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アズ企画設計 Research Memo(6):販売事業の規模拡大をベースにM&Aで成長を加速

*11:06JST アズ企画設計 Research Memo(6):販売事業の規模拡大をベースにM&Aで成長を加速
■アズ企画設計<3490>の今後の見通し

1. 2027年2月期の業績見通し
中期経営計画の最終年度となる2027年2月期の連結業績は、売上高15,500百万円(前期比14.4%増)、営業利益1,250百万円(同61.4%増)、経常利益850百万円(同81.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益530百万円(同79.8%増)という大幅な成長を見込んでいる。

売却時期が今期に期ズレした大型物件がプラスに寄与することに加えて、前期の営業人員の増強効果により、仕入れが順調に推移したために、不動産販売事業が全社の成長ドライバーになると見ている。加えて、2025年9月に子会社化した富士ホームが通期で寄与することもプラスに働く。

事業セグメント別の詳細な計画は開示されていないものの、各事業において以下の動向が予想される。不動産販売事業は前述のとおり、期ズレ大型案件の販売寄与と仕入れ好調の相乗効果により、全体業績をけん引する見通しである。不動産賃貸事業は区分や実需物件の在庫を一定数保有しているため、緩やかな伸びにとどまると予想される。不動産管理事業については、富士ホームの通年寄与を中心に堅調な推移が期待される。

2. 成長戦略
同社では、事業を取り巻く外部環境は、堅調に推移すると見ている。その要因は(1) 富裕層の総資産額のうち不動産が77%を占める※1、(2) 2024年の海外投資家の不動産購入額が9,397億円(前年比63%増)へ増加※2、(3) 東京23区における中古マンション価格の大幅上昇(例:70m2の中古マンション価格:2015年4,748万円→2024年7,720万円)※3、(4) 東京23区の人口増加傾向が2035年の999万人まで継続※4、という4つの観点であり、都心の不動産市場は今後もさらに成長すると予想している。

※1 (株)野村総合研究所「Financial Information Technology Focus 2023.12」
※2 国土交通省「令和6年度 土地に関する動向」
※3 東京カンテイ「プレスリリース 2025年1月23日」
※4 東京都「予測結果の概要」

こうした環境下、中期経営計画の3つの事業戦略(販売事業の規模拡大、営業利益向上、社外との連携)を軸に、中期経営計画目標の達成を実現するための具体的な成長戦略として、以下の4つの施策を推進している。

(a) 取り扱い物件の規模拡大(大型化戦略)
従来の5億円未満を中心とした小規模なビルや収益不動産物件から、融資の付きやすい富裕層投資家をターゲットとした5億円以上の大型案件へのシフトを加速させている。全体の取引件数に占める5億円以上の案件割合は2021年2月期25.0%(16件中4件)であったのが、2026年2月期には38.5%(26件中10件)まで上昇した。また、前述したように1棟収益不動産売却価格平均も2021年2月期の4.2億円から2026年2月期の7.9億円まで増加しており、大型化戦略は着実に進展している。

(b) 物件種別の多様化(アセットミックスの最適化)
収益不動産の売却件数についても、住居用(レジデンス)に偏重していたポートフォリオを事業用(オフィス・店舗)へ広げ、住居と事務所の構成比を1:1にすることを目指している。居住用の割合がピークの2023年2月期の70.8%から2026年2月期には57.7%へ低下し、それに伴って事業用の割合が拡大した。また、区分所有物件にも注力しており、区分の売却件数の割合は2022年2月期の5.9%から2026年2月期は50.0%へ上昇している。それにより、特定のアセットに依存しないリスク分散と、幅広い投資ニーズへの対応を可能にしている。

(c) 在庫回転期間の短縮(資本効率の追求)
同社のモデルケースを見ると、物件取得から売却まで、約9ヶ月(購入契約・資金調達から物件取得まで約1ヶ月、物件取得からバリューアップまで約3ヶ月、バリューアップから物件の売却契約まで約3ヶ月、物件の売却契約から資金返済まで約2ヶ月)という短期間での資金回収サイクルを確立している。仕入れ時点で出口戦略を明確にすることで、リーシングの早期完了と早期の資金回収の実現を目指している。

(d) ストック企業のM&A
2025年9月の富士ホームの子会社化により、ストック型収益の拡充とエリア深耕に成功した。エリアで見ると、浅草地区における不動産オーナーとのネットワーク獲得で顧客基盤の強化を実現した。さらに、多数の管理物件(約300戸)の獲得による事業基盤強化に加え、同社の主力の不動産販売事業のビジネスモデルを富士ホームへ展開することによる事業シナジーが期待できる。今後はこの成功事例を基に、さらなるストック企業のM&Aを推進する計画である。

なお、同社では推進中の中期経営計画(2025年2月期~2027年2月期)に代わる次期中期経営計画の策定に着手している。足元の堅調な仕入れの進捗と業績の拡大を受け、2027年2月期第1四半期業績の内容を精緻に分析・反映したうえで、同決算発表に合わせて公表する予定となっている。



■株主還元策

株主優待を絡めた高水準かつ積極的な株主還元を実施

同社は、株主への利益還元を重要な経営施策の1つとして位置付けており、持続的な成長と企業価値の向上が株主共通の利益であるという考えの下、将来の成長投資と直接的な還元のバランスを最適化することを基本としている。直近では、配当と株主優待を合わせた総合利回りの観点を重視しており、高い還元水準を維持する方針である。

配当に関しては、継続的かつ安定的な配当を実施すると同時に、将来の事業拡大や経営基盤強化に必要な成長投資としての内部留保を充実させることを前提に、業績に応じて安定的かつ柔軟に配当を行うことを基本方針としており、業績に応じた柔軟な引き上げを目指している。2024年2月期に1株20.0円(配当性向3.5%)の配当を初めて実施したのに続き、業績拡大した2025年2月期には30.0円(同7.8%)へ増配を行った。続く2026年2月期は計画未達・減益決算となったものの、安定的な配当を維持するとの観点から30.0円(同13.9%)を継続、2027年2月期についても30.0円(同8.5%)を継続する計画である。

株主優待制度について見ると、2023年2月にQUOカード贈呈(100株以上一律・年間6,000円)が導入され、その後の2025年8月に内容が大幅に拡充された。保有区分が細分化され、半年以上の継続保有を条件に年間で最大30,000円分の贈呈が行われる仕組みとなっている。

以上のことを踏まえ、1株当たり年間配当金30.0円を前提に、半年以上の継続保有という条件を満たし年間2回株主優待を受けた株主の総合利回り(配当+優待)※は100株の場合3.93%、200株の場合4.29%、300株の場合4.64%となり、高い利回りを実現している。

※ 2026年3月31日の終値で算出。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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