古車の平均乗り換えサイクルは約7年と長く、収益貢献の本格化には時間を要する見込みであるが、中長期的な競争力の源泉となる重要施策である。また、OMO施策として、デジタル商談と店舗での現車確認を融合させた販売モデルの構築も進めている。
(3) LTV向上と循環型事業モデルの推進
同社は、新車購入から廃車解体に至る車の取引循環サイクルを拡大することで、顧客のリピート率改善、LTVの向上、さらに環境問題への貢献を目指している。同社が想定するLTVサイクルは、各ライフステージへの関与を通じて構築される。新車購入局面では、顧客が所有するガソリン車などを適正価格で買い取ることで購入原資を確保させ、間接的にEV(電気自動車)への乗り換えを後押しする。保有局面では、独自のAIビッグデータを活用した残価予測技術により、最適な売却・乗り換えタイミングを提示する。売却後は、中古車の小売やサブスクリプションによるリユース促進、整備・車検を通じた車寿命の維持、廃車・解体時の部品・資源の再利用により、循環サイクルを完結させる。
この、一連のサイクルにおいてCRMを活用したタイミング提案が、LTV向上とEV普及の両面で機能する構造となっている。
(4) 海外戦略
海外展開については選択と集中を進めている。豪州事業は2022年に撤退済みであり、アフリカ事業も縮小・撤退方向にある。一方、米国では試験的な出店を継続しており、2026年2月期は黒字転換を達成した。また、豪州法人IDOM Innovations Pty Ltd.ではBtoB車両取引プラットフォーム「オートフリップ」の開発を継続しており、成果次第ではアジアなど他地域への展開も検討する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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■中長期の成長戦略
1. 長期の事業戦略
IDOM<7599>は、来たるモビリティ社会を見据え、2033年2月期までを対象とした3段階の成長フェーズを設定している。フェーズ1(2023年2月期~2027年2月期)は、現行の5ヶ年中期経営計画で「攻めの拡大期」と位置付ける。資本効率の向上と成長の両立を掲げ、大型店100店舗体制、小売台粗利の高付加価値化・安定化、小売台数の純増に取り組んでいる。
フェーズ2(2028年2月期~2030年2月期)の次期中期経営計画期間は「生産性向上期」とし、ROIC8%以上、既存の中小型店の収益改善及びCRMの本格稼働による顧客管理の高度化に取り組む。これらの施策を通じて、人材の定着と1人当たり生産性の向上を図り、組織基盤の強化を進める。
フェーズ3(2031年2月期~2033年2月期)の次々期中期経営計画期間は「シェア拡大期」とし、市場シェア10%以上の獲得を目指す。大型店出店の積み上げに加え、OMO(Online Merges with Offline)によるオンラインチャネルの拡張やCRMの高度化を通じたLTVの向上とリピート率の改善を図る。M&Aについては現行の中期経営期間中から検討を開始しているが、当面はガバナンス整備を優先しており、本格的な実行及び収益貢献はフェーズ3以降を想定する。
これらの段階的な取り組みを通じて2031年以降にさらなる成長を加速させ、圧倒的な業界No.1の確立を目指す。
2. 中期経営計画の状況
現在進行中の「中期経営計画2023-2027」については、小売台粗利水準の改善と出店加速を踏まえ、2024年4月に修正を行った。営業利益目標は21,000百万円から30,000百万円へ引き上げられたが、コスト上昇の影響を受け、2027年2月期は24,000百万円での着地を見込んでいる。一方、そのほかの指標はおおむね順調に進捗している。小売台数は目標の170千~190千台に対し177千台、小売台粗利指数は目標111に対し115と、いずれも計画水準を達成する見通しである。ROIC8%以上及びFCF単年黒字化についても達成可能な水準にある。利益額は計画未達の見込みであるものの、総じて収益性改善及び事業基盤の強化は着実に進展した。
3. 成長戦略
(1) 大型店の出店と商圏戦略
2027年2月期は大型店を10店舗出店し、同期末には96店舗に拡大する計画である。その後は出店ペースを年間5店舗程度へと抑制し、投資効率を重視した運営へ移行する。出店にあたっては、投資回収5年以内や商圏シェアの確保といった基準を厳格に適用し、採算性を重視した厳選出店を行う。また、大型店間の未カバー商圏を補完する中型店の展開も検討しており、商圏分析の高度化を通じたエリア戦略の精緻化を進める。
整備工場については大型店との併設を基本とするが、立地制約により設置率は限定的である。2026年2月期末時点で42工場(うち指定工場31)を有しており、整備人材の確保・育成が課題である。このため、採用戦略もこれまで主としていた中途採用に加えて新卒採用も拡大し、管理者層の育成を強化する。
(2) CRM・DXの推進
IT・DXはIDOM Digital Driveが中心となって推進している。CRMシステムは2026年2月期に約1,000百万円を投じて開発を開始し、全店への導入を進めている。30年分の顧客データを統合・活用することで、最適な乗り換えタイミングでのアプローチを自動化し、営業効率の向上を図る。中古車の平均乗り換えサイクルは約7年と長く、収益貢献の本格化には時間を要する見込みであるが、中長期的な競争力の源泉となる重要施策である。また、OMO施策として、デジタル商談と店舗での現車確認を融合させた販売モデルの構築も進めている。
(3) LTV向上と循環型事業モデルの推進
同社は、新車購入から廃車解体に至る車の取引循環サイクルを拡大することで、顧客のリピート率改善、LTVの向上、さらに環境問題への貢献を目指している。同社が想定するLTVサイクルは、各ライフステージへの関与を通じて構築される。新車購入局面では、顧客が所有するガソリン車などを適正価格で買い取ることで購入原資を確保させ、間接的にEV(電気自動車)への乗り換えを後押しする。保有局面では、独自のAIビッグデータを活用した残価予測技術により、最適な売却・乗り換えタイミングを提示する。売却後は、中古車の小売やサブスクリプションによるリユース促進、整備・車検を通じた車寿命の維持、廃車・解体時の部品・資源の再利用により、循環サイクルを完結させる。
この、一連のサイクルにおいてCRMを活用したタイミング提案が、LTV向上とEV普及の両面で機能する構造となっている。
(4) 海外戦略
海外展開については選択と集中を進めている。豪州事業は2022年に撤退済みであり、アフリカ事業も縮小・撤退方向にある。一方、米国では試験的な出店を継続しており、2026年2月期は黒字転換を達成した。また、豪州法人IDOM Innovations Pty Ltd.ではBtoB車両取引プラットフォーム「オートフリップ」の開発を継続しており、成果次第ではアジアなど他地域への展開も検討する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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